当地に在留・滞在又は渡航を予定している邦人の皆様へ
在イスラエル日本国大使館
2019年3月28日
(ポイント)
● 全般:3月30日はパレスチナにおいて「土地の日」(イスラエル当局によるパレスチナ住民の土地差押えに対する抗議デモに端を発した衝突事案のメモリアル・デー)に当たりますが、昨年は同日から5月15日の「ナクバの日」(イスラエル建国に伴いパレスチナ人が居住地を追われた悲劇を嘆く日)まで、ガザ地区及びヨルダン川西岸地区(特に前者)においては激しい抗議活動が行われました。既に29日及び30日にいくつかの抗議活動が予定されていると報じられています。
抗議活動は状況により治安当局等との衝突に発展する場合もありますので、抗議活動が行われている場所へは近づかないようにしてください。万が一、抗議活動の現場に遭遇した場合には、決して近づかず、直ちに安全な場所に退避して下さい。
● ガザ地区及び同地区周辺:3月25日早朝、ガザ地区から発射されたロケット弾がテルアビブ北側の中部地区クファル・サバ(Kfar Saba)付近に着弾し負傷者を含めた被害が発生しました。これに対し、報復としてイスラエル軍が、ガザ市内の建物を含むガザ地区の多数箇所に対し空爆等を実施したことで負傷者等の被害が発生した模様です。さらに、それを受けガザ地区から近隣のイスラエル側に向けてロケット弾等が発射されるなど、双方による激しい応酬が行われました。
イスラエルとの境界付近では、パレスチナ人による抗議デモや火炎凧等の飛翔、さらにはロケット弾等の散発的な発射があり、それらに対しイスラエル軍が反応するなど、情勢は流動的です。特に毎週金曜日午後の礼拝後の時間帯は、抗議活動等の規模が大きくなることがあります。
ガザ地区及び同周辺地域等は危険レベル3(渡航中止勧告)に指定されていますので、同地域には近寄らないで下さい。
● ヨルダン川西岸地区及びエルサレム旧市街地を含む東エルサレム:2月中旬、エルサレム旧市街の「神殿の丘」でイスラム教徒とイスラエル警察との衝突が発生し、その後、それまで閉鎖されていた「黄金の門」が事実上開放された状態ですが、「神殿の丘」を管轄するイスラム教宗教組織指導者の一時逮捕、イスラエルの裁判所の門閉鎖についての決定、同裁判所の決定に対する抗議の呼びかけ等がなされる中、3月12日には、「神殿の丘」にあるイスラエル警察の詰所に対する火炎瓶攻撃を受けて「神殿の丘」の全門扉が一時的に閉鎖され、イスラム教徒とイスラエル警察との衝突が発生しています。そのため、同所は引き続き緊張状態にあり、今後の進展次第では治安情勢が急激に悪化する可能性があります。
3月27日、ヨルダン川西岸地区ベツレヘム(Bethlehem)のドゥヘイシャ難民キャンプ(Duheisha)にて、イスラエル軍の捜索活動によりパレスチナ人と衝突が発生し、パレスチナ人の救急隊員がイスラエル兵士の発砲を受け、死亡しました。
上記以外の地域でも、パレスチナ人とイスラエル治安当局との衝突が発生していますので、危険情報に従って慎重な行動を心がけて下さい。特に毎週金曜日午後の礼拝後の時間帯は注意して下さい。場所のいかんを問わず、抗議活動の現場に遭遇した場合には、決して近づかず、直ちに安全な場所に避難して下さい。
● ゴラン高原:1月下旬、シリア側からイスラエルが実効支配するゴラン高原の北部地域に向けてミサイルが発射され、イスラエルの迎撃システムであるアイアンドームが同ミサイルを迎撃する事案が発生しました。
イスラエルが実効支配する地域を含め、ゴラン高原はシリアの危険情報として危険レベル4(退避勧告)に指定されていますので、同地域には近寄らないでください。
(外務省海外安全ホームページ:イスラエル、ヨルダン川西岸地区及びガザ地区の危険情報)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2018T099.html#ad-image-0
1 注意事項
既に累次の注意喚起でもお知らせしていますとおり、当地に渡航・滞在される方は、不測の事態に巻き込まれることのないよう具体的に以下の対応に努めてください。
(1) 最新の関連情報を入手して下さい。
(外務省海外安全ホームページ:イスラエルでの各種安全情報)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_044.html#ad-image-0
(ご参考:主要イスラエルニュースサイト(英語))
https://www.jpost.com/Israel-News
https://www.haaretz.com/israel-news
https://www.ynetnews.com/home/0,7340,L-3083,00.html
(2) 海外安全情報の中の危険情報に従い、レベル3(渡航中止勧告)に指定されている地域への渡航は止めてください。レベル2に指定されている地域には不要不急の渡航は止めてください。レベル1に指定されている地域への渡航は十分注意してください。
(3) 当地ではガザ地区等からのロケット弾等の飛来の可能性があることを常に考慮し、ロケット弾等の飛来を知らせるサイレン等に接した場合には、近隣のシェルター又は堅牢な建物に避難できるよう日頃より心がけて下さい。
(ご参考:イスラエル国民防衛軍ウェブサイト(英語))
https://www.oref.org.il/11093-en/Pakar.aspx
https://www.oref.org.il/894-en/Pakar.aspx
(4) 衝突や暴力事案が発生する可能性のあるエルサレム旧市街、東エルサレム、ヨルダン川西岸地区内各所に設置のイスラエル軍検問所付近、米国大使館・総領事館等の米国権益等にはできるだけ近寄らない等、十分注意を払って下さい。
(5) テルアビブ南部の旧中央バスステーション付近は比較的犯罪発生件数が多い場所でもあることから、できるだけ近寄らないよう注意して下さい。
(6) 以下の場所に出入り又は接近、利用する際は、十分注意して行動してください。
政府関連施設(特に軍、警察、治安関係施設)、教会・モスク等宗教関係施設、米国政府関連施設(大使館、総領事館等)、公共交通機関、観光施設、観光地周辺の道路、記念日・祝祭日等のイベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、スーパー・マーケット、ナイトクラブ及び映画館等の不特定多数の人が集まる施設。
(7) 訪問場所及び付近の治安状況を十分確認の上、状況次第では予定している行動を変更(中止)することも考慮し、万が一、抗議活動の現場に遭遇した場合には、決して近づかず、直ちに安全な場所に退避して下さい。
(8) 行動にあたっては、「巻き込まれ」の危険性に十分注意を払うとともに、海外安全情報(外務省海外安全ホームページ)の確認、当地報道及び在イスラエル日本国大使館ホームページ等から、最新の治安情報の入手に心がけて下さい。
(9) イスラエル北部地域のガリラヤ湖近辺では、昨年7月にマグニチュード3程度の地震が複数回発生しました。最近発生した地震による人的被害の発生は確認されておりませんが、当地の建造物、特に1980年より前に建てられている建造物については、耐震構造上脆弱なものが多く、イスラエル北部地域では既にいくつかの建造物内にひび割れ等の症状が発生していると報じられていますところ、ご注意ください。以下のサイトには、地震発生の対処方法等の情報が掲載されておりますので、参考にして下さい。
(ご参考:イスラエル国民防衛軍ウェブサイト(英語)) http://www.oref.org.il/894-en/Pakar.aspx
(10)当地での降雨は短時間に激しい雨となることがあり、場所により洪水となる地域もあります。特に南部の砂漠地帯では突発的な洪水(鉄砲水)が発生する場合がありますので、訪問先の天候には十分な注意が必要です。
2 問い合わせ先
在イスラエル日本国大使館
Tel: +972-(0)3-6957292
Fax: +972-(0)3-6960340
Eメール: ryouji@tl.mofa.go.jp
大使館HP: https://www.israel.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在留届電子登録・変更(3か月以上の滞在):
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
たびレジ登録・変更(3か月未満の渡航):