ウクライナでの麻しん(はしか)の流行

2019年もウクライナ国内各地で麻しんが流行しており,2018年を超えるペースとなっています。

今後,各学校の新学期が始まれば,感染が更に拡大する恐れがあります。

1 ウクライナ保健省・公衆衛生センターの2019年8月12日付発表によれば,2019年は既に57,107人が麻疹を発症し,18名の方が亡くなっています。大人が26,910人,子供が30,197人と,大人も子供も感染しています。8月の現時点で患者数は既に昨年一年間を越えています。8月2日から8月9日までの1週間で患者数が多かったのは,キエフ州41名,キエフ市20名,ヘルソン州18名,フメリニツキー州17名,ヴォリー二州15名などです。また,ウクライナ保健省は,これから新学期が始まると感染者が急増する恐れがあるとして,今のうちに予防ワクチンを接種するように繰り返し呼びかけています。

2 麻しんは,ウクライナ語でKip(キール),英語ではMeasles(ミーズルズ)と呼ばれるウイルス感染症です。潜伏期間は10日ほどで,主な症状は発熱,咳,鼻汁,結膜充血,発しんなどですが,まれに肺炎や脳炎になることがあり,先進国であっても,患者千人に1人が死亡するといわれています。また,妊娠中に麻しんにかかると流産や早産を起こす可能性があります。ごく稀ですが,亜急性硬化性全脳炎という致命的な合併症が起きることもあります。感染力が非常に強く,空気感染や飛沫感染によって人から人に簡単に感染する厄介な感染症なのですが,ワクチンを接種することで予防することが出来ます。

3 感染及びその拡大防止のため,麻しん・風しん混合ワクチンによる定期の予防接種を2回受け,麻しん・風しんに対する免疫をつけておくことが重要です。麻しんにかかったことがない方、麻しんの予防接種を受けたことがない方、またはワクチンを1回しか接種していない方または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、予防接種を検討してください。なおウクライナでは,MMR(新三種混合)ワクチンが接種可能です。

(参考)

○外務省海外安全ホームページ:海外における麻しん(はしか)・風しんに関する注意喚起(その2)(2019年5月8日付)

https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2019C058.html

厚生労働省ホームページ:麻しんについて

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html

ウクライナ公衆衛生センター(Центр громадського здоров’я Мiнiстерства охорони здоров’я Ukraine)

https://phc.org.ua/

ウクライナ日本国大使館領事部

住所: 4, Muzeiny Lane, Kyiv, 01001, Ukraine

連絡先: +380-44-490-5500

ウクライナ日本国大使館HP: https://www.ua.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html