【安全対策情報】マニラ首都圏(近郊地域を含む)への渡航を予定、または滞在されている皆様へ(犯罪被害の傾向・注意喚起)

●引き続き、マニラ首都圏や近郊地域において、日本人がひったくり、スリ、置き引き、睡眠薬(昏睡)強盗やタクシー内での強盗、美人局被害に遭う事例が多数発生しております。

●最近の邦人の犯罪被害の傾向と注意点等を下記のとおりお知らせしますので、常に狙われているという危機意識を持ち、トラブルに巻き込まれないよう(トラブルを起こさないよう)心がけながら安全対策を講じてください。

●パスポートの紛失事案も多発しております。今一度パスポートの所在をご確認上、携行される際には紛失にご注意ください。

1 ひったくり被害

(1)バイク乗車の二人組が、後方から近づき、携行するハンドバッグや携帯電話などを窃取するといった被害が多発しています。  

(2)また、手をかけていたバッグごとひきずられて怪我を負う事例も散見されます。

【注意1】歩行中には、後方から来るバイクの二人組の接近に極力注意し、接近を察知したらバイクの届かない場所まで避難するなど防衛措置を講じてください。

【注意2】セカンドバッグは体前方、道路より遠方に携行するようにし、後方から把持されにくいようにして下さい。

2 スリ、置き引き被害

(1)気づいたらバッグを開けられ、旅券や財布等の貴重品を取られていた、といった報告が頻繁に寄せられています。

(2)歩行中、子供たちや浮浪者に取り囲まれ、小銭等をせがまれて困惑しているうちにバッグやポケットから財布や携帯電話(スマホ)を抜き取られる、あるいはショッピング・モールのエスカレーター乗車時、2名の窃盗犯に挟まれた状態となり、被害者の前でエスカレーターに乗っていた窃盗犯が、エスカレーターの降り際にわざと立ち止まり、被害者が困惑している隙を狙って、被害者の後ろに居る窃盗犯が被害者のカバン内から財布等を窃取するといった事案も発生しています。

(3)飲食店等において、バッグ等の置き引き被害が相変わらず多発しています。

【注意1】外出の際はできる限り必要最小限の現金等を持ち歩くようにする、貴重品はバッグなどにまとめて収納せず分散して身につけるなどの対策を講じてください。

【注意2】特に一人歩きが狙われる傾向があります。「歩きスマホ」をしない、見知らぬ人物から声をかけられても不用意に立ち止まらないといった行動を心がけ、また恐怖を感じた場合は近くにいる第三者に大声で助けを求めるようにしてください。

【注意3】買い物中又は散策中も、前後左右の人の動きにできる限り注意を払い、ショッピング・モール等のエスカレーター利用時には特に注意するなどの心構えが肝要です。

【注意4】バッグ類は、常に目に見える場所で確実に管理するよう心がけ、また席を外す際には必ず持ち歩くようにしてください。

【注意5】携帯電話(スマホ)の盗難被害報告も多く、「スマホがないため家族や関係者の連絡先がわからない。」、「データ化してあった書類が見られず困っている。」といった相談も増えています。特に旅行中の方は、連絡先や必要な書類をスマホで一括管理している方が少なくありません。スマホの紛失や盗難に遭った場合も想定し、必要なバックアップ対策を講じておくことが肝要です。

3 睡眠薬(昏睡)強盗被害

 マニラ首都圏に滞在される方、特に若い旅行者からの被害報告があとを絶ちません。手口、被害例、注意点等を以下のとおりお伝えします。

(1)睡眠薬(昏睡)強盗とは

 犯人(複数人のグループであることが多い)が狙いをつけたターゲットの旅行者(被害者)に近づき、同行を促し、その移動中、または移動先の飲食店等において、即効性のある睡眠薬向精神薬)等を混入させた飲食物を勧め、被害者を眠らせて金品を強奪するもの、またその手口を言います。(精神安定剤向精神薬)の一種である「Ativan(アティバン:登録商標名)」を用いることが多い犯人らの手口から、フィリピンでは、警察をはじめ、一般的に「アティバン・ギャングによる被害」と称されます。)

(2)手口、被害例

 ア 観光地(マニラ旧市街:イントラムロス)やマニラ市内のリサール公園付近を散策中、見知らぬ人物から、「道を教えて欲しい」、「日本人? 日本にいる親類のことで相談があるんだけど」、「私たちも旅行者なんだけど、一緒に○○に行かない?」、などと声をかけられます。

 イ これに応ずると、徒歩、タクシー等で移動することになります。その後の動きは実に様々ですが、次のような例が挙げられます。

(ア)飲食店で提供された飲食物を口にして意識を失った。気がつくとホテルの自室で寝ており、ポケットの財布と携帯電話がなく、またクレジット・カードから数十万円が不正利用されていた。ホテルの場所は伝えてあったが、ホテルの従業員に聞いても、誰が送ってきたかはわからないと言われた。

(イ)タクシーに乗ったが、どこにいるかわからなくなり、また友達と称する女性が2人便乗してきて、自分を取り囲んだ。その車内で渡されたスナック(あるいは果物、ビール等)を口にしたあとの記憶がない。気づくと路上で寝ており、旅券や財布等が入ったバッグがなくなっていた。

【注意1】被害者の多くは、「相手が女性だった(あるいは家族のようだった)のでつい気を許した」、「とても人を騙すような人物には見えなかった」、「事例は承知していたが、まさか自分が巻き込まれているとは思わなかった」などと述べています。かなり巧みに被害者の心理を突いてくるものと考えられます。

【注意2】睡眠薬精神安定剤等の向精神薬は、量や体調によっては身体に重大な影響を及ぼすおそれのある怖い物質です。見知らぬ人物から誘われても、簡単に同行したり提供を受けた飲み物、食べ物に口をつけたりしないよう、十分注意し、警戒してください。

 

4 タクシー等利用時の強盗・詐欺被害

 次のような被害も報告されています。

(1)早朝、マニラ市内から空港まで流しのタクシーを利用したところ、道中運転手から脅迫され、パスポート、携帯、財布など入った鞄を強奪された。

(2)空港乗り継ぎのため、第3ターミナルから第2ターミナルまで流しのタクシーを利用した。乗車時には運賃100ペソと言われたが、降車前に3,000ペソと言われた。苦情を伝えたところ、停車せず行き先を変更しそうになったため、やむなく支払った。

(3)ジプニーに乗車時、男から「服にケチャップがついている」と言われ、ティッシュなどで拭いてくれた。男の降車後、携帯電話が盗まれていたことが判明した。

【注意1】強盗に遭ったら絶対に抵抗せず、身の安全確保を最優先してください。

【注意2】タクシーを利用する場合は、どんなに急いでいても、車番等は乗車前に必ず確認・記録するようにしてください。また単独でのタクシーや馬車の利用はできるだけ避けてください。(特に個人旅行者は流しのタクシーを利用せず、比較的安全とされる「Grab」タクシーの利用を検討ください)

【注意3】ジプニーなど公共交通機関内では、特に携帯や財布などのスリ被害にご注意ください。

5 美人局被害

 フィリピン、特にマニラ首都圏では、日本人を含む外国人男性を狙った買春絡みの恐喝、いわゆる美人局(つつもたせ)が多く発生しています。ショッピング・モールで若い女性に声をかけられ、同行した結果、金を出せと脅され、強く拒否したところ男性が現れる(あるいは同行した結果、レストランに誘われ、支払時にクレジット・カードの利用を促され、後日、そのカードの不正利用が発覚する)といった例です。

 多くの場合、声をかけてくる若い女性について行かなければ未然に防ぐことができるトラブルですが、最近ではマッチング・アプリで待ち合わせた女性とのトラブルに関する報告も増えています。言うまでもありませんが、買春は違法行為であり、状況によっては最高で終身刑が科される重大犯罪となります。

 特に18歳未満の未成年者に対するわいせつ行為等は、たとえ双方合意の下であっても、終身刑等の重刑が科される例もあります。

【注意1】遵法意識を強く持ち、上記同様、見知らぬ人物の誘いには軽々に乗らないよう注意してください。

【注意2】マッチング・アプリの利用にはリスクが伴います。十分留意してください。

6 パスポート紛失事案

 昨今、帰国前にパスポートを探したが家の中から見つからない、外出中に気づいたらカバンから無くなっていた等により、当館へパスポートの再発行を相談される事案が多発しております。

 パスポートの再発行には戸籍謄本(6ヶ月以内に発行されたもの:原本)やポリスレポート等が必要です。加えて、再発行後にフィリピン入管での手続きもあり、一定の時間と労力、手数料を要します。

 改めてパスポートの所在を再確認いただくとともに、携行して外出する際には紛失や盗難に遭わないよう最大限の注意を払ってください。また、必要ない限り、外出時にはパスポートの原本ではなくコピーの携行を推奨します。

参考:https://www.ph.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000289.html#%E7%B4%9B%E5%A4%B1

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