台湾安全情報(2023年第4四半期)

 台湾当局の統計データ(2024年1月23日現在、暫定値)及び前回の「台湾安全情報」掲載以降に発生した事件・事故で当協会が把握しているものを基に作成した、台湾の安全情報を以下のとおりお知らせいたします。

1 社会・治安情勢

 日本台湾交流協会台北事務所周辺において、我が国との歴史等に関連し、一部の団体等による抗議活動が散発的に行われていますが、一般市民全般の対日感情は良好であると言えます。また、台湾の治安情勢は、引き続き比較的安定していると言えます。

2 犯罪の傾向

(1)主な犯罪の発生件数

 内政部警政署の発表によると、2023年中の刑法犯の発生件数は25万2,641件であり、前年同期と比較して3.4%増加しています。

 台湾は安全だと考えがちですが、実際には依然として多くの犯罪が日々発生しており、特に性犯罪や詐欺の被害が大きく増加傾向にある状況も見られますので、引き続き油断することなく、台湾が海外であることを忘れずに防犯意識を高めるよう心掛けてください。

 また、主な犯罪の発生件数は以下のとおりですので、被害防止の参考としてください。

 刑法犯総数 25万2,641件(前年同期比 3.4%増)

 うち殺人 125件(同上 28.2%減)

 うち強盗 124件(同上 6.8%減)

 うち強制性交 89件(同上 32.8%増)

 うち窃盗 3万8,574件(同上 0.1%増)

 うち詐欺 3万7,984件(同上 28.7%増)

(2)邦人被害の事案

 ア 窃盗(スリ)

 1月、台北市内の士林夜市において、邦人のスリ被害がありました。被害に遭った当日(日曜日)、夜市は人混みで前に進むのが難しいほど大変賑わっている状況であったとのことです。

 過去には、外国人観光客をターゲットにする窃盗グループの存在が確認されています。過去の事例では、夜市等の人が多く集まる観光地やイベント会場において、食べ歩きや買い物をしているときなど、人混みの中で注意力が散漫になっている状況に乗じて財布や旅券が盗み取られた事例や、犯罪者が故意に被害者に接触し、被害者の手荷物への警戒心が薄れた状況を利用してスリが行われた事例等も確認されています。観光中や外出中でも常に油断することなく、手荷物は身体の前に抱えて持つなど貴重品の管理に留意してください。

 また、過去には、台北市内の国立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂龍山寺永康街台北101、世界貿易センター、西門町、士林夜市、饒河夜市及び寧夏夜市、新北市内の九フン、高雄市内の蓮池潭、六合夜市及び瑞豐夜市等の各種観光地を始め、各種飲食店、空港や駅等で窃盗の被害が確認されていますので、留意してください。

 イ 旅券(パスポート)の紛失

 前回の「台湾安全情報」掲載以降、旅券を紛失したとの届出が22件ありました。その多くは、外出時に、用務先又はタクシー内で紛失したとみられます。中にはいつどこで紛失したかわからない事例やスリ、置引き又は遺失物横領の可能性がある事例もあることから、海外生活における重要な身分証明書の役割を果たす旅券については、日頃から有効期間を確認するとともに、適切な管理に努めてください。

 なお、日本台湾交流協会が把握している過去の旅券の紛失事例を見ると、以下のような特徴が挙げられます。

○ 九フンや夜市等の大勢の客で混み合う場所において旅券を紛失する。

○ 乗車したタクシーや公共交通機関に旅券が入ったバッグを置き忘れる。

○ 空港での両替時に本人確認のために旅券を提示し、そのまま置き忘れる。

○ 泥酔するまで酒を飲んだ後に路上で寝込み、旅券入りのバッグを紛失する。

○ 部屋の片付けや引っ越しの際に、旅券を誤って捨てたり、落としたりする。

 上記に見られるように、旅券の紛失は所持者本人の不注意によるものが大半を占めます。旅券を紛失した場合、台湾当局への届出に加え、どうしても急ぎの帰国の必要がある場合には、渡航書等の申請が必要となります。そのためには、戸籍謄本等の入手が必要となるなど、申請手続には多くの時間と労力を要します。また、日本の旅券は国際的な信用度が高く、紛失した旅券は偽変造され、不法な出入国等の犯罪や国際テロを助長するおそれがあります。上記の事例を参照しつつ、滞在中の旅券の管理に十分に留意するようにしてください。

 ウ 詐欺(仮想通貨)

 12月、邦人から、詐欺(仮想通貨)の被害に関する相談がありました。被害者は、台湾人を名乗る人物から、言葉巧みに仮想通貨を利用した日本の銀行口座への送金を持ちかけられ、高額な金銭を騙し取られたものです。オンラインで知り合った人物(一度も直接会ったことがない人物)から最終的には金銭的利益を受けられるとして、送金や投資を求められた際は、詐欺の可能性が高いです。安易に相手の指示通りに動くことなく、周囲に相談するなど、詐欺被害に遭わないようにくれぐれも注意してください。

    

3 交通事故の傾向

(1)主な統計

 内政部警政署の発表によると、2023年1月から10月までの交通事故の発生件数は33万2,491件と、前年と比較して9.3%増加しており、台湾全域では1日約1,094件の交通事故が発生している計算となります。

 また、死者数(2,514人)については、前年(2,534人)と比較して0.8%減少していますが、台湾全域では1日約8人が交通事故で死亡している計算となります。

 依然として毎日多くの交通事故が発生していることから、外出時には日本と台湾の交通事情や習慣の違いを常に意識するとともに、周囲の自動車やバイクの走行状況に十分に留意して、交通事故の被害に遭わないよう心掛けてください。また、滞在中の不慮な交通事故に備えて、可能な限り充実した海外旅行保険に加入するようにしてください。

 なお、交通事故に関する主な統計は、以下のとおりです。

 発生件数 33万2,491件(前年同期比 9.3%増)

 死者数  2,514人(同上 0.8%減)

 負傷者数 44万4,861人(同上 10.1%増)

(2)邦人被害の事案

 1月、邦人が被害に遭う交通事故が1件ありました。交差点で信号待ちをしていたところ、車両に追突され、負傷したものです。

4 テロ・爆弾事件の発生状況

 報告されていません。

5 邦人に関する誘拐・脅迫事件の発生状況

 報告されていません。

6 日本企業の安全に関する事案

 報告されていません。

7 海外旅行保険への加入

 過去には、台湾滞在中に、予期せぬ病気や交通事故等により、高額の医療費・入院費用が必要となった事案を把握しております。

 このような場合、海外旅行保険に加入していれば、病気の際の医療費、移送費等が補償されるほか、保険会社や契約内容によっては、家族の渡航費や台湾において日本語通訳の手配サービスを受けることも可能となります。台湾を訪れる際には、予期せぬ犯罪被害、交通事故、突然の体調不良等に備え、可能な限り充実した海外旅行保険に加入するようにしてください。

8 在留届等の提出

 日本台湾交流協会は、台湾での大規模事故発生時や地震・台風等の自然災害による被害発生時には、在留邦人から提出された在留届のデータを基に安否確認を行うこととしており、在留届が邦人の安否確認に大きな役割を果たしています。また、在留届に記載されたメールアドレスには、安全に関する情報を含む各種情報を配信しています。台湾に3か月以上在留される場合は、日本台湾交流協会に在留届を提出していただくようお願いします。また、日本への帰国や、以前届け出た住所から既に引っ越しているなど、届け出た内容に変更がある場合には、当協会のHP(https://www.koryu.or.jp/consul/stay/)を参考にして「帰国・転出届」や「変更届」の提出をお願いします。

公益財団法人日本台湾交流協会 台北事務所 

住所:台北市松山区慶城街28号

電話:(市外局番02)-2713-8000

台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-8000

FAX:(市外局番02)-2713-0975

台湾域外からは(地域番号886)-2-2713-0975

E-mail:ryoji-k1@tp.koryu.or.jp

※このメールは、在留届にて届けられたメールアドレス及び「たびレジ」に登録されたメールアドレスに自動的に配信されております。