海外安全対策情報の更新(2017年10月〜12月)

今年に入り邦人犯罪被害が多発しており、特に2月は卒業旅行やMWC(モバイルワールドコングレス)参加者の多数が被害に遭っていますので在留邦人及び旅行者の皆様は十分に注意して下さい。なお、海外安全対策情報を以下のとおり更新しましたので参考として下さい。本情報は当館ホームページにも掲載しています。

海外安全対策情報(2017年10月〜12月)

1 社会・治安情勢

当地では,カタルーニャ州の独立を巡る州民投票等の動き,景気低迷による雇用や生活に対する不安等もあり,公共機関も含めた小中規模の抗議活動が行われていることから,デモや集会には引き続き注意を要する。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪発生状況(内務省統計2017年1月〜12月)

  ア 国内

   犯罪発生件数は2,045,787件と前年同期と比較して1.8%増加している。罪種別では,殺人5.4%増(310件),強盗・脅迫等の暴行を伴う窃盗1.9%減(61,763件),単純窃盗(暴力を伴わないもの)0.1%増(712,398件),自動車盗(含自動二輪)1.9%減(42,519件),侵入窃盗7.2%減(105,099件)であった。

  イ 管内(カタルーニャ州バレンシア州,バレアレス州)

犯罪発生件数は,前年同期と比較して2.7%増(721,545件)である。罪種別では,殺人18.3%増(110件),強盗・脅迫等の暴行を伴う窃盗0.4%増(27,362件),侵入窃盗5.4%減(43,370件),単純窃盗(暴力を伴わないもの)3.3%増(276,789件),自動車盗(含自動二輪)1.4%増(14,490件)であった。

  ウ カタルーニャ州

犯罪発生状況は,前年同期と比較して4.5%増(422,286件)である。罪種別では,殺人20.4%増(65件),強盗・脅迫等の暴行を伴う窃盗2.3%増(20,615件),自動車盗(含自動二輪)11.0%増(8,855件),単純窃盗(暴力を伴わないもの)は6.6%増(173,684件),侵入窃盗は1.4%減(23,317件)であった。スリ・置き引き等の暴力を伴わない単純窃盗については,認知件数173,684件中約84.4%がバルセロナ県に集中(146,663件)しており昨年比で大幅な増加傾向にある。

(2)邦人犯罪被害者数(当館認知ベース,2017年1月〜12月)

 当館で認知した今期の邦人に係る犯罪被害者数は327人と昨年比で大幅に増加(前年同期の242人から35.1%増)した。犯罪形態ではスリと置き引きで全体の約76.5%(250件)を占め,ケチャップスリ6.7%(22件),車上狙い4.3%(14件),ひったくり2.1%(7件),パンク盗8.3%(27件)等となっている。主に路上・広場,レストラン・カフェ等の飲食店,観光地,ホテル,地下鉄・駅等において多数発生しており,レンタカー利用者の郊外におけるパンク盗被害が大幅に増加した。なお,カタルーニャ州警察が認知した日本人被害者に係る犯罪件数は当館認知件数の数倍にも及ぶことが確認されている。

3 邦人被害事案例(2017年10月〜12月)

(1)10月初旬,バルセロナ空港のレンタカー駐車場で車に乗り込もうとしたところ,見知らぬ男に話しかけられた。注意をそらされた隙に車内に置いていたバッグを盗まれた。

【対処法】→見知らぬ男が突然話かけてきた場合は要注意!基本的に相手にしないことが重要。やむを得ず車外に出る必要がある場合でも確実にロックをする!

(2)10月初旬,バルセロネータのビーチで横になって友達と談笑していたところ,気づいたら横に置いていたバッグを盗まれていた。

【対処法】→何時も荷物からは目を離さない!観光地は特に要注意!

(3)10月中旬,バルセロナサンツ駅前の通りにおいて,突然服に液体をかけられた。親切を装った男が近づいてきて服を拭いてくれたが,その隙に置いていたバッグを盗まれた。

【対処法】→「ケチャップスリ」と呼ばれる手口。親切を装った者が近づいてきても相手にせず,すぐにその場から離れることが重要!

(4)11月初旬,カタルーニャ美術館前の広場において写真撮影をしていたところ,地面に置いていたバッグが盗まれた。

【対処法】→観光地では目を離した一瞬にバッグを盗まれる事案が多発!荷物は常に身から離さない!

(5)11月初旬,ホテルの朝食会場において席取りのためバッグを椅子に置いて食事を取りにいったが,戻るとバッグが盗まれていた。

【対処法】→日本の様に荷物で席取りする行為は厳禁!ホテル朝食会場にも泥棒はいます!

(6)11月下旬,市内の洋服店内において買物中,気づくとバッグのジッパーが開いており,中からパスポートや財布が盗まれていた。

【対処法】→店内だからといって油断をしない!試着中も要注意!

(7)12月下旬,レンタカーをショッピングモール駐車場にとめて食事と買物した後,車に戻ると車内からスーツケースが盗まれていた。

【対処法】→貴重品を車内に残さない!レンタカーは特に狙われやすいです。

(8)12月下旬,グラシア通り沿いのレストランにて食事をしていたところ,見知らぬ男から突然話しかけられる。なんとか応対していたが,その隙に椅子に置いていたバッグを盗まれた。

【対処法】→突然話しかけるのは泥棒の常套手段!相手にせず,荷物から目を離さない!

(9)12月下旬,バルセロネータ沿いを歩いていたところ,後ろから自転車で近づいてきた男に手に持っていたバッグをひったくられた。

【対処法】バッグは斜めがけに持つのが基本!貴重品は分散して持つことも重要!ひったくり防止のため車道側に荷物は持たない!

4 テロ・爆弾事件発生状況

  昨年8月17日,バルセロナ市内ランブラス通り等において車両突入型の無差別テロが起こり,多数の死傷者が発生した。国内のテロ警戒レベルは依然として「4(高い脅威)」が維持され,テロ警戒及び治安強化が継続されている。最近でも同テロに関連する被疑者が逮捕される等しており,潜在的イスラム過激派は相当数存在していると思われる。人混み等を歩く際は周囲の状況に目を配る等の注意が必要である。

5 誘拐・脅迫事件発生状況

邦人被害の事件は認知していない。

6 日本企業の安全に関する諸問題

特段確認されていない。