ドイツにおける防疫措置(現行制限措置の延長及び段階的緩和措置等)

 3月3日,メルケル首相と各州首相による協議が行われ,市民の協力により感染者数は減少したものの,新型コロナウイルスの変異株による感染割合が増加しており,再び新規感染者が増加する傾向にあるとして,一部を除き現行の制限措置を3月28日まで延長するとともに,今後感染状況が安定した場合の方針が発表されました。

 ドイツ連邦政府プレスリリースのポイントは以下のとおりです。

1 制限措置の延長

 今回の決定により緩和が定められない限り,連邦と州による現行の制限措置は引き続き2021年3月28日まで延長される。

2 私的な集まり

(1)友人,親戚及び知り合いとの私的な集まりは3月8日以降,自らの世帯及びもう一世帯に属する者による合計で最大5人までに制限される(14歳以下の子供はこの制限人数には含まれない)。カップルは一世帯とする。

(2)過去7日間の10万人あたりの新規感染者数が35以下の地域では,私的な集まりが,自らの世帯と,自らの世帯と別の世帯に属する者による最大10人まで可能となる(14歳以下の子供はこの制限人数には含まれない)。

(3)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で100を超えた場合,その翌々営業日以降,3月7日まで有効であった規則が再び有効となる(非常ブレーキ)。

3 段階的緩和措置

 学校及び理髪店を対象とする第一段階の緩和措置に続き,以下のとおり段階的に緩和措置が実施される。

 なお,飲食,文化,催し物,旅行及びホテル業界における緩和については,現在進行中の検査戦略,ワクチン接種,変異株を含むコロナ感染状況等を総合的に勘案し,2021年3月22日に改めて協議される。

(1)第二段階(3月8日より)

(ア)書店,生花店及び園芸店は,適切な衛生計画の下,売り場面積が800平方メートル以下の場合は10平方メートルにつき1名,売り場面積が800平方メートルを超える分については,20平方メートルにつき1名に顧客を限定した上で営業を再開できる。

(イ)さらに,適切な衛生計画の下,これまで認められていなかった美容や髭剃り等,長時間マスクを着用できないような身体の接触を伴うサービス,教習所及び航空学校も同様に再開できる。サービスを受けるには,顧客が同日に迅速検査を行い,従業員のための検査計画が前提となる。

(ウ)加えて,再開した全ての小売店分野は,厳格な入場管理措置と衛生計画の徹底した実施によって,売り場面積制限の遵守及び衛生措置を確保する。

(2)第三段階(3月8日より)

(ア)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が,安定して50以下に留まっている場合

○売り場面積が800平方メートル以下の場合は10平方メートルにつき1名,売り場面積が800平方メートルを超える分については,20平方メートルにつき1名に顧客を限定した上での小売店の再開

○博物館,美術館,動物園,植物園,歴史記念館の再開

○屋外及び屋外スポーツ施設における小グループでの接触を伴わないスポーツ(最大10名)

 過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で50を超えた場合,その翌々営業日以降,以下(イ)が適用される。

(イ)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が100以下で,その数値が安定しているか,又は,減少している場合

○いわゆるアポイントメント・ショッピング(クリック・アンド・ミート)の提供のための小売店の再開。その際,接触者追跡のための書類を伴う事前予約を行った顧客は,売り場面積40平方メートルにつき1名,特定の時間帯に入店を許可される。

接触者追跡のための書類を伴う事前予約を行った訪問客に対し,博物館,美術館,動植物園及び歴史記念館の再開

○屋外及び屋外のスポーツ施設における最大2世帯からなる最大5人までの個人スポーツ及び14歳以下の子供20名までのグループスポーツ

(ウ)州を超えたサービスの利用を可能な限り避けるため,感染者の多い隣接地域と共同で予防措置を講じる必要がある。

 過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で100を超えた場合,その翌々営業日以降,3月7日まで適用されていた規則が再び有効となる(非常ブレーキ)。

(3)第四段階

 第三段階が導入された各州又は地域において,過去7日間における人口10万人あたりの新規感染者数が14日間にわたって悪化しなかった場合に可能となる。

(ア)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が,第三段階の開始から14日間にわたって安定して50以下に留まっている場合

○屋外飲食店の再開

○劇場,コンサートホール,オペラハウス及び映画館の再開

○屋内での接触を伴わないスポーツ及び屋外での接触を伴うスポーツ

 過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で50を超えた場合,その翌々営業日以降,以下(イ)が適用される。

(イ)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が,第三段階の開始から14日間にわたって安定して100以下,又は,減少している場合

接触者追跡のための書類を伴う事前予約を行った顧客のための屋外飲食店の再開。複数世帯が一つのテーブルにつく場合には,同日に迅速検査を行う必要がある。

○同日に迅速検査を行った訪問者に対し,劇場,コンサートホール,オペラハウス及び映画館を再開。

○参加者全員が同日に迅速検査を行ったことを条件として,屋内での接触を伴わないスポーツ及び屋外での接触を伴うスポーツを再開。

 過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で100を超えた場合,その翌々営業日以降,3月7日まで有効であった規則が再び有効となる(非常ブレーキ)。

(4)第五段階

 第四段階が導入された各州又は地域において,過去7日間における人口10万人あたりの新規感染者数が14日間にわたって悪化しなかった場合に可能となる。

(ア)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が,第四段階の開始から14日間にわたって安定して50以下に留まっている場合

○屋外における50名までの余暇イベント

○屋内での接触を伴うスポーツ

過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で50を超えた場合,その翌々営業日後以降,以下(イ)が適用される。

(イ)過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が,第四段階の開始から14日間にわたって安定して100以下,又は減少している場合

○売り場面積が800平方メートル以下の場合は10平方メートルにつき1名,売り場面積が800平方メートルを超える分については,20平方メートルにつき1名に顧客を限定した上での小売店の再開

○屋内での接触を伴わないスポーツ及び屋外での接触を伴うスポーツ(検査の必要なし)

 過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数が3日連続で100を超えた場合,その翌々営業日後以降,3月7日まで有効であった規則が再び有効となる(非常ブレーキ)。

4 ワクチン接種

 3月第2週から,各州により地域ごとに選定された医療機関にワクチン接種を委託し,さらに3月末又は4月初めからは,診療所(家庭医や専門医)についても,新型コロナウイルスのワクチン接種を行う。

 現在規定されている優先順位は,診療所でのワクチン接種にも適用されるが,実際の優先順位の決定は,現場の医師の判断による。

5 コロナ迅速検査

 4月初めまでに,以下の措置が段階的に実行される。

(1)安全な学校運営と保育のため,各州は,学校及び保育所の職員並びに全生徒が,対面授業を実施する一週間につき最低1回の無料の迅速検査を受けられるようにする。

(2)包括的な感染予防のため,在独の企業は出勤している従業員について一週間につき最低1回の無料の迅速検査を提供することが必要である。これについて,連邦政府は経済界と協議を行う。

(3)無症状の国民は,一週間につき最低一回の迅速検査(検査結果の証明を含む)を受けることが可能となる。3月8日以降,費用は連邦が負担する。

6 ホームオフィス

 職場及び通勤中の感染に関わる接触をさらに減少させる必要があるため,コロナ労働者保護政令は2021年4月30日まで延長され,雇用者は,その業務が許す限りにおいて,従業員がホームオフィスで働くことを可能としなければならない。ホームオフィスが不可能で,二人以上が同じ部屋に滞在する場合は医療用マスクを着用しなければならない。

7 国内外の旅行の制限

 全ての市民に対し,国内外における不急不要な旅行を控えるよう,引き続き呼びかける。また,国外のリスク地域からの入国に際しては,デジタル入国登録(DEA)義務及び入国後10日間の隔離義務が生じることを強調する。

隔離義務の早期終了は,入国後早くとも5日目に実施した検査が陰性の場合にのみ可能である。この隔離義務の早期終了措置は,3月8日より変異株蔓延地域からの帰国には適用されず,14日間の隔離を遵守しなければならない。

 さらに,変異株蔓延地域からの帰還に際しては,輸送手段が制限され得ることを考慮しなければならない。

【参考】

○ドイツ連邦政府プレスリリース

 https://www.bundesregierung.de/breg-de/themen/coronavirus/bund-laender-beschluss-1872126

 https://www.bundesregierung.de/breg-de/themen/coronavirus/fuenf-oeffnungsschritte-1872120

○連邦と州の協議にかかる決定事項

 https://www.bundesregierung.de/resource/blob/997532/1872054/66dba48b5b63d8817615d11edaaed849/2021-03-03-mpk-data.pdf?download=1

連絡先:

在ドイツ日本国大使館

TEL: 030-210940 (閉館時は緊急電話対応業者につながります)

FAX: 030-21094222

e-mail: taishikan-ryoujibu@bo.mofa.go.jp

URL: https://www.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

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