【新型コロナウイルス関連情報】再度の感染状況悪化を受けた行動制限措置の再強化

 11月16日、マーティン首相は演説を行い、最近の新型コロナウイルス感染拡大に強い懸念を示しつつ、国民の多くがワクチン接種を受けた効果を強調するとともに、医療現場の逼迫を緩和するためにも、ブースター接種計画を拡大させ、追加的な行動制限措置を施行すると発表しました。その概要は、以下のとおりです。

 在留邦人及びアイルランド滞在中の邦人の皆様におかれては、最新情報の入手に努め、引き続き感染予防に努めてください。

1 状況認識

アイルランド新型コロナウイルス感染症の状況は、不確実であり、かつ、懸念対象である。社会的接触のレベル、基本的な公衆衛生上の防護措置、国民の間の免疫レベルを含むいくつもの要素次第では、我々はさらなる状況悪化に対して脆弱なままである。

●新型コロナの現在の水準は、病院、集中治療病床(ICU)、公衆衛生、検査と濃厚接触者追跡、かかりつけ医(GP)、広範囲の基本的治療サービスを含む、医療サービスのすべての側面に重要かつ継続的な影響を及ぼしている。

●公衆衛生上の勧告に沿って、政府は、社会における新型コロナの蔓延を阻止するための一連の措置に合意した。

2 直ちに適用される措置

●家庭内において濃厚接触者となった者で、ワクチン接種を完了しており、かつ、新型コロナの症状を示していない者は、5日間以内に3回の抗原検査で陰性の結果を得るまで、行動制限すべきである。

3 11月18日(木)深夜24時から適用される措置

●職場に物理的に赴くことが必要である場合以外は、すべての者は在宅勤務に戻るべきである。

●映画館及び劇場では、COVID−19パス(ワクチン接種または新型コロナからの回復に基づくもの)を必要とする。

酒類提供免許を持つ営業主体(ホテルにおいて宿泊客を対象とするものを除く)については、閉店時間を深夜24時とし、それまでにすべての客を退出させる。

4 ワクチンのブースター接種計画

●現在、一般社会の60歳以上の者、長期居住ケア施設の利用者、免疫が落ちている者及び医療従事者に対して、ブースター接種を行っている。保健サービス委員会(HSE)は、これからの数週間、薬局やワクチン接種センターを通じた接種実施能力をさらに拡大させる計画である。また、昨日夜に国家予防接種諮問委員会(NIAC)から受領した勧告に沿って、今後数日、ブースター接種計画を、既往症を持つ16歳から59歳の者、及び、50歳から59歳の者に対して、さらに拡大する計画である。

●ワクチン接種が新型コロナに対抗する、単一かつ最も効果的な防護策であり、これまでまだ接種を受けていない者は、引き続きワクチン接種を受けることができる。ワクチンは、新型コロナ感染による死亡と重症化を防ぐために、最も効果的であることが証明されている。

●一方、HSEによれば、ワクチン未接種者は、成人の7%を構成するにとどまっているにも関わらず、新型コロナによる入院患者のうちの未接種者が占める割合は40%に上っている。ICU入院患者のうち未接種者が占める割合は52%であり、2回接種のうち1回のみ終えた者は5%である。

5 感染拡大を防止するための行動

(1)多くの人がワクチン接種を受けたことにより、感染者数から入院患者数及びICU患者数に転化させない好意的な影響が示されているが、ワクチンだけではこの転化を防止せず、一連の公衆衛生上の行動を取ることが、引き続き、集団的な新型コロナ対策の非常に重要な要素であり続ける。その行動には、次に列挙するものが含まれる。

●症状が現れた場合は、素早く行動し、隔離し、検査を受けること。

●適切な場所では、顔を覆う用品を着用すること。

●屋内では、よく換気すること。

●適切な場合はいつでも、社会的距離を確保すること。

●咳、くしゃみをする際は、顔をカバーすること。そして、手を清潔に保つこと。

(2)我々自身及び我々のコミュニティにいる脆弱な人々を護るため、次のことをすべきである。

●我々自身の活動に優先順位をつける。

●リスクがより高い環境(屋内、混雑した環境、距離を取ることが困難な場所)における活動を制限すること。

●無症状であっても、リスクの高い環境において活動した者は、定期的に抗原検査を受けること。

●リスクの高い活動を行った後は、脆弱な人々を訪問しないようにすること。

(3)ブースター接種が承認されている年齢層にある者は、接種をオファーされた際は、これを優先的に受けるべきであり、ブースター接種を受けるまでは、特に注意して行動すること。

6 在宅勤務

●本日の決定を受けて、労働雇用者経済フォーラムを通じて雇用者および労働組合と協議を行い、職場に出勤する必要がある場合を除く在宅勤務についてのガイダンスを更新するとともに、職場への出勤を継続する者向けの職場安全手順(Work Safely Protocol)に記載されている防護措置に関するコミュニケーションを強化する。

●政府は、パンデミックの影響を受けた企業や個人を支援するために、EU内で提供されている中で最も充実した直接支援である「経済回復計画」に基づき、一連の経済支援を継続する。その中には、雇用給与補助金制度(EWSS)(これまでの支出額は54億ユーロ超)、納税債務猶予、対象を絞った法人諸税の軽減、COVID−19信用保証制度、メンタリングプログラム、直接無償プログラム等のビジネス向け低コスト融資制度が含まれる。

●様々な分野別の支援も継続される。観光・文化・芸術・ゲールタクト・スポーツ・メディア省を通じて、COVID−19の影響でホスピタリティ及びエンターテイメント部門が直面している課題について、政府は継続的に同部門にコンタクトする。

●学校、高等教育機関及び生涯教育機関における学生の出席や教育現場での活動に関する現行の取り決めには変更はなく、これら部門のCOVID対応計画に従う。

7 遵守を促す行動(コンプライアンス

●これまでの取り組みを踏まえ、遵守を促す行動と検査活動を強化するために、規制機関フォーラムを通じた作業を含め、政府機関や検査機関との作業を継続している。このような遵守を促す行動を効果的に進めることは、市民の全体的な姿勢と関連ビジネス部門からの支援に大きく寄与する。

8 その他の防護措置として、以下の内容が含まれる。

●屋内でのホスピタリティ及びイベントにおいて、EUデジタルCOVID証明書(COVID−19パス)の利用要求を満たすこと。

●マスクの着用(適切に飲食する際は外してよい)。

●濃厚接触追跡のデータを収集すること。

●屋外のイベントでは、COVID−19パスの利用及び収容人数の制限は適用されない。しかしながら、イベントの開催部門は、適切な防護措置を確実に実施すべき。

●屋内及び屋外のイベントを組織する者は、適切な防護措置を確実に実施すべき。屋内でのグループ活動において、ワクチン接種完了者と未完了者が混在する場合は、6人までの小グループを適用すべき。18歳以下の子供については、その他すべての防護措置を取った上で屋内の遊戯や競技といった活動を可能とするためにのみ、「6人までの小グループ」のシステムを調整して良い。

その他のすべての状況、例えばトレーニング活動やトレーニングの一環である遊戯等においては、「6人までの小グループ」のシステムは維持されるべきである。これらの屋内外でのグループ活動には、収容人数の制限は適用されない。

●宗教儀式及び結婚式は、収容人数の制限なく実施してよいが、その他すべての防護措置を取る。

9 部門別のガイダンス及び手順

●職場、ホスピタリティ産業、文化及びスポーツ・イベントに関するものを含め、適切な場合、部門別のガイダンス及び手順が見直され、かつ強化される。

●観光・ホスピタリティ産業におけるガイダンスについては、次のURLを参照。

https://covid19.failteireland.ie/operational-guidelines/

ナイトライフ及びエンターテイメントにおけるガイダンスついては、次のURLを参照。

https://www.gov.ie/en/publication/updated-guidelines-for-nightlife-and-live-entertainment-sector/

●関係する省庁・機関の代表者を含む規制機関フォーラムは、すでに開いているビジネス及び直近の政府決定によってこれから再開するビジネスの双方に対する検査を含めた遵守を促す活動が新たな焦点となることに合意した。

10 補足情報

(1)医療従事者関連

●保健防護監視センター(HPSC)は、医療従事者が家庭内の濃厚接触者となり、行動制限を求められる場合の例外について、追加のガイダンスを発行する予定。

(2)ブースタープログラム

ア 高齢者を含む一部のグループでは、すでにワクチン接種を完了していても、新型コロナによって重症化するリスクが高くなっている可能性がある。これには以下の理由が考えられる。

●免疫システムがワクチン接種に強く反応しない。

●ワクチン接種による防護効果が時間の経過とともに弱まる可能性がある。

●社会が開放されていくに伴い、新型コロナウイルスを拾うリスクが高くなっている可能性がある。

●より感染力の強いデルタ型変異株が広がっている。

●新型コロナによりひどく感染するリスクを高める健康状態にある可能性がある。

イ このような理由から、欧州医薬品庁(EMA)はワクチンの追加投与を承認し、国家予防接種諮問委員会(NIAC)は、次のグループへのブースター接種を推奨した。

●一般社会にいる60歳以上の者

●長期居住ケア施設の利用者

●免疫が落ちている者

●医療従事者

●一般社会にいる50歳以上の者

●既往症のある16歳から59歳までの者

ウ 上記の推奨されたグループに属する者には、ワクチン接種完了後(2回の接種が必要なワクチンの場合は2回目接種後)5カ月後に、ブースターワクチンを受ける資格が発生する。

エ 一般的なルールとして、HSEは、NIACが承認した順序及び対象グループの個々の接種スケジュールに沿って、対象者に連絡する。

(3)濃厚接触者の抗原検査

HSEは、濃厚接触者に対し合計3回の抗原検査の受検をアドバイスする。これらの検査は1日のいつに行ってもよい。3回の抗原検査は、次の順序で行うべきである。

●最初に検査を受けた日。

●1回目の検査から2日後に、2回目の検査を受ける。

●2回目の検査から2日後に、3回目の検査を受ける。

11 今回の追加的行動制限措置等の発表についての詳細は、以下の政府ウェブサイトを参照。

(1)11月16日の政府決定を発表するプレスリリース

https://www.gov.ie/en/press-release/b4bec-statement-on-covid-19-public-health-measures-16-november-2021/

(2)11月16日に改定された次段階のパンデミック対応計画「COVID-19: Reframing the Challenge, Continuing Our Recovery and Reconnecting」

https://www.gov.ie/en/publication/3361b-public-health-updates/

12 新型コロナウイルスの最新情報は下記に掲載されています。

<当館のウェブサイト>

https://www.ie.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00004.html

<保健サービス委員会(HSE)の新型コロナウイルス関連情報ポータルサイト

https://www2.hse.ie/coronavirus/?source=banner-www

<政府の新型コロナウイルス関連情報ポータルサイト

https://www.gov.ie/en/campaigns/c36c85-covid-19-coronavirus/

13 新型コロナウイルスに関連する風評被害を受けた場合、また、新型コロナウイルス感染症に感染と診断されるなどの場合には、下記代表電話にご連絡ください。

アイルランド日本国大使館

住所:Nutley Building, Merrion Centre, Nutley Lane, Dublin 4, D04 RP73

電話番号(代表):01-202-8300

E-mail(領事班):consular@ir.mofa.go.jp

※本メールは,当館に在留届を提出いただいている方々及び「たびレジ」登録いただいた方々に送付しています。

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