ワクチンの接種等について(カステックス首相及び関係閣僚の記者会見)

12月3日夜、カステックス首相ほか関係閣僚は記者会見を行い、新型コロナウイルス用ワクチンの接種等について発表したところ、概要以下のとおりお知らせします。

1 感染状況

●感染状況は徐々に改善。一日あたりの平均感染者数はまもなく10,000人を下回ると予測。昨2日時点で、3,488人が蘇生病床に入院中。

●他方、状況は依然として脆弱。感染再拡大のリスクもある。

2 今後の措置

●明4日以降、宗教施設における人数制限を、3席あたり1席、2列あたり1列とする。

●状況の改善が継続すれば、12月15日以降、外出禁止措置を終了し、21時から翌朝6時までの夜間外出禁止措置(ただし12月24日、31日の夜を除く)を導入する。

●12月15日以降、フランス全土において日中の移動は、外出証明書の携行なしに可能。

●人混みが発生し、マスク常時着用等の予防措置が確保できない等リスクの高い施設は引き続き閉鎖。

●年末休暇中は、1テーブルあたり6名(子供を除く)の着席を推奨。

●引き続き、感染予防措置の徹底が重要。

3 ワクチン

●12月29日までに、欧州医薬品庁がファイザー社製とモデルナ社製の新型コロナウイルス用ワクチンの市販許可について決定する見込み。その後、高等保健機構(HAS)による意見を踏まえ、フランスでのワクチン接種が可能となる。

●ワクチンの価格と提供時期は全てのEU加盟国で同一で、各国の人口に比例して配分(当初は15%)。フランスは、念のための余剰分を含め、ワクチン2億回分(1人あたり2回接種するため、1億人分用)を確保する。

●ワクチンの接種は、高等保健機構(HAS)の勧告に沿って、以下の三段階で行われる。

(1)ステップ1(1月〜2月頃):要介護高齢者施設(EHPAD)等の入居者や、その職員(65歳以上・併存疾患ありの高リスク者)(計約100万人)(ファイザー社製ワクチン)

(2)ステップ2(3月〜春頃):その他の高齢者やその他の専門職(50歳以上・併存疾患ありの高リスク者)(計約1,400万人)(+モデルナ社・アストラゼネカ社等製ワクチン)

(3)ステップ3(春頃〜):その他の者(+サノフィ社製ワクチン)

●ワクチン接種は安全性、透明性、利便性(かかりつけ医の役割等)を重視して行う。

●透明性確保の一環として、ワクチン戦略を国会に提出する。

●ワクチン接種の目的は、死亡率と重症患者の減少、医療システムの保護、保健衛生上の安全の確保。

●ワクチンの接種は、義務ではなく、無料で、高い安全性が保証される。

●フランスのワクチン確保の戦略は、欧州レベルでの連携による高い交渉力の確保。ワクチンの一部は仏国内で製造される。

●科学者、医療関係者、議員、市民等からなるワクチン戦略方針評議会を設置し、免疫学者のアラン・フィシェ(Alain Fischer)氏が議長を務める。同氏がワクチンキャンペーンを取り仕切る。

●ワクチンは義務ではないが、積極的な接種を奨励。

●ワクチンの接種は数か月に渡って行われる。ワクチンは新型コロナウイルスの終焉を意味するものではなく、引き続き警戒を維持する必要あり。「検査、アラート、保護」の戦略は引き続き重要。

●ワクチンが重症化を防ぐことはできるが、今のところ他者への感染を防ぐことはできないため、引き続き予防措置(gestes barrieres)の着実な実施が重要。

4 その他

●大規模検査キャンペーンを3つの都市で実施する。アプリケーション「TousAntiCovid」の機能の拡充、新型コロナ陽性患者・接触者の隔離のフォロー強化を行う。これらの点について、来週の記者会見で詳細を説明予定。

●スキー場の閉鎖は、大勢の人の移動、(屋外での活動ではなく)閉ざされた空間での密集を避けることを目的とした予防措置。ドイツ、イタリア、アンドラ、スペイン、オーストリア、スイス等の隣国でも類似の措置が実施されつつある。

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