新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(号外:11月9日から導入される新たな規制措置及び11月6日現在の感染拡大状況について)

(今回は,11月9日からの実施が予想される新たな規制措置及び最新の感染拡大状況等についてのみ,取り急ぎお伝えします。)

1.11月9日(月)から実施が予想される新たな規制措置

 国内での最近の新型コロナウイルス感染者の急増を受けて,ルーマニア政府は11月5日夜に閣議及び続けて国家緊急事態委員会を開催し,9日(月)から新たな規制措置を30日間にわたって実施する旨の決定を行ったことが,報道されています。また,同委の決定(同委決定第52号)が発表されています。この決定及び関連の報道に見られる新たな規制措置の要点を,以下でお知らせします。

 多くの措置について,実施には今後政府決定としての確定,発出が必要と見られ,その過程で変更が加えられる可能性もあります。必要な詳細を含めて,確認後に必要事項をさらにお知らせします。

(1)国内全域で,屋内外の公共スペースにおいて,5歳以上の全ての者に,口と鼻を覆うマスクの着用が義務づけられる。

(2)全ての公的機関及び官民の事業運営者は,経済活動をテレワーク又は自宅での作業により実施する義務を負う。活動の性格によりこれができない場合には,少なくとも二グループに分けて,両グループが少なくとも二時間の差で活動を開始及び終了する。

(3)全ての地域で,未就学児(保育園,幼稚園,0から6歳),全ての教育機関(小学校から高校まで)の児童,生徒のための教育活動を,オンラインで実施する。

(4)国内全域で,屋外での人の移動は午後11時から翌日午前5時の間禁止される。この時間帯中の人の移動は,勤務先の身分証明書,雇用主が発行した許可証,又は自己責任による宣言書等によって,以下の状況でのみ許可される。自己責任での宣言書には,氏名,生年月日,住居・世帯・職業活動の場所,移動の理由,完了日,署名を含めることを,要する。

ア 専門的分野の活動のための移動。

イ 必要な医療及び医薬品購入のための移動。

ウ 航空機,鉄道,長距離バス,その他の交通機関による移動で,禁止時間帯と重なるもの,または搭乗券その他の手段で証明できる人の移動。

エ 子供の世話や同行,高齢者,病気又は障害者の支援,家族の死亡など,正当な理由での移動。

(5)公私を問わず,屋内外での祝賀,記念日,宴会のための集まりの停止。

(6)閉鎖空間における農産品市場の活動停止,臨時マーケット,フリーマーケットの停止。衛生基準を尊重して行われる屋外の農産品市場の活動は,許可される。

(7)レストラン等の営業については,過去14日間の新規感染者の人口当たり累積発生率を勘案して,6時から23時の時間帯でのテラス営業においても,その形態により占有率が定められて,規制が行われる。 ホテル,ペンション又はその他の宿泊施設内のレストランやカフェの活動についても,累積発生率に応じて占有率が定められる。宅配事業は継続される。

国家緊急事態委員会決定第52号原文リンク先

https://stirioficiale.ro/hotarari/hotarare-nr-52-din-05-11-2020-a-cnsu

2.ルーマニアでの感染状況

ルーマニアでの感染状況は,本11月6日の発表でも悪化を続けています。

また,これに伴って,昨日お伝えのように一部市町村が同日(11月5日)から14日間にわたる地域的な検疫措置に置かれています。

十分に注意して下さい。

(1)全国の感染状況

ア 同日(11月6日)13時時点での内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,ルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者数は,累積287,062名,前日同時刻からの増加10,260名。また死亡者数は,合計7,663名,増加123名。集中治療を受けている患者が1,001名です。感染して治癒した者の数は,累積195,971名。検査は,38,389件(累計約342万件)が行われました。

新規感染者数が,これまでの最多をさらに更新し,初めて1万人台に上りました。また集中治療患者は4日から1,000人超が続いています。

最大限の注意の継続が必要と見られます。

以上の統計は,ルーマニア保健省国立公衆衛生研究所の以下のウェブサイトから最新情報が確認できます。

https://instnsp.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/5eced796595b4ee585bcdba03e30c127

イ 11月6日時点での,欧州内での直近二週間の各国比較においては,ルーマニアは,人口10万人当たりの新規感染者数で第18位(416.2人),また死亡者数で第8位(7.1人)にあります。

 他国でも感染が拡大しているためルーマニアでの人数や順位が突出する状況ではありません(死亡者については,ルーマニアの順位は一時よりもむしろ下がってきています。)が,実際にはルーマニア自身の感染状況も急速に悪化してきていることに,重ねて御留意下さい。

同時点でルーマニアよりも大きな感染拡大状況にある国等,以下のとおりです。

新規感染者数:チェコ1,585.8人,ベルギー1,575.7人,

ルクセンブルク1,435.8人,スロベニア1,126.6人,

リヒテンシュタイン1,081.3人,フランス898.8人,

オランダ740.2人,クロアチア725.3人,オーストリア665.3人,ポーランド663.6人,スロバキア612.9人,スペイン596.6人,イタリア595.0人,ポルトガル504.1人,ブルガリア477.4人,英国469.2人,ハンガリー464.0人。

死亡者数:チェコ23.3人,ベルギー16.5人,ハンガリー9.2人,

スペイン8.4人,スロベニア8.0人,ポーランド7.4人,

フランス7.2人。

ルーマニアに続くのは,)クロアチア6.8人,ブルガリア6.5人。

本統計が掲載されているウェブサイトのリンク先

https://www.ecdc.europa.eu/en/cases-2019-ncov-eueea

(2)地域的な感染拡大と規制措置強化

以下の措置は,上記1の措置(国家緊急事態委員会決定第52号を基に,11月9日からの全国での実施となることが見込まれる措置)と別途併せて(又は右決定の内容と重複して),適用されるものと思われます。

ア 国内で,直近14日間の1,000人あたりの新規感染者数が3人を超えている自治体は,本6日時点では,以下のとおりです(カッコ内が,それぞれの当該人数。)。これらの地域では,これまでお伝えしてきているような規制措置の強化(マスク着用義務,レストラン等の屋内営業禁止,学校のオンライン授業等)が行われているものと見られます。

サラージュ県(6.01人),クルージュ県(5.92人),

ティミシュ県(5.76人),アルバ県(5.09人),

ビホール県(5.04人), シビウ県(4.86人),

ブカレスト市(4.5人),アラド県(4.02人),ムレシュ県(3.97人),

ブラショフ県(3.53人),ドルジュ県(3.38人),

マラムレシュ県(3.37人),ヴルチャ県(3.18人),

ビストリツァ・ナサウド県(3.13人),コヴァスナ県(3.1人)。

(これらに続いては,ドゥンボヴィツァ県(2.82人),ハルギタ県(2.74人),コンスタンツァ県(2.69人),イルフォフ県(2.63人)となっています。)

イ 市町村レベルの自治体について,クルージュ県,ティミシュ県,サラージュ県の以下の合計12市町村(直近14日間の1,000人あたりの新規感染者数が8人を超えています。)に対して,昨11月5日から14日間の,地域的な検疫措置が発令されていますので,重ねてお伝えします(かかる措置の実施のための手順については,昨日のお伝え,以下のリンク先資料等を参照下さい。)。

クルージュ県:Gerla

ティミシュ県:Becichercu Mic, Dudestii Noi,Dumbravita,Fibis,Ghiroda,

Giroc, Mosnita Noua, Pesac

サラージュ県:Zalau, Cehu Silvaniei, Jibou

この措置の内容は,「感染症(この場合には新型コロナウイルスによる疾病)の拡散を防止するための措置。感染症の影響を受けている地域から近隣地域への移動の制限も含み,人や活動を物理的に隔てること。これによって感染症の拡大と当該地域の感染を防ぐ。」と規定されています。また,一部の自治体では,域外との申立書なしの往来の原則的な禁止,夜間(22時から翌日6時)の外出禁止等が実施されています。

関係する方は,十分な留意,注意をお願いします。

検疫・隔離の措置に係る関連の法令規定要点のリンク先(関連部分は,このリンク先の資料の,法律第136号第3条b),同法第12条(1)等についての箇所です。)

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100110168.pdf

【問い合わせ先】

ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890(大使館が閉館している時間は,業務委託先へ転送されます)

メール:consular@bu.mofa.go.jp

領事メールの受信希望の方は,以下のリンク先から手続きをお願いします。

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