2021年中の統計データ(暫定値)及び同年10月から12月に発生した事案を基に作成した、台湾の安全情報を以下のとおりお知らせいたします。
1 社会・治安情勢
日本台湾交流協会台北事務所周辺において、我が国との歴史等に関連し、一部の団体等による抗議活動が散発的に行われていますが、一般市民全般の対日感情は良好であると言えます。
また、台湾の治安情勢は、引き続き比較的安定していると言えます。
2 犯罪の傾向
(1)主な犯罪の発生件数
内政部警政署の発表によると、2021年中の刑法犯の発生件数は24万4,214件と、前年(2020年)と比較して、6.0%減少しています。統計上は前年より治安の改善傾向が見られますが、依然として多くの犯罪が日々発生しており、強盗や詐欺被害が前年より増加傾向にある状況等も見られますので、引き続き油断することなく、台湾が海外であることを忘れずに防犯意識を高めるように心掛けてください。
また、主な犯罪の発生件数は以下のとおりですので、被害防止の参考としてください。
刑法犯総数 24万4,214件(前年比 6.0%減)
うち殺人 206件(同 上13.4%減)
うち強盗 159件(同 上 1.9%増)
うち強制性交 84件(同 上49.1%減)
うち窃盗 3万5,259件(同 上 4.7%減)
うち詐欺 2万4,849件(同 上 7.8%増)
(2)邦人被害の事案
ア 窃盗
10月から12月までの間に、邦人が被害に遭った窃盗事案は報告されていませんが、過去には、台北市内の国立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂、龍山寺、永康街、台北101、世界貿易センター、西門町、士林夜市、饒河夜市及び寧夏夜市、新北市内の九フン、高雄市内の蓮池潭、六合夜市及び瑞豐夜市等の各種観光地をはじめ、各種飲食店、空港や駅等で窃盗の被害が確認されています。外出する際には油断することなく貴重品の管理に引き続き留意してください。
イ 旅券の紛失
11月、住居を引っ越した際に旅券を紛失したという報告が1件ありました。
なお、日本台湾交流協会が把握している過去の旅券の紛失事例を見ると、以下のような特徴が挙げられます。
○ 九フンや夜市等の大勢の客で混み合う場所において旅券を紛失する。
○ 乗車したタクシーや公共交通機関に旅券が入ったバッグを置き忘れる。
○ 空港での両替時に本人確認のために旅券を提示し、そのまま置き忘れる。
○ 泥酔するまで酒を飲んだ後に路上で寝込み、旅券入りのバッグを紛失する。
○ ナイトクラブに入場する前に旅券を提示し、店内で酔っ払って紛失する。
○ 部屋の片付けや引っ越しの際に、旅券を誤って捨てたり、落としたりする。
上記に見られるように、旅券の紛失は所持者本人の不注意によるものが大半を占めます。旅券を紛失した場合、台湾当局への届出に加え、どうしても急ぎ帰国の必要がある場合には、渡航書等の申請が必要となります。そのためには、戸籍謄本等の入手が必要となるなど、申請手続には多くの時間と労力を要します。また、日本の旅券は国際的な信用度が高く、紛失した旅券は偽変造され、不法な出入国等の犯罪や国際テロを助長するおそれがあります。上記の事例を参照しつつ、滞在中の旅券の管理に十分に留意するようにしてください。
3 交通事故の傾向
(1)主な統計
内政部警政署の発表によると、2021年中の交通事故の発生件数は34万2,000件と、前年と比較して5.6%減少していますが、台湾全域では1日約937件の交通事故が発生している計算となります。
また、死者数(1,860人)については、前年(1,851人)と比較してわずかに増加しており、台湾全域では1日約5人が交通事故で死亡している計算となります。
依然として毎日多くの交通事故が発生していることから、外出時には日本と台湾の交通事情や習慣の違いを常に意識するとともに、周囲の自動車やバイクの走行状況に十分に留意して、交通事故の被害に遭わないように心掛けてください。
なお、交通事故に関する主な統計は、以下のとおりです。
発生件数 34万2,000件(前年比5.6%減)
死 者 数 1,860人(同 上0.5%増)
負傷者数 45万4,401人(同 上6.0%減)
(2)邦人被害の事案
報告されていません。
4 テロ・爆弾事件の発生状況
報告されていません。
5 邦人に関する誘拐・脅迫事件の発生状況
報告されていません。
6 日本企業の安全に関する事案
10月、日本企業が、当該企業の代表取締役社長を名乗る不審な人物から、海外送金の責任者及びその連絡先を確認する電話を受ける事案が発生しています。各企業におかれては、容易に企業情報を外部に漏らすことがないよう、注意してください。
7 海外旅行保険への加入
過去には、台湾を訪れた邦人(特に高齢者)が滞在中に体調を崩して病院に入院し、高額な医療費(例:手術を伴う1か月程度の入院で約500万円)を支払うことになった事案や、邦人が自身の体調不良に対し医療費がかさむことを心配して病院の受診をためらっていたところ、病状が悪化し、救急搬送されて入院したという事案(1か月余りの入院費・治療費は約350万円)等を把握しています。
このような場合、海外旅行保険に加入していれば、病気の際の医療費、移送費等が補償されるほか、保険会社や契約内容によっては、家族の渡航費や台湾において日本語通訳の手配サービスを受けることも可能となります。台湾を訪れる際には、犯罪被害、交通事故、突然の体調不良等に備え、可能な限り充実した海外旅行保険に加入することをご検討ください。
2021年3月1日より、日本人を含む外国籍者については、有効な居留証を所持する者のほか、居留証を所持していない者は、観光及び一般的な社会訪問以外の目的で、台湾の在外事務所において特別入境許可を得ていることが入境の条件となっていましたが、5月19日からは、台湾の有効な居留証を所持しない非台湾籍者の入境が一時停止(緊急や人道的な考慮等、特別な許可を得た場合を除く)されるとともに、旅客の台湾でのトランジットが一時停止されています(2022年2月9日現在)。
台湾に入境する際は、(1)搭乗前2日以内のPCR検査陰性報告を提示する、(2)14日間の在宅検疫を行う居所に関する証明を提供する、(3)オンラインの「入境検疫システム」で健康状況の申告を完了させる必要があります。
また、台湾入境後には、14日間の在宅検疫及び7日間の自主健康管理が義務付けられています。在宅検疫期間中は、選択した隔離措置のプランに応じて、防疫ホテル、集中検疫所又は自宅に滞在し、外出、出境(日本への帰国)、公共交通機関の使用等ができないほか、自主健康管理期間中は、公共の場所への外出や外食を避けることが求められています。これらの義務に違反した場合、関連規定により高額な罰金が科せられます。また、入境時及び検疫期間終了前のPCR検査、検疫期間中の家庭用検査キットでの複数回の検査を実施するなど、台湾当局による入境者への検疫措置が強化されています。
新型コロナウイルス感染症に関する台湾当局の各種措置は、感染状況等に応じて変化し得ることから、当協会のHP(https://www.koryu.or.jp/tabid2169.html)のほか、衛生福利部疾病管制署のHP(https://www.cdc.gov.tw/)を参照し、最新かつ正確な情報の収集に努めてください。
9 在留届等の提出
日本台湾交流協会は、台湾での大規模事故発生時、地震・台風等の自然災害による被害発生時には、在留邦人から提出された在留届のデータを基に邦人の安否確認を行うこととしており、在留届が邦人の安否確認に大きな役割を果たしています。また、在留届に記載されたメールアドレスには、新型コロナウイルス感染症に関する情報(台湾当局の防疫措置・ワクチン接種関連等)を含む各種情報を配信しています。台湾に3か月以上在留される場合は、日本台湾交流協会に在留届を提出していただくようお願いします。また、日本に帰国した際、以前届け出た住所から既に引っ越しているなど、届け出た内容に変更がある場合には、当協会のHP(https://www.koryu.or.jp/consul/stay/)を参考にして「帰国・転出届」や「変更届」の提出をお願い
します。
公益財団法人日本台湾交流協会
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