新型コロナウイルス感染新規症例の発生(14日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本日、ベルギー公衆衛生省が発表した新型コロナウイルスの感染傾向は以下のとおりです。

(1)感染者数(総数:76,191名)

・8月4日〜8月10日(注1)の平均: 605.7名

・7月28日〜8月3日の平均: 556.1名

・変化:前週と比較して9%増加

(2)入院者数(3月15日以降の総数:18,618名)

・8月7日〜8月13日の平均: 33.0名

・7月29日〜8月4日の平均: 24.4名

・変化:前週と比較して35%増加

(3)死者数(注2)(総数:9,916名)

・8月4日〜8月10日(注1)の平均: 5.3名

・7月28日〜8月3日の平均: 2.7名

・変化:前週と比較して95%増加

(注1)直近の3日間(当館注:8月11日〜8月13日)の新感染者及び死者数については、まだ統合されていない。

(注2)すべてのタイプの場所(当館中:病院、老人ホーム等)における死者。

(4)R値(実行再生産数)(当館注:1名の感染者が何人に再感染させるかを表す値。一般に「1未満」であれば収束傾向にあることを示すものとされています。)

・7月31日〜8月6日の平均値:1.192

(参照アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/hospitalisations-et-deces-toujours-en-hausse/

(参照アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ(仏語))

https://covid-19.sciensano.be/sites/default/files/Covid19/Derni%C3%A8re%20mise%20%C3%A0%20jour%20de%20la%20situation%20%C3%A9pid%C3%A9miologique.pdf

https://d34j62pglfm3rr.cloudfront.net/downloads/news/numbers_20200814_FR.pdf

2 本日14日11時よりベルギー公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおりご案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/nl/live-pressconferences/

1.感染状況

●今週は4,240人の新規感染者を記録し(前週から9%の増加)、増加のペースは減速している。新規感染者数が最も多かったアントワープ州では1,300人以上に上り、ベルギー全体の3分の1を占めるが、前週に比べて3%減少しており、増加のペースは減速し続けている。

一方、ブリュッセル首都圏地域での新規感染者の増加が続いており、今週は750人に上るなど、毎週50%のペースで増加している(2週間で倍増)。ブリュッセル首都圏地域での検査実施数は増え続けており、住民千人当たり12回/日に上り、ベルギー全体の平均値と合致する。陽性率も上昇しており、6%に達した。西フランダース州でも新規感染者数が大幅に増加しているが(前週に比べて50%増加)、新規感染者数は250人と少なく、その大部分が精肉工場で発生したものだった。その他の州の感染状況は良好で、例えばリエージュ州では週平均の新規感染者数が減少している。

●入院数は増え続けており、一日平均約33件の入院があった(1か月前は一日平均10件)。死亡数は顕著に増加しており、これまで一日平均2-3人ほどだったのが、今週は同5人になった(週始めの3日間の死亡数は、11人、13人、9人)。死亡者の4分の3が老人ホーム入居者で、病院又は老人ホームで亡くなり、その大部分はエノー州とアントワープ州での事案だった。この死亡数の増加が地表オゾン濃度の上昇を伴う熱波の到来と同じタイミングで起こったことを指摘したい。この2つの現象が高齢者など脆弱な人々に影響を与え、死亡者数の増加に繋がった可能性はあるが、どの要素が死亡に繋がったかは分からない。

2.子供の感染リスク

●本日はCovid-19に感染した子供に関する国立感染症研究所の報告書について紹介したい。この報告書にはCovid-19の感染が始まってから感染拡大が収まった6/28までの18歳以下の症例がまとめられている。第1にこの報告書は、子供における陽性率が1.8%と、大人の陽性率(6.3%)に比べて低いことを示している。検査数は1歳未満が最も多く、陽性率は13歳が最も高い。

●第2に、この報告書によると、この期間中、学校では378人が感染し、そのうち270人が生徒、108人が教職員だった(症例の69%は授業が漸次再開された5/15以降に報告されたもの)。それに伴い、4,715人の学校関係者が検疫待機したが(そのうち生徒が94%、教職員が6%)、検疫待機した生徒のうち二次感染が確認されたのは36人(待機生徒全体の0.8%)に過ぎなかった(教職員における二次感染例は11人、同4.7%)。

●第3に、陽性反応があった子供全体のうち267人(1.6%、川崎病を併発した症例は含まない)が入院したが、大人では陽性反応があった症例のうち入院する割合は10%ほどであり、高齢になるほどその割合が高まることに鑑みれば、子供の割合(1.6%)は低く、その大部分の症例が3/22−28の週に診断されている。また入院数はわずかに男子が少ないが有意な差はない。より重要なのは子供の入院数のうち47%は1歳未満、特に生後3か月未満が子供の入院数全体の約3分の1を占めていることだ。これは生後3か月未満の場合、少しでも熱がある場合は警戒して迅速に入院加療する必要があるからだ。

子供の場合、主に熱や咳の症状が出た翌日に迅速に入院しており、入院期間は平均2−3日と短い。入院した子供のうち13%が免疫不全、肥満症、糖尿病などの病歴を有していた。入院した子供のうち19%(38人)が重度の合併症を併発し、主な合併症は肺炎だったが(同9%)、集中治療が必要なほど重症化したのは、入院した子供全体のうち3%だけだった。最も重度の合併症は1歳以上の子供に見られ、入院数が多い生後3か月未満では見られなかった。今次報告書が対象とする子供に死亡事例はなかったが、報告対象期間中に12歳の女子が亡くなり、同期間外に3歳の子供が亡くなった。

●今次報告書からは、(1)子供は大人に比べてCovid-19を発症しにくい、(2)家庭に比べて学校での二次感染は起こりにくい、(3)大人に比べて合併症を併発しにくい、(4)入院しても短期間で退院できる、と結論づけることができる。

3.欧州諸国への渡航情報

●本日16時、外務省のHP上で欧州諸国への渡航情報が再び改訂される予定。橙の地域への渡航は推奨されておらず、赤色の地域への渡航は原則禁止されている。赤色の地域から帰国した場合は、検査を受けるとともに2週間の検疫待機しなければならない。橙の地域への渡航であっても、特に渡航先で家族訪問や夜間の行動などリスクの高い活動をした場合は帰国後、検査と検疫待機が推奨される。欧州のいくつかの地域の渡航情報が変更される予定だが、特に感染水準が高いスペインとルーマニアに注意してほしい。マルタ始めいくつかの地域が赤色になる予定。

欧州における状況の推移は早いため、現状における渡航はリスクである。常に渡航先の情報に注意し、渡航先はもっぱら緑色の地域を選ぶとともに、国外にあっても常に基本的な規則を守ってほしい。

4.行楽シーズンの留意事項

●熱波が過ぎ、この週末、国内各地の行楽地に出かける人が多いと思うが、多くの人が集まる場所では感染リスクが高まる。社会的距離の確保などのルールを守るためにも、人混みを避けるように注意して欲しい。それぞれの行楽地は感染予防の措置に努めているが、各行楽地のHPでその混み具合を確認して欲しい。現地の人混みが多い場合には到着を遅らせる、又は行楽先を変更することなどを検討して欲しい。また、大挙して海岸に出かける時期でないことは明らかだ。感染予防のために地元当局はマスク着用や予約システムなどを導入しているが、専用URLからビーチ毎に混み具合を参照することができる(URLは下記参照)。

英語:https://www.belgiancoast.co.uk/en 

仏語:https://www.lelittoral.be/fr 

蘭語https://www.dekust.be/nl 

●その他、感染予防の措置として、通常天候の良い時期に実施される、オステンド、クノック=ヘイスト、ブランケンベルグなど海岸沿いの町への電車の増便は、一部しばらく運行されない。SNCBは、電車の乗車率が80%を超えないよう乗車を制限するため、詳細はSNCBのHPを参照して欲しい(SNCFのURLは下記参照)。どのような移動手段を利用するにせよ、責任のある形でこの週末を楽しんで欲しい。

英語:

https://www.belgiantrain.be/en?adlgid=c|g|sncb|388695935467|e&gclid=EAIaIQobChMIoIykr_2a6wIViPdRCh25xg3REAAYASAAEgLcsfD_BwE 

仏語:

https://www.belgiantrain.be/fr?adlgid=c%7Cg%7Csncb%7C388695935467%7Ce&gclid=EAIaIQobChMIoIykr_2a6wIViPdRCh25xg3REAAYASAAEgLcsfD_BwE 

蘭語

https://www.belgiantrain.be/nl?adlgid=c%7Cg%7Csncb%7C388695935467%7Ce&gclid=EAIaIQobChMIoIykr_2a6wIViPdRCh25xg3REAAYASAAEgLcsfD_BwE 

5.質疑応答

問:5人の(社会的)グループを拡大する可能性が仄めかす専門家もいるが、8/29の期限を待たずに拡大する予定はあるか?

答:それは国家安全保障会議の決定に委ねられている。感染状況を踏まえた専門家の意見に基づき、そのような決定がなされるかも知れないが、まず念頭に置かなければならないのは現行の措置を遵守することである。措置を守れば感染状況が改善し、感染状況が改善されれば措置が緩和される可能性がある。

問:小児科医が9月1日からの完全な開校を呼びかけているが、新学期に関してどのような立場か?

答:小児科医の意見を完全に共有する。教育的な観点からだけでなく、心理的な観点からも子供達が学校に戻ることは重要だと考えている。仏語圏については本日、(仏語圏共同体政府の)デジール教育担当大臣が新学期のモダリティについて、専門家の意見を基に教育関係者と議論しており、会合後にコミュニケが発出されると思う。

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ベルギー国立公衆衛生研究所では,新型コロナウイルスに関する以下の情報を公表しています(毎日正午に更新)

■感染者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/tpRKB

■入院/退院者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/uTSKB

■死亡者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/QTSKB

■コミューン毎の状況

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/giyUB

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■■滞在状況アンケート実施中です!お済みでない方はこちらから■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4oPasoBCBkkcmqqKs0VZek94YyQW0jYpdcr1fSJxL_jYfRA/viewform

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■■領事メールのバックナンバーはこちらから■■

https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_merumaga.html

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■■新型コロナウイルスに関する「風評被害」を受けた方は,こちらまで■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhpL1ReY0hfydCMksXdJMEzztfC0XsQErx5TDcOaQ8tHr8CA/viewform

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【お問い合わせ先】

在ベルギー日本国大使館

住所:Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles, Belgique

電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)

Fax :(02) 513-4633

ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html

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