在タジキスタン大使館からのお知らせ(海外安全情報)

在留邦人の皆様

【在タジキスタン大使館】タジキスタンについての渡航情報(危険情報)の更新

 5月23日,在タジキスタン日本国大使館は,タジキスタンについての渡航情報(危険情報)を更新致しました。以下URLリンク(外務省海外安全ホームページ)または本文を御確認願います。

 在留邦人の皆様におかれましては,最新の治安情報の入手に努めるとともに,改めて危機管理意識を持つよう努めてください。

 また,テロや誘拐等の不測の事態に巻き込まれることのないよう,特にテロの標的となりやすい場所(モスク等宗教関連施設,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設,公共交通機関,観光施設,デパートや市場等不特定多数が集まる場所等)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払ってください。

 万が一重大なトラブルに巻き込まれた際は,昼夜を問わず当館に御相談下さい。

○外務省海外安全ホームページタジキスタンの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新))

 http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T044.html#ad-image-0

○緊急時連絡先(携帯電話)

 河田:+992 93 880 00 24 柏崎:+992 93 880 00 21

タジキスタンについての渡航情報(危険情報)の発出

●ハトロン州及びゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近

:「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」(継続)

●上記以外の地域(首都ドゥシャンベ市及びホジャンド市を除く)

    :「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」(継続)

●首都ドゥシャンベ市及びホジャンド市

    :「レベル1:十分注意してください。」(継続)

☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。

1.概況

(1)タジキスタンでは,1997年の政府とイスラム過激派を含む反政府勢力間の和平合意以降,国内の治安情勢は徐々に安定の方向に向かっていました。2005年以降は,反政府勢力の活動が再び活発化するに伴い,治安情勢も一時的に悪化しましたが,2011年には反政府勢力の主流派が国内から一掃されました。

(2)他方,2015年3月,タジキスタン国内での戦闘を主張するISILタジキスタン人戦闘員によるインターネット動画の投稿,同年5月,内務省特殊部隊(OMON)元司令官のISIL参加,昨今,シリア等に渡航するタジキスタン人戦闘員の増加等,タジキスタン国内において,イスラム過激派関連事件発生の潜在的脅威が存在していると言えます。

(3)こうした中,アフガニスタン北部には,ISILを含むイスラム過激派の戦闘員が多数流入しているとみられており,これらの者がアフガニスタンからタジキスタンに不法越境する可能性も否定できません。

(4)また,国内東部のゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近は,過去,治安機関と反政府勢力がたびたび衝突した地域であり警戒が必要です。

(5)これまでに,タジキスタンにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセルイスタンブールジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロも発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(6)なお,国内の医療事情は極めて悪く,病気や事故等により応急処置が必要な場合,高水準の医療を受けることはできません。また,徐々に改善されているとはいえ,交通,通信等の社会インフラの整備状況は,未だ脆弱です。落石,雪崩,地滑り,増水など自然災害による被害が広範囲にわたり発生しているほか,車両の転落事故も多数発生しています。

2.地域別情勢

(1)ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近

  :「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」

ア タジキスタン南部のハトロン州とアフガニスタンとの国境付近は,隣接するアフガニスタン北部の治安情勢の影響を受けやすい状況にあります。最近,ISILを始めとするイスラム過激派戦闘員が,ハトロン州に隣接するアフガニスタン北部のクンドゥーズ県,タハール県,バダフシャン県等に多数流入しているとみられています。アフガニスタンでは,2014年12月,国際治安支援部隊ISAF)が撤収していますので,今後,こうした武装勢力がテロ・襲撃等を敢行し,活動を活発化させるおそれがあります。また,イスラム過激派がアフガニスタンからタジキスタン国内に不法越境する可能性も否定できません。

 現在のところ,ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近を含むタジキスタン国内においては,ISILの具体的な活動は確認されていませんが,多くのタジク人がISILに外国人戦闘員として参加しているとみられています。2015年1月には,ISILが,アフガニスタンパキスタン及びその周辺の土地を含む地域に「ホラーサーン州」の設立を宣言しています。

上記情勢を踏まえると,ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近における脅威度は,これまで以上に高まっています。

イ なお,同地域では,麻薬取引に絡む事件が相次いで発生しており,現在も国境警備隊員と麻薬密輸者との銃撃戦が散発的に行われ,死亡者が発生しています。

ウ つきましては,ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近への渡航・滞在は,どのような目的であっても中止してください。

(2)ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近

  :「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」

ア タジキスタン東部のゴルノ・バダフシャン自治州とアフガニスタンとの国境付近の治安情勢は,非常に不安定です。2011年6月にはホログ市内において,裁判所の判決を不服とした集団が,裁判所職員への暴行や検察庁舎の損壊行為に及びました。

 2012年7月には,国家保安委員会同州支部長官殺害事件を発端として治安部隊と反政府勢力との銃撃戦等が起こり,報道によると,39名が死亡,40名が負傷しました。その後,ホログ市民がタジキスタン政府に不信感を募らせ,反政府集会等が継続的に行われました。

2014年5月には,治安機関職員による地元住民射殺事件を受けて警察署などの治安機関の建物の焼き討ちが発生したため,夜間外出禁止令が発令され,周辺の交通が遮断されるなど一時緊迫した状況になりました。

同国境付近の道路には,国境警備隊の検問所が数多く設置され,武装勢力及び麻薬・武器密輸業者等の取締りを厳しく行っていますが,隣国アフガニスタンから越境してくる密輸業者との銃撃戦も頻繁に発生し,死亡者も出ている模様です。また,同自治州の一部地域には地雷が埋設されています。

イ 同地域への首都からの交通アクセス状況は極めて悪く,冬は積雪により,また,それ以外の季節は自然災害の道路復旧工事の為に交通がしばしば規制されています。同地域の通信インフラは不十分で,一部においては電話も全く通じません。また,同地域の大部分は,電気,水道等のインフラ整備も遅れているため,電力供給不足により一日の大半が停電となることもあり,頻繁に断水も発生していることから,旅行に適した環境とは言えません。

ウ つきましては,ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近への渡航・滞在は,どのような目的であっても中止してください。

(3)上記(1)及び(2)以外の地域(首都ドゥシャンベ市及びホジャンド市を除く)

  :「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」

ア タジキスタンでは,1992年から1997年にかけて続いた内戦の結果,道路網等の社会的インフラの整備が遅れ,首都ドゥシャンベ市及びホジャンド市等の一部都市を除き,公共移動手段(バス等)及び宿泊施設がほとんど整備されていません。そのため,ガイド等を伴わない一般旅行者の国内移動には,依然として安全面に多くの問題があります。また,道路環境についても,悪天候による落石及び土砂崩れも頻繁に発生し,これによる死傷者も多数出るなど,旅行に適していない状況です。

 

イ 反政府勢力の活動拠点であったガルム地方等には,一部に地雷が埋設され,幹線道路以外のルートを通行した地域住民等に相当数の犠牲者が出ており,2011年には2名が死亡し4名が負傷,2012年には3人が死亡し4人が負傷しています(UNDPタジキスタン調べ)。

 

ウ 2017年1月中,タジク国内において244件の雪崩が発生し,死傷者が出ております。過去5年間の非常事態委員会のデータによると,この間国内で603件の自然災害(落石,地滑り,雪崩,泥流)が発生し,127名が死亡,6億米ドル相当の経済的損失が報告されています。

エ 今冬,タジキスタン国内全域に多くの積雪があり,ゴルノ・バダフシャン自治州(GBAO)を含むいくつかの地域において雪崩が発生し,それに伴い,各地で家屋の倒壊,雪崩・落石による道路の崩壊などの危険が起きています。また,春から夏にかけて山岳地帯における雪解けにより,洪水の発生も予想されます。

 

オ つきましては,これら地域への不要不急の渡航・滞在は控えてください。やむを得ない事情でこれら地域に渡航・滞在される方は,山岳地域の移動を含め,長距離移動の際は報道等により雪崩に関する最新情報を入手の上,事前に十分な安全対策を講じてください。

(4)首都ドゥシャンベ市及びホジャンド市:「レベル1:十分注意してください。」

ア 首都ドゥシャンベ市及び北部ソグド州都ホジャンド市においては,商業店舗数が増え,一般市民生活も徐々に安定してきていますが,これらの都市においては富裕層の市民が強盗,ひったくり等の標的になっています。内務省の犯罪統計によれば,犯罪発生件数は引き続き増加傾向にあり,貧富の格差が特に急速に広まりつつある両市においては強盗事件及び暴力行為が増加しています。

イ 在タジキスタン日本国大使館において把握している限り,近年,テロ事件は発生しておりません。しかし,爆弾テロを含めたテロ未遂事件が検挙されていることや若者を中心に潜在的なISIL支持者がいることなど,都市部におけるテロ事件発生の潜在的脅威が存在していると言えます。

ウ ホジャンド市では,2010年,内務省所管の庁舎において,自爆テロ犯が車両で突入し,多数の死傷者が出るという事件が発生しています。この自爆テロ以降,ソグド州内務省は州内で多数の過激派と見られる者達を検挙しています。また近年,過激派組織への関与やISIL戦闘員へのリクルートといった容疑による指名手配者や検挙者も増加しています。同地域は,過激分子の動向に注意を要するとの見方もあり,治安機関も取締りを強化しています。

エ つきましては,首都ドゥシャンベ市及びホジャンド市への渡航・滞在にあたっては,周囲の状況に気を配って行動する,テロの標的になりそうな施設に近付かないといった特別な注意を払い,危険を避ける必要があります。

3.滞在に当たっての注意

滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,夜間の徒歩での外出は極力避けるとともに,宿泊するホテルは安全な場所を選ぶなどの点にも留意してください。外務省,在タジキスタン日本国大使館,現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努め,不測の事態が発生した場合は,在タジキスタン日本国大使館に連絡してください。

(1)渡航者全般向けの注意事項

ア テロ事件等に対する警戒

滞在中は常に周囲の安全に気を配り,政府関係施設周辺や市場,レストラン等不特定多数の人が集まる場所等,テロの標的となり得る場所では用心を怠らず,安全の確保には十分注意してください。バス,乗合自動車等の公共交通機関を利用する際も十分注意してください。万が一爆発事件が発生した場合,発生直後の現場では二次災害の危険がありますので,絶対に近寄らないでください。

イ 外出の際の留意事項等

外出の際には,周囲の安全に注意してください。長期滞在者の方は,不測の事態に備え,食料,飲料水を備蓄しておくとともに,旅券(パスポート),貴重品,衣服等をいつでも持ち出せるように準備しておき,退避手段についても常時確認しておいてください。

   

(2)その他注意事項

ア 日本国大使館への在留届の提出と「たびレジ」への登録

 3ヶ月以上海外に滞在する方は在留届の提出を,3ヶ月未満の場合は「たびレジ」への登録を必ず実施してください。(「たびレジ」の登録: https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができます。また,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。

イ タジキスタン政府に対する滞在登録

タジキスタンに3日以上滞在する外国人は,滞在登録を義務付けられています。ただし,観光目的の場合,45日以内の滞在者は滞在登録の必要がありません。ホテルに宿泊する場合はホテル側が手続を代行してくれますが,ホテル以外に滞在する場合には「オビール」(査証・滞在登録局)において自分で滞在登録を行う必要があります。最近,この滞在登録を怠り,内務省から不法滞在を指摘される事例が増えていますので,十分注意してください。また,滞在登録証は出国時に必要ですので,紛失しないように保管してください。

ウ パミール観光の際の通行許可証の取得

ゴルノ・バダフシャン自治州を通行するためには,査証のほかにパミール通行許可証(パーミット)の取得が必要です。パミール地方を通過する旅行者は「オビール」(査証・滞在登録局)において自分で滞在登録を行う必要があります。最近,この許可証を事前に取得することなく同地域を通行した邦人旅行者が現地警察との間でトラブルを引き起こす事例が増えています。場合によっては,身柄を拘束される可能性もありますので,十分注意してください。

エ なお,アフガニスタン(全土にわたって「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」の危険情報が出ています。)への陸路での入国は極めて危険なため,厳に差し控えてください。

4.隣国アフガニスタンウズベキスタンキルギス及び中国西部にはそれぞれ危険情報が発出されていますので,それらにもご留意ください。

(問い合わせ先)

(問い合わせ窓口)

○外務省領事サービスセンター

住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)

○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く。)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2306

○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3399

○外務省 海外安全ホームページ

  http://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)

  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/スマートフォン版)

  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp(モバイル版)

渡航先の衛生・医療事情等に関する情報)

○世界の医療事情(在外公館医務官情報)

  http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/tajikistan.html

(現地大使館連絡先)

○在タジキスタン日本国大使館

  住所:80A, Kh.Nazarov St., Dushanbe, Republic of Tajikistan

  電話:(市外局番37)227-54-36又は227-54-46

    国外からは(国番号992)37-227-54-36又は227-54-46

  ファックス:44-600-5478

    国外からは(国番号992)44-600-5478

  ホームページ: http://www.tj.emb-japan.go.jp/j/