新型コロナウイルス感染新規症例の発生(15日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本日のベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに356件確認され(フランダース地域:248名,ワロン地域:80名,ブリュッセル:28名,居住地不明:0名)その結果,当地での確定症例数は54,644件となりました。

また,3月15日から昨日までの間に,14,301名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は190名)しました。

2 死亡者数は以下のとおりです。

(1)過去24時間の合計:56名(病院における死亡者35名,老人ホームにおける死亡者21名)

(2)これまでの合計:8,959名(内訳:病院における死亡者4,277名(確定症例4,089名(96%),疑い例188名(4%)),老人ホーム等における死亡者4,588名(確定症例1,045名(23%),疑い例3,543名(77%))、自宅22名,その他の場所39名、不明33名)

3 昨日現在,病院のベッドについて,1,862名の感染者(過去24時間で104名減少)が利用しており,そのうち380名が集中治療室(過去24時間で27名減少),231名が人工呼吸器を利用している状況です。

4 昨日の感染検査実施数は21,686件,検査実施総数は645,314件(うち老人ホームは274,769件)です。 

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/la-tendance-a-la-baisse-se-poursuit/

(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)

https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Pages/2019-nCoV_epidemiological_situation.aspx

5 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。

(1)現在の傾向について:

(参照アドレス:資料ダウンロード用アドレス)

https://d34j62pglfm3rr.cloudfront.net/downloads/news/numbers_20200515_FR.pdf

感染者数(2.2の図)は,12日時点の1週間平均を見ると(対前日比)増加率は−10%。入院者数(2.3の図)は14日時点で同−8%。集中治療患者数(2.4の図)は14日時点で同−4%。死者数(2.5の図)は12日時点で同−6%。

(2)ベルギーでのウィルス伝染の現状を早い時点で把握するのに重要な2つの指標の傾向について(注:5/8の記者会見で説明されたのと同じ指標,但し語彙は多少異なる):

(ア)国内の公務員(80000人以上が対象)の欠勤数(図1:https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_chart0515_01.html)。今年の数値に関して,3月初旬に高くなっているが,4〜5月にかけて例年と同じレベルとなっており,この数週間では数値は完全に安定している。

(イ)呼吸器感染症患者数(図2:https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_chart0515_02.html)。通常,冬が終わる3月末ないし4月頃までしか追跡されないが(数値がゼロに近くなるため),今年に関しては現在も継続して追跡している。2020年(緑色の実線)は2つのピークが見られ,2つ目のピーク後には減少しており,目立った上昇は現時点までに見られない。ここ数週間で,この指標に関しても完全に望ましい状況となっている。

(3)他の欧州の国との比較におけるベルギーの死亡率について説明する。数値のみを見ると,ベルギーの死亡率は,例えば伊,西,スウェーデンのように高い。これは,異なる要因により説明される。特に,コロナによる死亡の定義の仕方が国により異なることを指摘したい。

いくつかの国では,病院での死亡数のみ計上している一方で,他の国では老人ホームでの死亡数も計上するが感染検査していないケースは計上しないなど,国によりばらつきがある。ベルギーは,これら全てのケースをコロナによる死亡者に計上することとし,これまで計上してきた。これは,WHOが推奨している方法である。先週,ベルギーは,コロナ死亡率の追跡方法に関し,WHO及び欧州疾病予防管理センター(ECDC)より称賛されている。この方法は,他の国が今後導入することが慫慂されるものである。

(4)死亡率を国毎に比較するのは難しいが,エコノミスト誌が公表した興味深い研究結果を紹介する。図3(https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_chart0515_03.html)は,欧州及びその他の国・都市が公表する超過死亡率を比較したもの。左側の赤色の棒グラフは,各国・都市が公表する,コロナが死因とされる死者数,右側の濃い青色は(死因を問わない)超過死者数を示す。ベルギー以外のどの国・都市に関しても,超過死者数がコロナ死者数を大幅に上回っており,例えば伊に関しては,3/31までのデータではあるが,超過死者数はコロナ死者数の2倍となっている。ベルギーと地理的により近い蘭でも,超過死者数はコロナ死者数の2倍となっている。他方,ベルギーは,これらの国・都市の中で,超過死者数に占めるコロナ死者数の割合

が最も100%に近い。これは,超過死者数とコロナ死者数が完全に一致していることを示す。すなわち,ベルギーのコロナ死者数の計上方法は,おそらく科学的に最も妥当かつ正直な方法である。

(5)欧州における週毎の超過死亡率

(参照アドレス:資料ダウンロード用アドレス)

https://www.be.emb-japan.go.jp/files/100055390.pdf

2020年の第10週目から第17週目の推移を見ると,当初は超過死亡率が伊,西といった南欧でまず高くなった後,徐々に北方に向かい,やがて仏,ベルギー,蘭,英の一部に,そしてその後,例えばスウェーデンにまで及んでいることが分かる(青色が徐々に濃くなっている)。第14〜15週目には全般に高い数値となっているが,その後徐々に,第16週目には仏,伊などで低下し始め,第17週目には西でも低下していることが分かる。現在,いくつかの国・地域ではまだ高いままだが,全体としては明らかに低下傾向にある。なお,独に関しては,一部地域の超過死亡率についてのみしか公表していないため,国全体の状況を正確に評価するのは難しい。

(6)インフルエンザによる超過死亡数について(資料(https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Documents/Covid19/Derni%c3%a8re%20mise%20%c3%a0%20jour%20de%20la%20situation%20%c3%a9pid%c3%a9miologique.pdf)の2.7.1.3の図):

この図は2017年以降の(1日あたり)超過死亡数の推移を示す。毎年冬季(背景が灰色の部分)に,インフルエンザにより超過死亡数が上昇しているが,対象期間中はインフルエンザの毒性がそれほど強いものではなかったため,数値はそれほど高くなっていない。年によって3000名,時には4000名まで死者が出たこともあった。今年は9000名で例年よりも増加しており,コロナは通常のインフルエンザよりも危険といえる。この点は入院者数や死者数の多さからも明らかである。

先にも述べたが,図の右端の超過死亡数(オレンジ色)のピークは,コロナ死者数(緑色)のピークと完全に一致している。これらのピークは,一連の措置により抑えられている。ピークがもっと高くなっていた可能性もあった。皆のお陰で超過死亡数が抑えられた。

(7)国家安全保障会議が,措置の更なる段階的解除を決定し,私生活や仕事において可能性が広がる一方で,多くの人は数週間ないし数か月後にどのような状況になっているだろうかと疑問を抱いている。今年の夏はこれまでとは違ったものとなるであろうが,実際どうなるかは誰も予想がつかない。いずれにしても,我々は自らの行動を適応させなければならず,現在の我々の行動が今後を決めることになる。

(8)来週月曜以降,定められた規則を遵守しつつ,スポーツクラブが利用できるようになる。しかしそれまでは,同居者あるいは友人2名のみと行うスポーツのみ可能。また,月曜以降,美術館,動物園,学校等の他の活動の再開も可能とされており,運営者は安全に活動再開できるよう,最大限の準備をしている。我々は,責任をもった,分別のある行動をしなければならない。

(9)社会でより困難な状況に置かれた人々に気を配ってほしい。電話をしたり,買い物の手伝いをするなど,手助けをしてほしい。今後,人に会う機会やその範囲が拡大するであろうが,社会的距離やマスク着用といった措置を遵守してほしい。

(10)(一例として,新規入院者数について,どの閾値を超えれば,コロナ伝染状況が悪い方向に転じたと見なされるのか, 10日前と同じレベルにある現在の新規入院者数に関する分析はとの問いに対し)入院者数は一貫して減少傾向にあり,14日時点での1週間平均の増加率は−8%まで下がっている。同指標の数値は毎日フォローしている。

しかし我々にとってより重要と思われるのは,新規入院者数の閾値ではない。他の重要な指標も考慮しており,特に,ウィルス伝染の現状を早い時点で把握することを可能とする指標として,新規感染者数,公務員欠勤数,呼吸器感染症患者数といった指標をフォローしている。特定の一つの指標のみでなく,複数の指標を共に用いて,コロナ伝染の進展状況をフォローすることになる。我々は,必要とされる時に,必要に応じて,対応できるようにしなければならない。

(参照アドレス:記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/fr/live-pressconferences/

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