新型コロナウイルス感染新規症例の発生(29日)

ベルギーにお住まいの皆様、及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本日、ベルギー国立公衆衛生研究所が発表した新型コロナウイルスの感染傾向は以下のとおりです。

(1)感染者数(注1)(総数:702,437名)

・1月19日〜1月25日の平均:2,210名

・1月12日〜1月18日の平均:1,971名

・変化:前週と比較して12%増加

(2)入院者数(注1)(2020年3月15日以降の総数:51,518名)

・1月19日〜1月25日の平均: 125.0名

・1月12日〜1月18日の平均: 125.7名

・変化:前週と比較して1%減少

(3)死者数(注2)(総数:20,982名)

・1月22日〜1月28日の平均: 51.1名

・1月15日〜1月21日の平均: 49.7名

・変化:前週と比較して3%増加

(注1)直近の3日間(当館注:1月26日〜1月28日)の新感染者及び死者数については、まだ統合されていない。

(注2)すべてのタイプの場所(当館注:病院、老人ホーム等)における死者。

(4)Rt値(実効再生産数)(当館注:1名の感染者が何人に再感染させるかを表す値。一般に「1未満」であれば収束傾向にあることを示すものとされています。)

・1月22日〜1月28日の平均:0.959

(参照アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ(仏語))

https://covid-19.sciensano.be/sites/default/files/Covid19/Derni%C3%A8re%20mise%20%C3%A0%20jour%20de%20la%20situation%20%C3%A9pid%C3%A9miologique.pdf

2 本日11時、公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおり御案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/en/live-pressconferences/

【感染状況の概観】

全体的な数字について言えば、フランダース地域で感染者数が増加し続けているが、ワロン地域では安定しており、ブリュッセル首都圏地域については減少している。フランダース地域で確認されている感染者数の増加は、主に子どもの感染者数の増加によるものであり、これは子どもに対する検査数が最近増加しているという点をもってほぼ説明できる。

また、この点で最も顕著なのは、リンブルフ州である。他方で良いニュースとして、増加傾向にあった新規入院者数は、どちらかと言えば再度緩やかな減少傾向に向かっている。数週間後にはカーニバル休暇の時期になるが、これが感染者数の減少及び各数値の改善をもたらすことに期待している。春に近づくということは、より多くの屋外活動が行われ、よりウイルス感染のリスクが少なくなるということである。

【新規感染者数】

新規感染者数については、1日あたり平均2,210人であり、(前週比)12%の増加となった。この傾向はブリュッセル首都圏地域を除いて国全体で見られる。特に38%の増加となったリンブルフ州における大幅な感染者数増加の影響を受けている。しかしながら、これは大規模な検査キャンペーンを行った学校においてクラスターが検出され、多くの感染者が判明したことが主な要因である。そのほとんどは無症状あるいは極めて軽度の症状である。なお、リンブルフ州で感染者数の増加が見られるのは、特にシントロイデン(Sint-Truiden)、アモンアヘル(Hamont-Achel)である。

リンブルフ州における感染拡大は、ここ数日ないし数週間においてみられた若年層のみならず、現在では全ての年齢層で見られる。他方で、感染者数の絶対数では、引き続きアントワープ州、続いて東フランダース州、西フランダース州が最も多くなっている。

年齢層別に見れば、10歳未満の子どもの層で多くの感染者数がいることが見て取れる。この層では、感染者数は1週間で倍増し、128%増となった。また、青少年の層でも41%増加している。現在、感染者数の増加分のうち4分の3が子どもまたは青少年であり、これは検査キャンペーンが学校におけるクラスターに焦点をあてているためであることは間違いない。現在、陽性が判明した者の近くにいた子どもを高リスクと見なし、検査キャンペーンが拡大して検査数が増大した。未成年に対する検査数は顕著に増加している一方で、その他の年齢層では(検査数が)減少している。

ここ数週間は国全体の陽性率は5〜6%で安定しており、現時点では5,6%である。その他の年齢層では、感染者数は20歳〜40歳で増加し、80歳以上でも現在やや増加している。他方で、50歳〜80歳の層ではわずかであるが引き続き減少している。クラスターについて、現在の感染拡大の主な場所は、高齢者住宅(maison de retraite)(クラスター全体の3分の1)、会社(同26%)、学校(同21%)である。

【変異株について】

英国変異株について、1月第3週における新規感染者の20%を占めていると言える。この数値は、(この期間の)新規感染者のうち2%につき検体を検査して得た結果であり、同約9%であった1月初旬に比べて明らかに増加している。したがって、英国変異株は拡散されている。我々はそのことを知っていた、あるいはそうではないかと疑っていた(がその通りであった)。他方で、南ア変異株については主に、先述のシントロイデンのクラスターなどに相対的に(検出数は)限定されており、ベルギー国内では現在までにあまり発見されていない。

これら2つの変異株の位置付け及び英国変異株の増加をもっても、感染拡大のコントロールにおいて変わることは何も無く、我々は(変異株も)感染がこれまでと同じように起こることを知っており、感染を防ぐための良く知られた基本措置を引き続き講じなければならない。実施しなければならないであろう全てのことをしていないと思われる瞬間にまさに注意を払いつつ、変異株の発生及び感染を可能な限り防ぐことができるよう、より厳格にこれらの措置を実施していくことが重要となる。

【新規入院者数】

新規入院者数は、再度緩やかに減少している。ただしこれは、特にフランダース地域の病院においていくつかのクラスターが発見された一週間前(の数値)と比較していることが一部関係しているだろう。現在、新規入院患者数の1日あたり平均は125人であり、前週比で1%の減少となった。引き続き様々な州、特に東フランダース州、リンブルフ州、エノー州、ナミュール州、リュクサンブール州で、程度の差はあれど(病院の)負担がより高まっている。概して1,800人〜1,900人の水準で全体の入院者数は安定したままであり、(この状況が)かなり長く続いている。現在は1,817人(前週比6%減)が入院中、うち323人(同4%減)が集中治療を受けている。

【死亡者数】

死亡者数も比較的一定となっており、1日あたり平均51人、前週比では3%の増加となったが、ここしばらくは48人〜53人の水準にとどまっている。

【ワクチン関係】

243,412人が第一回目のワクチン接種を行い、うち3,458人が第二回目のワクチン接種を行った。これは国全体の80歳以上の高齢者人口の15%を占めている。医薬品庁がワクチンの副作用について毎週報告書を提出しているが、ベルギーにおいて1月26日までに、ファイザー社のワクチンについて262例、モデルナ社のワクチンについて2例の副作用発生が報告されている。このうち、37例について重篤とみなされている。

現在、この重篤副作用(の割合)は以下の点によりやや過大評価されている可能性が高い。すなわち、重篤副作用については発症から15日以内に報告しなければならず、他方で重篤で無い副作用は90日以内とされている点である。そのため、最初の頃は重篤副作用とされる例の割合が明らかに高くなる。

これらの重篤副作用のうち、ベルギーではワクチン接種の後に14人が死亡した。全ての患者が70歳以上であり、5人が90歳以上であった。全ての死亡者はワクチン接種との潜在的関連性を調べるために検査され、いずれのケースも患者が重病であったか極めて衰弱していたことが分かり、ワクチン接種との因果性を見出すことができなかった。ベルギーの老人ホームでは、不幸にも毎週数百人もの人が亡くなっており、この文脈において、(ワクチン接種後の死亡については)因果性の無いタイミングの問題ということも十分に考えられる。ワクチン接種については、以下のサイトから副作用を報告するよう呼びかけたい(www.notifieruneffetindesirable.be)。

【質疑応答(一部抜粋)】

(問)南ア変異株への感染数はどのように推移しているか。ベルギーにおいてうまくコントロールすることができるか。

(答)英国変異株とは反対に、ベルギー国内では南ア変異株はあまり検出されていない。1月24日までに91例の南ア変異株感染例が特定されたが、その大部分はオステンドの大規模クラスターにおけるものである。このオステンドクラスターについて、我々は125人の感染者がこの南ア変異株が関係している可能性があるものと定義した。全ての感染者を検査したわけでなく、ゆえにこの125例全てが南ア変異株であるとは言えないが、(南ア変異株は)病院やコミュニティー、別々に住んでいる人々の間にも存在している。

したがって、ベルギー国内に存在していることは明らかである。このオステンドクラスター以外には、いくつかの場所における小規模クラスターにおいてしか検出されていない。英国変異株のように国民の間で広く拡散されてはいないようである。

【その他】

次回の記者会見は2/2(火)11時予定。

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