新型コロナウイルス感染新規症例の発生(19日)

●本日、ベルギー国立公衆衛生研究所が発表した新型コロナウイルスの感染傾向を以下のとおりお知らせします。

●本日の記者会見の主なポイントを以下のとおりお知らせいたします。

1 本日、ベルギー国立公衆衛生研究所が発表した新型コロナウイルスの感染傾向は以下のとおりです。

(1)感染者数(注1)(総数:822,801名)

・3月9日〜3月15日の平均:3,266名

・3月1日〜3月8日の平均:2,433名

・変化:前週と比較して34%増加

(2)入院者数(注1)(2020年3月15日以降の総数:60,038名)

・3月9日〜3月15日の平均: 185.1名

・3月1日〜3月8日の平均: 146.1名

・変化:前週と比較して27%増加

(3)死者数(注2)(総数:22,624名)

・3月11日〜3月18日の平均: 22.9名

・3月4日〜3月10日の平均: 25.6名

・変化:前週と比較して11%減少

(注1)直近の3日間(当館注:3月16日〜3月18日)の新感染者及び死者数については、まだ統合されていない。

(注2)すべてのタイプの場所(当館注:病院、老人ホーム等)における死者。

(4)Rt値(実効再生産数)(当館注:1名の感染者が何人に再感染させるかを表す値。一般に「1未満」であれば収束傾向にあることを示すものとされています。)

・3月5日〜3月11日:1.158

(参照アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ(仏語))

https://covid-19.sciensano.be/sites/default/files/Covid19/Derni%C3%A8re%20mise%20%C3%A0%20jour%20de%20la%20situation%20%C3%A9pid%C3%A9miologique.pdf

2 本日11時、公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおり御案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/en/live-pressconferences/ 

【冒頭】

●新規感染者数が一定の状態が長く続いた後、最近では増加傾向にあったが、今日、我々は、新たな波となるかもしれない、その始まりのところにいる。本日の午後、状況を評価し新たな措置を提示するため、協調委員会が開催される。感染者数のカーブが正確にどの位の速度で進展し、いつピークに達するかを予測することはできないが、この波を小さな波に抑えることは完全に可能である。

●我々は皆、最も重要な措置について承知している。それらを遵守すれば、まだ状況を改善することができる、それらの措置について繰り返し述べたい。

(1)(許可されている)密接な接触の例外を除き接触を最大限回避すること。

(2)密接な接触以外の人とは、(社会的)距離を保ちながら必要な用心をして、屋外でのみ会うこと。

(3)テレワークを実践すること。ここ最近、テレワークが徐々に行われなくなっており、今がまさに、テレワークの実施を再び促進すべき時である。

(4)子どもと祖父母の接触を避けること。特に現在、祖父母の大部分はワクチン接種を完全には終えていない。最近、子どもの間で感染者数が増えている。そのため、祖父母に子どもの面倒を見させるべきではない。

●新たに肯定的な点はある。老人ホーム・ケアセンターにおいて、肯定的な点がみられる。ここ最近強調しているが、(高齢者における)ワクチンキャンペーンの効果が確かなものになり、引き続きその効果が現れている。

【新規感染者】

●ここ7日間の1日当たり平均感染者数は3,266名で、前週と比較して34%増。ここ数週間で、非常に大きな増加となっている。その上、感染検査数の増加にも拘わらず、検査での陽性率は約6%まで下がっていたのが、上昇し続け現在では7%に達しており、ウイルスの伝染がより拡大している。このような増加は、昨年10月の第2波初期以来、観察されていない。

●新規感染者の増加は、90歳代以上を除く全ての年齢層でみられる。90歳代以上の層では、5%の減少が継続している。子ども及び青少年の層においてより大きな増加が見られ、それぞれ60%増、56%増となっている。新規感染者の数が最も多いのは青少年の層であり、特に10〜12歳の層となっている。

●新規感染者の増加は、国中で多かれ少なかれ同じように起きており、ワロン地域では39%増、ブリュッセル首都圏地域では40%増とほぼ同じであり、フランダース地域では31%増と増加幅はわずかに小さい。また、全ての州において増加している。

●この2週間で、英国変異株が優勢となっている。というのも、現在伝染しているウイルスの69%を占めているため。南ア変異株、ブラジル変異株の伝染は依然として限定的であり、比較的安定している。前者は全体の5〜6%、後者は2〜3%となっている。

【新規入院者】

●新規入院者数も大きく増加しており、ここ7日間での1日当たり平均人数は185名、前週と比較して27%増。前週の平均人数は146名「のみ」であった。最近に絞って言えば、ここ3日間、毎日200名以上の新規入院者がいた。

●入院者総数は増加し続け、現在、2,140名となっており、前週と比較して12%増。集中治療患者数は543名で前週と比較して21%増。これは、25日間で倍増することを意味する。現在のペースで増加が継続すれば、4月10日に集中治療患者数は1,000名に達すると見込まれる。既に述べた点ではあるが、この1,000床とは、集中治療の質を大きく損なわないために耐えることのできる上限数である。

【死亡者】

●死亡者数は唯一、それほど悲観的でない数値といえる。1日当たり平均23名で、前週と比較して11%減となっている。これは、老人ホーム・ケアセンターでの状況改善と関連している。75歳以上の層では死亡者数は減少しており、75歳未満の層では、死亡者数はむしろ増加傾向にある。

【ワクチン接種】

●3/15以降、65歳以上の人を対象としたワクチン接種キャンペーンを開始している。現在、85歳以上の人口の約3分の1となる34%が、既に第1回目のワクチン接種を受けている。

●現在、計865,000名、人口の7.5%が第1回目の接種を、409,000名が第2回目の接種を行っている。

●今週、計230,000回分のワクチン接種を行ったが、これは主に第1回目の接種数の増加に関連しており、この数値のうち第1回目の接種数は177,000以上となっている。

【老人ホーム・ケアセンター】

●老人ホーム・ケアセンターの状況は改善している。入居者における新規感染者の1週間当たり平均は1,000人当たり1人未満である。ワロン地域ではごく僅かに増加しているが、他の地域・共同体では安定している。

●規模の大きなクラスターが生じた老人ホーム・ケアセンター数に関しては、全体の0.5%未満であり、国全体での数は10未満となっている。

●入居者のうち入院する者の割合は2%。これは、全入院者数の2.3%しか占めていない。第2波の際は、同割合は18〜20%であった。

●老人ホーム・ケアセンターにおけるコロナに関連した死亡者数は非常に少なく、1日当たり1人未満となっている。

【医療従事者の抗体保有率に関する研究】

●国立公衆衛生研究所(Sciensano)がアントワープ熱帯医学研究所と共同で行った研究の結果によると、医療従事者の抗体保有率は、第1波と第2波の間の2020年4〜9月に亘る長期間、8〜9%の間で一定であり、目立った変化はなかった。第2波後、抗体保有率は大きく上昇し、1月末に24%に達した。

●医療従事者を対象としたワクチン接種キャンペーンは1月18日に開始し、その最初の効果が表れている。同キャンペーンにより、現在、抗体保有率は63.7%に達している。

●(同数値が得られた)検査が実施された2月末の時点で、医療従事者の80%が少なくとも1回目接種を行っていた。調査対象となったこれら229名は部分的または完全にワクチン接種を終えている。うち58名は、ワクチン接種前の時点で、自然感染により(抗体が獲得され)既に防護されていた。また113名は、ワクチン接種後、抗体を獲得し、全体の4分の1に相当する残りの58名は、まだ抗体を獲得していない。これは、ワクチン接種の失敗ということではない。この人たちは若く健康状態もよい。第1回目接種後、血清検査を実施するまでの期間は平均して6日間であり、抗体を獲得するまでには時間が短か過ぎたということにより説明される。

●全ての医療従事者が第2回目接種を受けてから1〜2週間後に行われる予定の調査において、最終的な結果が判明するであろう。

【その他】

●次回の記者会見は3/23(火)11時予定。

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