【安全対策情報】海外安全対策情報(2019年10月〜12月分)

フィリピンにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ

在フィリピン日本国大使館

以下の海外安全対策情報(2019年10月〜12月分)を在フィリピン日本国大使館のホームページに掲載しましたので,ご案内します。

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海外安全対策情報

(2019年10月〜12月分)

1 治安情勢

(1)フィリピンの治安は犯罪発生件数が減少傾向にあるなど,特に首都圏や大都市部で改善傾向にあるとされているが,日本国内と比較すると,銃器を使用した殺人・薬物売買等事件,強盗及び性犯罪の発生件数は相当高い。

(2)マニラ首都圏等においては,スリ・置き引き等の窃盗,睡眠薬強盗及び美人局の恐喝等の犯罪被害に遭う邦人からの報告が頻繁に認められる。犯罪被害の未然防止には, (i)日本人は犯罪の標的として狙われやすいとの危機意識を持つこと,(ii)手荷物から目を離さず身体から離さないこと,(iii)日本語等で気安く声をかけてくる見知らぬ人物の誘いに乗らないこと,等の対応が求められる。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)邦人被害事案

(ア)11月,マニラ市歓楽街において,二人乗りの自動二輪車からクラッチバッグを持ち逃げされた「ひったくり」事案が発生した。

(イ)ニノイアキノ国際空港ターミナルにおいて,10月,カフェテリアやタクシーカウンターの傍らに置いていた所持品を持ち逃げされる「置き引き」事案,12月,両替後複数名に取り囲まれ現金を盗まれる「集団スリ」事案が発生した。

(ウ)10月から11月,マカティ市のショッピングモール,飲食店及びマニラ市の観光地において,現地人とみられる人物から声をかけられて行動を共にし,供された飲食物を口にしてまもなく意識を失い,気づくと身の回りの金品を奪われるといった「睡眠薬強盗」事案が複数発生した。その後,クレジットカードを不正利用される事案も確認された。

(エ)10月,マニラ首都圏の繁華街において,現地女性から声をかけられ,ホテルに移動後,女性が急遽体調不良を訴え,後刻現れた男性から示談金,慰謝料の支払い等を強要されるといった「美人局」事案が発生した。

(オ)10月から12月,首都圏パサイ市,マカティ市,タギック市等のショッピングモール, 観光地,飲食店において,バッグパック等から貴重品を盗み取る「スリ」事案,手荷物から目を離した隙の「置き引き」事案が頻発した。

(2)邦人以外の被害事案

 10月,マニラ市の飲食店において,マスバテ州の副町長が射殺される(周囲の人物も負傷)殺人事件が発生した。

3 テロ・爆弾事件発生状況

 邦人を被害者とする事件の発生は認められないが,安全対策には引き続き十分注意する必要がある。

4 日本企業の安全に関する諸問題

 当地においては,一般的に企業及び個人に対する恐喝,脅迫,誘拐等が少なくなく,過去に日系企業(社員)や関連企業(現地法人)に対する脅迫事件も報告されたことを踏まえ,進出日系企業関係者は,企業及び社員の安全に関し注意する必要がある。

 マニラ首都圏やセブ首都圏などの都市部ではないが,新人民軍(NPA)は,地方に展開する民間企業に対して,環境破壊,住民搾取等の名目で「革命税」を要求し,企業側が応じない場合には,企業への脅迫,恐喝,襲撃(主に農園等の各種機材破壊)等を行っていることから,現地採用職員の動向も含め,日頃から情報収集を行うなど十分な注意が必要である。また,首都圏から離れたミンダナオ地域の中部以西では,アブ・サヤフ・グループ等イスラム武装勢力の動向に細心の注意を要する。

5 その他

 フィリピン入国管理局の発表によると,2019年中,フィリピン入国審査の際,同審査官に対する不敬行為等により入国拒否処分を受けた外国人は180名で,日本人も含まれるとのことである。入国審査を受ける際は,飲酒泥酔状態は避け,審査官等に対する粗暴な言動等は行わないようにする必要がある。

以上