新型コロナウイルス対策(公衆衛生省記者会見ポイント:17日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

本日17日、公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおりご案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/nl/live-pressconferences/

1 感染者数統計(Frederique Jacobs連邦間広報官)

●新規感染者数の1日当たり平均値は、7月初旬以降増加していたが、本日初めて減少(−5%)に転じた。国レベルではおそらくピークを過ぎたことを意味しているのかもしれない。

●深刻な伝染地域の中心が、アントワープからブリュッセルに移ったと思われる。アントワープでは現在、新規感染者数の減少が続いており、現在の1日当たり平均値は160名で前週から24%減となっている。ブリュッセルでは増加が続いており、現在の1日当たり平均値は122名、検査での陽性率も上昇し続けており、先週の平均値は6.7%。この増加傾向があと2日続けば、新規感染者の1日当たり平均値はアントワープのそれを超える見込み。

●他の州では状況は極めて望ましい方向に向かっており、大部分の州では同平均値は下がっている。現在増加しているのはフラームス・ブラバント州、ブラバン・ワロン州、リュクサンブール州のみであり、これらの州に関しても増加数は小さく限定的でゼロに近づいている。

●入院者数は緩やかではあるが増加し続けている。この増加傾向は予想通りであり、今後もある一定期間続くと思われる。しかし、人数はそれほど多くはなく、病院での状況は制御下にある。特にアントワープブリュッセルでの入院者数が多く、新規入院者数の半数以上を占めている。

●死者数の1日当たり平均値は前週の2倍となっている。猛暑が終わり、死者数のピークが高温や地表オゾン濃度に関連した一時的なものか、それともコロナ感染によるものかが今週中には判明するであろう。

2 検疫と隔離(Frederique Jacobs連邦間広報官)

●14日間の検疫と最低7日間の隔離の違いについて、理解されていないことがあるようなので説明したい。これら2つの目的は同じで、他者への感染を防ぐことである。しかし、検疫と隔離とで状況は異なる。

●隔離は、コロナの症状が出たり陽性と判明した場合に行われる。隔離が必要とされるのは以下の2つの場合。

(1)咽頭鼻部塗抹検査(un frottis nasopharynge)(注:PCR検査のこと)の結果が陽性となった場合。つまり、あなたの体からウイルスが検出され、ウイルス感染しており、他の人を感染させ得るため、隔離が求められる。症状がある場合とない場合がある。

(2)コロナの症状が見られる場合。かかりつけ医に連絡をとるよう推奨しているが、症状次第ではかかりつけ医があなたに検査を受けるよう伝える。検査結果を待っている間、隔離しなければならない。というのも、陽性で他人を感染させる可能性があるため。

これら2つの場合において、防護策として、少なくとも7日間、症状が出始めた日から感染検査の結果が出るまでは隔離してもらうようにしている。ウイルス保持者となり他人を感染させ得るのは通常7日間であることが判明している。仮に体調が悪く、症状が長く続くようであれば、隔離すべき期間についてはかかりつけ医と相談してほしい。

●検疫は、以下の3つの場合に行われる。

(1)赤ゾーンからベルギーへ帰国した場合、検疫は義務。

(2)橙ゾーンから帰国した場合は、検疫が強く推奨される。特に、家族の訪問やナイトライフなど、リスクの高い行動をとった者には強く推奨。

(3)陽性者と接触した場合。

これら3つの場合に当てはまる際には、自らを検疫下に置いてもらうようにしている。というのも、ウイルス感染の可能性がより高いため。しかし、どの場合も感染が証明された訳ではない。感染の大部分は、陽性者と接触してから4〜7日間の間に起こることが判明している。これは潜伏期間と呼ばれ、時には14日間に及ぶこともある。それゆえ、検疫期間は14日間に設定されている。14日後に症状がなければ、感染の可能性は低い。なお、感染者は、症状の出る1〜2日前より他人を感染させ得ることを忘れないでほしい。それゆえ、感染者と接触した場合はすぐに自己を検疫下に置いてもらうようにしている。

●仮に、陽性者との接触後すぐに検査を受けた場合、(感染していても)検査結果が陰性となる可能性がある。というのも、我々が行っている検査方法で検出するのにウイルス量がまだ十分でないため。他方で、ベルギーへ帰国した際の検疫期間の初期に検査を受けたとすれば、陽性者との接触は数日前のことであった可能性が考えられ、最初の検査で陽性と判明する可能性がある。

仮に最初の検査で陰性となった場合、2回目の検査を陽性者との接触から9日目に受けてもらうようにしている。この2回目の検査でも陰性であった場合、おそらく感染はなしと推論され、検疫期間は14日よりも少し前に終了することになる。

●検疫中の場合や陽性と診断された場合、検査結果を待っている場合なども、家に籠もり、可能な限り人との接触を控えてほしい。絶対に必要な場合を除き、家を出ないでほしい。公共交通機関は利用せず、防護のためのルールを守ってほしい。また、隔離・検疫中は、家族や友人には会わないでほしい。学校や職場に行かず、可能な場合はテレワークをしてほしい。もし家族や世帯の一員に、より脆弱な者がいる場合は、注意を払ってほしい。基本ルールの他、食器の共用を避けたり、トイレや浴室を別々にするなどしてほしい。

●隔離や検疫を行う前に、他人を感染させる可能性もある。陽性と判明した場合には、コールセンターから連絡が行くよりも前に、接触した人に直ちに連絡してほしい。そうすることで、その人が周囲の人を感染させるのを避けることになる。

3 ベルギー帰国の際の手続(Antoine Iseux国立危機センター担当官)

●国外からベルギーへ帰国する全ての者は、帰国2日前に、PLF書式に記入しなければならない。同書式と関連情報は、サイト上(https://www.info-coronavirus.be/fr/plf/)で入手可能。7月末以降、617,000部が提出されている。

4 質疑応答(ジャーナリストからの質問、回答はFrederique Jacobs連邦間広報官)

●(問1)8/14に記者会見の場で報告された研究報告書の内容に関しては、主に年少の子どもに関するものであった。同研究が行われた際、(十代の)青少年は学校で社会的距離を実践していた。中学校の再開に関し、同報告書からはどのような執るべき措置を引き出せるか。

(答)調査研究の対象には青少年も含まれるが、彼らが学校に戻ってきたのは研究観察期間の終わりの時点であり、また戻ってきたのは全員ではなかった。そのため、結論は導き出せない。

他方、他の多くの文献によると、青少年(へのコロナの影響)は成人と同じと見なされる。青少年には多くの社会的接触があるが、常に防護措置がとられている訳ではない。彼らは若い成人のように、ウイルスを伝播させ得るし、また感染し得る。それは統計においても見られる。この数週間、10〜20歳の年齢層の感染者数が増加している。しかし、感染はより軽度である。他方で、国立公衆衛生研究所(Sciensano)の報告書が示すとおり、12歳以上の者の中には、稀に重篤な症状が見られる場合がある。そうした症状は10〜20歳の年齢層においても見られる。

青少年らが学校に戻らなければならないのは明らかであり、全ての小児科医が、教育面、心理面、その他の面でも極めて重要と述べている。しかし、学校再開時には、防護措置を保障しなければならない。

●(問2)唾液を用いた検査についての見解を述べてほしい。信頼できるものか。学校など大規模での実施は可能か。

(答)感染の有無を診断する最良の方法は、咽頭鼻部塗抹検査(un frottis nasopharynge)(PCR検査)であり、この検査を行うことで、ウイルスの遺伝子物質を検知することが可能。同検査は、検査実施に慣れている者により行われる必要がある。同検査は、特に子どもには不快感を与え、実施が困難である。そのため、よりトラウマになりにくく、被験者自らが実施可能で子どもにも実施可能な他の検査法を開発しようとしている。そこで、唾液塗抹検査(un frottis salivaire)が注目されている。より簡単な検査方法であり、自身で口の中から唾液を(試験紙に)塗抹することで実施できる。

しかし、ウイルスの感度はPCR検査よりも低い。つまり、ウイルスの量が多くなければ検知されない。ウイルス量が多ければ、唾液検査はPCR検査と同じくらい有効だが、ウイルス量が少なければ、唾液検査はPCR検査ほど機能しない。これらの検査が目的とするものは異なる。PCR検査は、感染診断に最良の検査法である一方、唾液検査は例えば感染リスクの高いグループなど大人数を対象に実施可能であり、ウイルス保有量が多く伝染させ得る人を探知することが可能となる。

他にも、トラウマになりにくく、経験の少ない人でも実施可能な試験方法はあり、例えば朝一番で唾液を採取する方法、喉の奥の方までではなく鼻の奥の辺りまでしか試験紙を入れない鼻孔塗抹検査(un frottis narine)などがある。これら全ての検査方法は有望ではあるが、特定の目的に沿って行われるものであり、通常、コロナ感染診断のために行われるものではない。

●(問3)老人ホームで感染拡大しているか。

(答)老人ホームは第一波の際に大きな影響を受け、死亡率も高く、国内の死者の約半数は老人ホームにおいてであった。第一波後はしばらく落ち着き、ここ数週間では老人ホームでの感染者数は非常に少ない。この1〜2週間では、いくつかの老人ホームで感染クラスターが確認されており、具体的にはウィネゲム(Wijnegem)、メヘレン(Malines)、ナミュールリエージュブリュッセル等のコミューンが挙げられる。老人ホームにウイルスが入り込むのを完全に防ぐのは難しく、入居者及び職員への定期的な検査を行うことが必要となるかもしれない。

●(問4)過去数日間、数か月を含め、これまで死者数が公表されているが、渡航先と同じように、ベルギーの感染状況に関して色が濃い橙色に変わったのは、ここ数週間の死者数に拠るものか。

(答)国の色を評価するために用いられているのは死者数ではなく、1日の新規感染者数である。この指標は、人々の間でのウイルス拡散の状況と特定地域に赴いた際の感染リスクを示している。

●(問5)本日の統計は数字が出揃っているか、それとも15日以降の数値を加えるのに遅れが生じているか。

(答)週末の検査数なども大きく減少しているが、これはSciensanoへの報告に遅延が生じているため。各平均値を算出する際、完全に出揃っている数値しか用いられていない。数値が出揃っているのは会見の4日前までであり、直近の3日間の数値は、各平均値の算出には用いられない。

5 その他

●次回の定例記者会見は8/19(水)11時。

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ベルギー国立公衆衛生研究所では,新型コロナウイルスに関する以下の情報を公表しています(毎日正午に更新)

■感染者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/tpRKB

■入院/退院者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/uTSKB

■死亡者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/QTSKB

■コミューン毎の状況

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/giyUB

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Fax :(02) 513-4633

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