コロンビアにおけるデング熱の発生状況について

●コロンビア国内でデング熱が流行しています。

●今後も感染例の増加や感染エリアの拡大の可能性がありますため、蚊に刺されないように予防対策を心がけてください。

1 国立衛生研究所は、1月1日〜4月22日までのデング熱の国内患者総数は30,062名と発表しました(昨年同時期は、16,179名)。また、デング熱が原因の可能性がある死者数は、4月22日現在、102名と報告されています。

2 特に、メタ、トリマ、クンディナマルカ、スクレ、サンタンデール、アトランティコ、セサール、コルドバ、ノルテ・デ・サンタンデール、ラ・グアヒラの各県と、バランキージャ、カルタヘナ、カリの各市の合計で、21,068名(70.1%)の患者数が報告されています。またアマゾナス、バウペス、グアビアレ、メタ、プトゥマヨ、カケタ、トリマ、クンディナマルカの各県では、人口10万人あたり180人を超える高い発生率を記録しています。

3 今後も感染例の増加や感染エリアの拡大の可能性がありますため、在留邦人を含むコロンビアに滞在中の皆様におかれましては、報道等から最新の情報を入手していただくとともに、予防対策に努められるようお勧めします。

デング熱について>

(1)感染源

 デング熱はデングウイルス(フラビウイルス属で1〜4型まである)を持つヤブ蚊(ネッタイシマカヒトスジシマカ等)に刺されることで感染します。感染は必ず蚊が媒介し、人から人への直接感染はありません。ヤブ蚊の活動時間は、夜明け少し前から日暮れまでの間(特に朝と夕暮れどき)です。ただし室内にいる蚊は、夜間でも刺すことがあるので注意する必要があります。

(2)症状・治療法

 デング熱は、典型的にはウイルスを保有する蚊に刺されてから3〜7日後に症状が出現します。発熱、頭痛、筋肉痛、骨関節痛、目の奥の痛みなどの症状が見られ、50%に発赤や盛り上がった皮疹、もしくは紫斑や点状出血を伴う皮疹が認められます。また、血液検査では、白血球や血小板が低下します。通常発病後2〜7日後に解熱し、解熱とともにかゆみを伴った皮疹が出現する場合もあります。デング熱患者の一部はまれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症し、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。重症化する感染者は、通常過去にデング熱ウイルス株の1つに感染し、その後別の株に感染した方といわれています。以前デング熱にかかったことのある方は特に注意が必要です。

デング熱には特効薬がなく、対処療法が中心となります。そのため、蚊に刺されないよう予防措置をとることが極めて重要です。万が一、デング熱が疑われる症状が出現した際には、早期に医療機関を受診し、適切な診断、治療を受けることをお勧めいたします。

また、デング熱感染が疑われる場合、ロキソニンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)はデング熱による出血症状を助長させる可能性があるため、解熱剤にはアセトアミノフェンを使用してください。

(3)予防方法

 デング熱は、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です(ワクチンが開発されましたが、まだコロンビア国内では流通していません)。デング熱を媒介するネッタイシマカヒトスジシマカは、古タイヤの溝などのわずかな水たまりで繁殖するため、都市部でも多くの患者が発生する可能性があるため、次の点に十分注意の上、感染予防に努めてください。

●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分にはディートやイカリジン含有の昆虫忌避剤(虫除けスプレーなどにディートが含まれる場合、6ヶ月未満のお子さんは使用禁、12歳以下のお子様はイカリジン含有製剤の使用をお勧めいたします)を塗布してください。

●室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用してください。

●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつけるようにしましょう。

●突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、デング熱を疑って、直ちに医療機関を受診してください。

●なお、蚊の繁殖を防ぐために、雨水など水のたまる可能性のあるタイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しないようしてください。また、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策を取ってください。

厚労省・検疫所のデング熱についての情報 

https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html

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