ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ
1 本11日,ベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに1,351件確認され(フランダース地域:756名,ワロン地域:437名,ブリュッセル:149名,居住地不明:9件)その結果,当地での確定症例数は28,018件となりました。
また,3月15日から4月10日までの間に,5,986名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は418名)している一方,この24時間で新たに327名の方の死亡が確認され,死亡者の合計は3,346名(死亡者全体の55%は病院、42%は老人ホーム、2%はその他の場所でなくなっており、自宅で亡くなった方は0%)となりました。
10日現在,病院のベッドについて,5,635名の感染者(過去24時間中の入院者は421名)が利用しており,そのうち1,262名が集中治療室,981名が人工呼吸器を利用している状況です。
(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))
https://www.info-coronavirus.be/fr/news/1351-nouvelles-infections-au-covid-19/
(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)
https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Pages/2019-nCoV_epidemiological_situation.aspx
2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。
(1)老人ホームでの感染検査に関しては,現時点で11000件以上検査実施。9日に263件,10日に1086件の結果判明。今後,更に数が増える予定。
(2)ベルギーにおけるコロナ感染死者数の解釈について,国毎に死者数の比較が行われることがあるが,国によって状況は大きく異なる点に留意すべき。各国でウィルスが侵入した時期は異なる。ベルギーでは,2月の四旬節(カーニバル)の休暇後,150人以上の感染者が同時期に国内に到来したため,感染が特に急速に広まることになった。
コロナ感染死者数は,病院等での確認検査のキャパシティにも関係する。他の国では,病院全体において検査キットの不足等により確認が困難で,死者数の計上に遅れが生じたところもあるようだが,ベルギーではそのような問題はこれまで生じていない。
ベルギーでは,透明性を重視し,コロナ感染が明らかなケースのみでなく,コロナ感染に関係すると考えられる全てのケースを計上し報告している。すわなち,伝染病の文脈で,老人ホームでの死者を考慮し,(検査をしていないが疑わしいと思われるケースも)計上している。
他方,他国の統計を見ると,国毎の比較に有用と思われる指標の一つとして,(ベルギーでは必ず感染検査を実施している)病院での死者数が挙げられる。ベルギー国内の病院での死者数は1840名。
(3)入院者数は改善しているが死者数は増加している点について,コロナ感染には3つの波がある。すなわち,(ア)感染が発生し,(イ)数日後,これらの感染者の一部が入院し,(ウ)これらの入院者の一部が死亡するといった3段階で事態が推移するため,時間差が生じる。そのため,入院者数が改善している一方で死者数が増加しているのは特におかしなことではない。他方,老人ホームでの状況はまだ制御できておらず,多くの感染者が重篤化している。
(4)感染者数増加のカーブが我々の行動を決定するのではなく,我々の行動が増加のカーブが今後どう変化するかを決めることになる。必要のない外出は避け,家に居るようにしてほしい。
(5)(新たな感染はどこから来ているのか,追跡可能かとの問いに対し)今日の(新規)感染者の多くは感染源を特定できており,具体例としては,既に感染していた者との接触や,老人ホームでの感染が挙げられる。一部の感染者の感染源に関しては情報を得られていないが,体系的に得られていないのは感染者が多く存在するため。しかし,感染源が必ずしも不明という訳ではなく,今後数週間で情報を収集していく予定。何もないところから感染が突如発生する訳ではない。感染者は隔離されていなければならないが,それらの人から感染しているケースが一定数はあると想像できる。非常に多くの感染者が無症状,あるいは軽微な症状しか示さず,感染を広めている可能性がある。この点が,国内外での感染拡大の制御を難しく
している。一連の措置を継続することが重要。
(6)感染者の集中治療室等での平均入院日数については,人により大きく異なる。集中治療室にいたのは数日のみの人もいれば,肺にまで感染して重篤化し数週間にわたり人工呼吸器を使用する人もいる。症状の重さは人によって違い,入院日数や回復に必要な期間も変わってくる。
(7)感染者の人口統計上の分布と性別について,ベルギー国内外で観察される,より重篤者の多いカテゴリーの一つとして,60〜80歳の男性のグループが挙げられ,入院者の大部分を占めている。また,80歳以上のカテゴリーに関しては女性の重篤者が多いが,これはおそらく単にこの年齢層では女性の数の方が男性よりも多いためと思われる。なお,併存症・合併症の可能性が指摘されており,コロナに感染する前から心臓,高血圧,肥満症,肺,腎臓等に問題を抱えている人は,それらの疾患がコロナ感染症状の重篤化に影響する可能性がある。それらの疾患が例えば特定の年齢層の男性に多いとすれば,そのカテゴリーに当てはまる人が多く入院していることの要因の一つと考えられる。
(8)(王立医学アカデミーがマスクの着用を推奨している点について)感染を予防する全ての方法は実践すべきである。マスク着用は,特に社会的距離を取ることが難しい時や,医療機関の人,感染のリスクの高い人が取る手段として有効。他方,複数ある手段のうちの一つでしかなく,唯一の手段ではない。外出制限等措置が解除された際,おそらく常時ということではないであろうが,マスクの着用は特定の状況下では有効となるであろう。感染予防に有効であるというマスクの利点を,どのように長期的に社会で適用させていくかについて,現在検討が行われている。
(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)
https://www.info-coronavirus.be/nl/live-pressconferences/
*****************
■■滞在状況アンケート実施中です!お済みでない方はこちらから■■
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4oPasoBCBkkcmqqKs0VZek94YyQW0jYpdcr1fSJxL_jYfRA/viewform
*****************
■■領事メールのバックナンバーはこちらから■■
https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_merumaga.html
*****************
■■新型コロナウイルスに関する「風評被害」を受けた方は,こちらまで■■
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhpL1ReY0hfydCMksXdJMEzztfC0XsQErx5TDcOaQ8tHr8CA/viewform
*****************
【お問い合わせ先】
在ベルギー日本国大使館
住所:Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles, Belgique
電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)
Fax :(02) 513-4633
ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html
※「たびレジ」簡易登録をされた方でメールの配信を停止したい方は,以下のURLから停止手続きをお願いいたします。