ギリシャ政府の新型コロナウイルス感染症対策(出入国制限措置の延長・一部変更)

 ギリシャ政府は新型コロナウイルス感染症対策として出入国制限措置を課していますが、同措置が2021年1月21日まで延長されるとともに、一部変更がありましたので、お知らせ致します。

 大きな変更点として、日本を含む海外からの入国者に対する、入国後の自宅等での隔離義務期間が3日間から7日間に延長されましたので、ご注意ください。

 出入国制限措置の詳細につきましては、以下のとおりです。

1 入国制限(延長)

 ギリシャ政府は、非EUシェンゲン協定加盟国からの入国制限を行っていますが、例外的に日本をはじめとする一部の国に対して制限を緩和しています。

 2021年1月21日まで同緩和措置が延長され、日本、豪州、ニュージーランドルワンダ、韓国、タイ、アラブ首長国連邦シンガポール、英国の居住者は引き続きギリシャへの入国が可能となっています。

 なお、下記6記載のとおり、日本からの旅客を含む全ての入国者に対して、事前電子登録フォーム(PLF)による登録、事前PCR検査結果の提出、入国後7日間の隔離が義務づけられているほか、入国時にはサンプリングテストが実施されています。

 また、イスラエル居住者及びロシア居住者についても同日まで入国の許可を延長するとのことです(1週間に入国できる人数制限が設けられており、更にホテル等の予約書等が必要とされるとのことです)。

【上記以外に入国制限対象の例外となる者(書類で証明する義務あり)】

(1)EUシェンゲン協定加盟国に滞在許可を有する者、(2)EUシェンゲン協定加盟国民及びその配偶者、同棲者、未成年の子、(3)医療関係者、(4)政府代表団、外交団、国際・EU・人道的・軍事・法執行機関構成員、市民保護省構成員等、(5)輸出入業関係スタッフ(船員、航空クルー、トラック運転手等)、高齢者・障碍者を介護する者、農業季節労働者、(6)大学生、(7)トランジット旅行者、(8)ギリシャ在外公館発行の許可を得た者。

2 国内航空便の利用制限(延長)

 国内便の利用に関しては、2021年1月11日まで、健康上の問題、ビジネス、離散家族の再会、居住地への帰還といった真に理由のあるもの以外は禁止されています。

3 国境ゲート(陸路)の制限・出入国手続き(延長)

 陸の国境(鉄道含む)からの出入国は原則禁止とされていますが、例外として、以下の場合のみ出入国が可能とされています。

(1)プロマホナス(ブルガリア国境)では、PLF、到着前72時間以内に実施されたPCR検査(陰性)結果の提示、入国時のラピッドテストの受検の義務あり

(2)カカヴィア(アルバニア国境)、エブゾネス(北マケドニア国境)、キピ(トルコ国境)では、ギリシャ国籍者、滞在許可保有者、ギリシャに定住地がある者、職業上真に必要な移動を書面で証明する者(PLF、到着前72時間前以内のPCR検査(陰性)結果提示、入国時のラピッドテストの受検義務あり)

(3)カカヴィアでは、上記例外対象者に加え、アルバニアギリシャ系特殊IDカード所有者(PLF、到着72時間前以内のPCR検査(陰性)結果提示、入国時のRapid Testの受検義務あり)

(4)物流トラック(上記のゲートに加えてニムフェアで出入国が可能)

(5)エブゾネスでは、EU諸国及びコソボEULEXの外交団、軍事関係者、行政関係者及びそれらの家族をコソボから北マケドニアを経由してテサロニキの病院に搬送する医療用車両

※注意点

・ラピッドテストで陽性反応だった者については、入国を拒否される。

・職業上真に必要な移動として入国した者は、その後出国した場合、再入国禁止(再入国期間については不明)。

・プロマホナス、カカヴィア、エブゾネス、ニムフェア、キピでは、午後11時から午前7時は出入国禁止。

・カカヴィアでは1日に750人までの入国者数上限を設ける。

4 海路の制限・出入国手続き(延長)

 2021年1月21日まで、海外からのクルーズ船、観光船、レジャー船の寄港、及びその乗員・乗客の上陸が禁止されています。

5 周辺国等との空路・海路の制限等(延長)

(1)トルコ

 2021年1月21日まで、トルコからの航空便の運航を禁止する。また、海路の交通を禁止する(貨物船を除く)。

(2)アルバニア

 2021年1月21日まで、アルバニアとの海路の交通を禁止する(貨物船を除く)。航空機はアテネ空港との便のみ運航可能。

(3)スペイン・カタルーニャ地方

 2021年1月21日まで、スペインのカタルーニャ地方(バルセロナ等)との航空機の運航を禁止する。

(4)北マケドニア

2021年1月21日まで、航空機はアテネ空港との便のみ運航可能。

6 ギリシャ出入国時に必要な手続き(延長・一部変更)

(1)ギリシャ入国時

ア 電子登録フォームによる登録

 全ての入国者は、事前にインターネットサイト(https://travel.gov.gr)から、電子登録フォーム(Passenger Locator Form(PLF))での登録を行い、登録後に当局から送信されてくる自動応答メッセージを入国時に提示する義務があります。同メッセージ及びQRコードは、入国時に必要な書類とみなされます。

※登録期限については空路の場合は「24時間前まで」「到着の前日まで」などとされており、陸路については「到着までに」とされています。いずれにしましても、十分余裕をもって登録することをお勧めします。海路については記載がなされてません。

イ 事前PCR検査(陰性)結果の証明書提示義務

 空路・陸路からの入国ともに、到着前72時間以内に実施された事前PCR検査(陰性)結果の証明書の提示を求められます。証明書は英語表記で、旅行者氏名及び旅券など身分証明書番号の記載が求められます。

ギリシャ政府HP(travel.gov.gr)によれば、10歳未満の年少者(以前の政府発表に基づけば「2012年以降に生まれた者」)に対しては、この事前PCR検査義務を免除するとのことです。また、検査方法について鼻腔又は口腔内粘膜から採取されたPCR検査と指定があり、かつ検査機関の要件については以下のとおりとされています。

・各国のナショナル・レファレンス検査機関(当地におけるパスツール研究所等)

・各国の公立公衆衛生検査機関

・各国の保険衛生当局が認証した民間検査機関(必ずしも新型コロナ専用検査機関である必要はない)

ウ 入国者に対する7日間の隔離義務

2021年1月21日までの間、ギリシャへの全ての入国者に対して7日間の自宅等における隔離が義務づけられます。

これまで、隔離義務期間については、英国からの入国者は10日間、その他の国・地域からの入国者については3日間となっていましたが、これが変更となりました。

なお、英国からの入国者は7日間の隔離後にPCR検査を受けなければならず、陽性反応の場合は、14日間の更なる隔離義務が生じるとのことです。

エ サンプリング検査(ラピッドテスト)の実施

 入国時に行われているサンプリング検査が継続実施されるとのことです。検査対象となった場合、検査結果がでるまでの間、隔離を求められ、陽性反応が出た者については、その後14日間の隔離措置となります(陸の国境では陽性者は入国を拒否されます)。

(2)ギリシャ出国時の電子登録フォーム(PLF)による登録(延長・一部変更)

 全ての出国者は、電子登録フォーム(Passenger Locator Form(PLF))のサイト(https://travel.gov.gr)を利用して、登録することが義務づけられています。家族単位の移動であれば1枚でまとめて登録できるそうです。

ギリシャ出国時のPLFの登録義務について、ギリシャ政府の発表に下記のとおり内容に齟齬が生じています。

ア 対象者:ギリシャ政府の発表では、対象者について「全ての出国者」「ギリシャ人旅行者」「ギリシャ居住者」と様々な記載が見られます。トラブル防止のため、登録されることを強くお勧めいたします。

イ 登録期限:ギリシャ政府の発表に「24時間前までに登録すること」「出発前までに登録すること」との異なる記載が見られます。可能な限り24時間より前に、早期の登録を強くお勧めいたします。

7 ギリシャへの渡航は慎重にご検討ください

 現在、日本政府はギリシャへの渡航について、感染症危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しています。深刻な感染拡大にともないギリシャ政府は現在、全土に厳しい外出制限を課しています。ギリシャへの渡航は今一度、慎重にご検討ください。

ギリシャ日本国大使館

電 話:210-670-9910、9911   

F A X:210-670-9981

H P:http://www.gr.emb-japan.go.jp

メール:consular@at.mofa.go.jp