第20回海外邦人安全対策連絡協議会の概要

○2月1日に大使館において、第20回海外邦人安全対策連絡協議会が開催されました。

○日本人が巻き込まれる交通事故やひったくり被害が増加しています。

ラオス国外の病院への緊急移送に対応できる上限額の海外旅行傷害保険に加入しておきましょう。

2月1日に大使館において、第20回海外邦人安全対策連絡協議会が開催されました。

この協議会は、ラオスにおける在留邦人と日本人旅行者の安全のために、当地の日本人会、JICA、商工会、補習校、日系NGO、日系旅行会社、空港関係のそれぞれの代表者と大使館員が定期的に協議を行っているものです。今回から、地方都市(パクセー)代表にも参加いただきました。会議概要以下のとおりですので、みなさまの安全対策のためにご活用ください。

1 過去1年間に邦人が巻き込まれた事案

(1)2018年中に大使館に相談のあった邦人援護件数は、2017年に比べて約2倍増加しました。主な要因は、接到被害に係る相談の増加によるものです。依然として、バイクに乗った二人組によるひったくり被害が目立ちます。場所は、ビエンチャン市内中心部やメコン川沿いが多く、バンビエンでも複数起きています。時間帯は日没後が大半です。被害者は徒歩又は自転車で、手荷物や自転車のかごに入れた物をひったくられています。

(2)強盗などの凶暴な事案も報告されています。被害者の後ろからつけてきてホテル内に侵入した男が、被害者の後頭部を殴打して所持品を強盗するといった事例もありました。この事例では、被害者が抵抗したところ、地面に強く押し倒されたようですが、加害者が凶器を持っている場合もありますので、万一襲われた時は抵抗しないでください。

(3)自転車やバイクと車の接触事故も多く報告されています。また、昨年夏は豪雨による土砂崩れ等が頻繁に起こりました。ルアンパバーン・ポンサワン・サムヌア間のバスに乗っていて土砂崩れに巻き込まれ、非常に危険な目に遭った方もいました。大使館からも適時に領事メールでお知らせしておりますが、特に雨季における陸路での長距離の移動は、事故に遭うリスクが高まります。やむを得ず雨季に陸路で移動する場合には、実際の道路状況について、事前に現地のバス会社等へよく確認するようにしてください。

2 ラオスで平穏に生活するために

(1)大使館では、「これ一冊でラオス滞在中の安全対策はすべてわかる」ようにまとめた「安全対策マニュアル」を作成しています。今般1月18日付で同マニュアルを改訂し、本件協議会の席上で配布しました。同マニュアルは当館ホームページからも閲覧できますので、ぜひ最新のマニュアルをご一読ください。

https://www.la.emb-japan.go.jp/files/000443954.pdf

(2)昨年は、ラオスの入管や警察の活動に関する相談も増加しました。従業員とのトラブルが発端で出国差止めにあった企業関係者もいました。労働調停を含む民事事件が係争中の場合には、ラオス入管法の出国拒否事由に該当する事態となる場合もあります。このような場合には、まず当事者およびラオス当局から事実関係をよく確認して、会社の顧問弁護士等に相談してください(顧問弁護士が居ない場合には、当館から弁護士リストを提供できますのでご相談ください。)。

(3)昨年夏は、豪雨の影響でアタプーにおけるダムの決壊事故が発生したほか、各地で洪水、土砂崩れ、水害等が発生しました。皆様におかれては、大使館の領事メールをはじめ、現地の新聞、ラオス気象局のサイト(http://www.newcdmh.com/newc/)、メコン川委員会のサイト(http://ffw.mrcmekong.org/bulletin_wet.php)、地方のバス会社や旅行会社等を利用して現地の情報を収集されたことと存じます。ただ、一部のソーシャルメディアではデマ等も拡散していたようです。虚偽の情報を流布してしまった場合には、違法行為となる可能性もありますのでご注意ください。

3 地方在住者の安全について

(1)在ラオス邦人の約8割がビエンチャン市内にお住まいですが、その次に在留邦人数が多いのがチャンパサック県のパクセー市です。パクセージャパン日系企業会によると、タイ又は日本から出張ベースでお越しの方が多いようなので、実際には在留届出人数よりも多くの日本人がいらっしゃると思われます。出張ベースの方には、ぜひ「たびレジ」に登録いただき、ラオスの安全情報を入手されることをお勧めします(このメールを受け取った方は、周りの方に教えてあげてください。)。「たびレジ」登録は、以下のリンクから。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

(2)毎年雨季になるとパクセーおよび周辺地域は洪水になります。これから同地域へお住まいになることを検討されている方は、住居を選ぶ際には、雨季になると物件や周囲の状況がどうなるかを大家に確認するなどしてから決めてください。また、南部4県(サラワン県、セコン県、チャンパサック県、アタプー県)の安全・生活情報を入手したい方は、パクセージャパン日系企業会事務局(paksejapansez@gmail.com)までご相談ください。

(3)チャンパサック県チョンメーク(Chong mek)とタイのワンタオ(Vang tao)国境ポイントでは、ラオス側の入管事務所の位置がわかりにくいため、タイ側からまっすぐ入って来てラオスの入国印を押されずに通過してしまう方もいるようです。出国時にトラブルになりますので、必ずラオス側の入国手続を済ませてから入国してください。

4 医療情報

(1)ラオスの医療水準は周辺国と比べても著しく低く、英語で意思疎通ができる病院は非常に限られており、日本人が入院又は手術を受けることはほぼ不可能です。このため、ラオス国外の病院に空路で緊急移送される事態に備えて、相応の上限額の海外旅行・赴任者傷害保険に加入されることをお勧めします。

(2)また、陸路でタイ側の医療機関を受診されることも多いと思われます。2017年1月から陸路・ビザなしでのタイへの入国が暦年2回までに制限されているため、ラオスの滞在許可証をお持ちの方は、あらかじめタイの数次入国査証を取得しておくことをお勧めします。急病でタイの病院へ行きたいがすでにビザなしで2回タイに行っているという方は、タイ側の病院から救急車で迎えに来てもらう、又は、タイ側の病院の受診票を持参する等、タイ入管職員が急患と認識できるようにする必要があります。

(3)今年に入ってからすでにデング熱による死亡例がビエンチャン市内でも確認されています。乾期だからと油断せずに、防蚊対策を励行してください。

当地の医療情報はこちらから。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/lao.html

【問い合わせ先】

ラオス日本大使館領事班

電話:021-414-400〜403

メール:consular@vt.mofa.go.jp