2月以降、ベナン北部のアタコラ県内において髄膜炎(※)が発生し、死亡者が出ている模様です。
報道では、アタコラ県において髄膜炎菌性髄膜炎が発生し、タンギエタ市では10名が亡くなっているとのことです。聞き慣れない病名ですが、日本国内でも症例は確認されており、死亡者も報告されています。
1. 髄膜炎菌性髄膜炎に感染すると、平均的な潜伏期間は4日間で、頭痛、発熱、嘔吐、首の硬直といった特徴的な症状がみられます。初期症状は風邪と似ているため、髄膜炎と見極めることが難しいといわれます。
2. 髄膜炎菌は、咳やくしゃみによる飛沫を介して人から人へ感染します。早期に診断され、治療が適切に開始された場合でも最高15%が症状発症後24〜48時間以内に死に至ります。治療がされない場合、致死率は最高50%となり、脳障害などの重度の後遺症も高い頻度(10%以上)で残ります。
3. ベナンは、アフリカのサハラ以南の髄膜炎菌感染リスクが高い国及び地域のうち、「髄膜炎ベルト」(セネガルからエチオピアに至る)の中に、国全体が含まれます。また、この地域では、乾季(12月〜6月)に髄膜炎菌性髄膜炎の流行がみられ、毎年約3万人の感染が報告されています。
4. 感染が疑われる場合、早期に抗生物質と抗ウイルス剤の投与を受ける必要があります。一方で、予防にはワクチンが有効です。上記のとおり、ベナンは髄膜炎菌感染リスクの高い国ですので、渡航前には予防接種を受けることを強くお勧めします。
参照
厚生労働省検疫所(FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2018/01230946.html
https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/
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