ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ
1 本日、ベルギー公衆衛生省が発表した新型コロナウイルスの感染傾向は以下のとおりです。
(1)感染者数(総数:97,976名)
・9月8日〜9月14日(注1)の平均: 978.3名
・9月1日〜9月7日の平均: 562.6名
・変化:前週と比較して74%増加
(2)入院者数(3月15日以降の総数:19,484名)
・9月11日〜9月17日の平均: 39.0名
・9月4日〜9月10日の平均: 22.3名
・変化:前週と比較して75%増加
(3)死者数(注2)(総数:9,936名※)
・9月8日〜9月14日(注1)の平均: 2.7名
・9月1日〜9月7日の平均: 2.6名
・変化:前週と比較して6%増加
(注1)直近の3日間(当館注:9月15日〜9月17日)の新感染者及び死者数については、まだ統合されていない。
(注2)すべてのタイプの場所(当館中:病院、老人ホーム等)における死者。
(4)Rt値(実効再生産数)(当館注:1名の感染者が何人に再感染させるかを表す値。一般に「1未満」であれば収束傾向にあることを示すものとされています。)
・9月11日〜9月17日の平均値:1.396
(参照アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))
(参照アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ(仏語))
https://d34j62pglfm3rr.cloudfront.net/downloads/news/numbers_20200918_FR.pdf
2 本日18日11時よりベルギー公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおりご案内いたします。
(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)
https://www.info-coronavirus.be/nl/live-pressconferences/
(1)感染状況(Yves Van Laethem連邦間広報官)
●新規感染者数
感染傾向を一言でまとめると、感染者数及び入院数双方において増加しており、そのリズムは加速している。新規感染者数及び入院者数の倍増期間は、数日前は12日間であったが、今日では8−9日間となっている。ベルギー全土におけるこの一週間の感染者数の一日平均はおよそ1,000名、正確には978名で、前週と比べて74%増加となっている。9月14日月曜日の感染者数は1625名を記録したが、先週は他にも4日、1000名を超えた日があった。
すでに御報告したとおり感染者は全ての年齢層で増加しているが、現時点では20〜29歳の層が最も多く、この一週間では10〜19歳の層の感染が倍増しており、数では及ばないものの60歳以上の層でも倍増している。60歳以上の層で顕著なのは、重症化する割合が高いことである。したがって、10代から30代の若年層と高齢者のコンタクトについては十分に注意を払う必要がある。
引き続き国内全域で増加しているが、地域別に見ると、1日当たりの平均の増加率は州によって50%〜180%の幅がある。人口の多いブリュッセル首都圏地域での感染者数は最も多く、先週の1日当たりの新規感染者の一日平均は209名で、前週と比べて約50%の増加。アントワープは、174名で約63%の増加。注目すべきはリエージュ州の増加率で、134名と先週に比べて3倍増となっている。
●感染検査数
現在の1日当たりの平均検査数は30000件を超えており、特にアントワープ州、東フランダース州、西フランダース州の増加が顕著。陽性率はウイルスの循環により増加しており、全国平均では2週間前の2.5%から3.2%に上昇しており、ブリュッセルでは6.4%にも上っている。陽性率の増加は、ウイルス循環の増加を示唆するものだが、これが検査数の集中的な増加のみに起因するものではないことは明らかである。
●入院者数
過去1週間の一日平均の入院者数は,2週間前は22名だったが,今日では39名と大幅に増加し、増加率は75%を超えている。全地域で増加しており、特にブリュッセルとアントワープを筆頭とするが、これはこれら大都市に所在する病院及び大学病院の病床数の大きさによるものである。
●死亡者数
1日2-3名で推移しており、入院者数の増加による死亡率の増加への影響はまだ見られず、これは本日、唯一前向きと言えるデータである。
●病人や高齢者とのコンタクトを控えること
すでにご承知のとおり、皆様による社会的距離の遵守、マスクの着用、手洗い、感染の兆候がある場合には外出を控えるといった対策がウイルス蔓延の抑制に寄与するが、特に、リスクのある人々、つまり病人や65歳以上の高齢者とのコンタクトを控えてほしい。
(2)抗体検査に関する報告
数ヶ月にわたり進行している2件の研究プロジェクトの結果、本日新しいデータを2件お伝えする。1点目は、献血に協力したベルギー人の血液中に存在するCOVID-19の抗体に関する研究で、赤十字と献血センターの協力により実施しており、ベルギー国立公衆衛生研究所が3月末から参加しているものである。検査開始時から、ベルギー人による献血から抽出した10000人の血液からCOVID-19の抗体検査を行っているが、8月末の時点で約5%の献血者にCOVID-19抗体が見られ、この割合は本年4月からほぼ不変である。
注意すべきは、このデータは18歳-75歳の健康な人々による献血を検査対象としているものであり、ベルギー国民全体の健康状態を反映しているわけではないが、このデータは抗体を有する割合の上限ではなく,むしろ下限を示している。
2点目は、ベルギー国立公衆衛生研究所がアントワープ熱帯医学研究所の協力により実施した抗体研究であるが、850名の医療職の協力により、同職を対象として,数ヶ月にわたり毎月同様の抗体検査を行っているものである。この検査に関しても、抗体を有する割合は、感染拡大のピークであった4月末からほぼ不変であり、8月末で8%との結果が出ている。(1点目で説明した)献血者の検査よりも少し割合が高いが、それほど大差はない。
抗体を有していた81名のうち、意外であったのは、は何の症状も出なかったのは6%にあたる5名だけであり、これは他の研究結果とは対照的に少数であり、原因についてはさらに精密に推移を見る必要がある。また、着目すべき点として、抗体を有するグループの推移を月毎に追っていくと、2名以外には抗体が継続していた。この(抗体が消滅した)2名には、頭痛といった極めて軽い病理症状が出た後、感染疑いがあった時期の後、概ね2か月半の間には抗体が消滅していた。こうしたケースはあるにせよ、このデータにより、抗体は当初想定していたよりも長期間存在することが読み取れる。
こうした結果により、ベルギーにおいては4月から8月末までの間に感染拡大は概ねコントロールされてきたと言えるが、この種のデータには限界があることを知っておかねばならない。また、このデータにより、少なくとも人口の約半数、理想的には6割から7割が免疫を有する状況にはまだ程遠いことが示唆される。
また、血液中にCOVID-19抗体を有する際の他の免疫の役割や白血球の働きについても精査しなければならず、結論付けるまでにはまだ補足的な検査が必要である。
(3)質疑応答
<質問>鼻水が出たり、喉の痛みがあった場合、検査を受ける必要はあるか?
<回答>新型コロナウイルスの顕著な症状である(ア)高熱(イ)呼吸困難(ウ)ひどい咳(エ)重度の倦怠感を生じた場合には家に籠もり、かかりつけ医に相談し、検査を受けてほしい。より軽度かつ一般的な症状として、喉の痛み、鼻水、軽度の疲労感が上げられるが、これらの少なくとも2つの症状が見られた場合にも家に籠もり、かかりつけ医に相談してほしい。
単に喉の痛み程度で検査を受けるには及ばないが、そのような状況でも注意を怠らず、他者への配慮を忘れず、マスクの着用、手洗いといった基本的な措置を実施し、リスクのある者への面会や集会への参加を控え、他の症状が発症しないか注意深く観察することが必要。万が一、他の症状が発症した場合には、すでに申し上げたとおり、家に籠もり、かかりつけ医に相談し、検査を受けてほしい。
(4)その他
次回の定例記者会見は23日(水)。
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ベルギー国立公衆衛生研究所では,新型コロナウイルスに関する以下の情報を公表しています(毎日正午に更新)
■感染者数
https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/tpRKB
■入院/退院者数
https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/uTSKB
■死亡者数
https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/QTSKB
■コミューン毎の状況
https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/giyUB
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電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)
Fax :(02) 513-4633
ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html
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