【ポイント】
●7月2日に開催された国家内閣(National Cabinet)において、国家内閣は、豪州のコロナ対応を移行していくため、ワクチン接種の状況に応じて4段階で構成される国家計画を策定し、各段階への移行は今後示されるワクチン接種の閾値の達成によって判断されるという原則に合意しました。
●国家内閣は、現在の渡航者数の到着上限を一時的に50%削減することに合意しました。
●連邦保健大臣が、新型コロナワクチン接種の副作用による被害補償制度創設について発表しました。
【本文】
7月2日に開催された国家内閣(National Cabinet)において、国家内閣は、豪州のコロナ対応を移行していくため、4段階で構成される国家計画を策定し、各段階への移行は今後示されるワクチン接種の閾値の達成によって判断されるという原則に合意しました。
国家内閣後に発表されたメディア・ステートメントの詳細及び原文は下記リンク先をご確認ください。
https://www.pm.gov.au/media/national-cabinet-statement-6
1 豪州のコロナ対応の移行に向けた国家計画(National Plan to transition Australia's National COVID Response)の4段階の主な内容(詳細は下記2を参照ください)
(A)第一段階(現在の段階、ワクチン接種、準備及び試行)
○必要数の関連ワクチンをできるだけ早く接種する機会を提供するために、ワクチン接種計画を実行する。
○都市封鎖(lockdown)は最後の手段としてのみ適用される。
(B)第二段階(ワクチン接種完了後の段階)
○都市封鎖や州境制限等において、ワクチン接種者への制限を緩和する。
○入院と死亡の拡大を防ぐための限られた状況においてのみ都市封鎖を行う。
(C)第三段階(統合フェーズ)
○都市封鎖は行わない。
○ワクチン接種者を国内での全ての制限から免除する。
○ワクチン接種者の帰国者数の上限を廃止する。
(D)第四段階(最終段階)
○ワクチン接種者が隔離なしで入国する人数の上限を撤廃することを認める。
2 国家計画の4段階の詳細
(1)国家内閣は、市中感染の継続的な抑制に焦点を当てた現在のワクチン接種の過渡期(pre vaccination)の状況から、重篤な病気、入院、死亡、及びその他の感染症の公衆衛生管理に焦点を当てたワクチン接種完了後(post vaccination)の状況にかけて、豪州のコロナ対応を移行していくための国家計画を策定することに合意した。
(2)国家内閣は、国家計画は以下のA〜Dの4段階で構成されること、また、各段階への移行は現在コロナ感染症リスク分析及び対応タスクフォース(the COVID-19 Risk Analysis and Response Task Force)において実施されている科学的モデリングに基づいて、ワクチン接種の適性人口(16歳以上)の割合として示されるワクチン接種の閾値の達成によって判断されるという原則に同意した。
(A)第一段階(ワクチン接種、準備及び試行(現在の段階))
市中感染を最小限に抑える目的で、コロナウイルスの抑制を続ける。
対策には以下が含まれる。
○全ての豪州人に、必要数の関連ワクチンをできるだけ早く接種する機会を提供するために、ワクチン接種計画を実行する。
○デルタ株ウィルスのリスクの高まりに伴い、隔離施設への負担を軽減するために、7月14日までに全ての主要空港への一般旅客便での入国者数を一時的に現在の上限から50%削減する。
○都市封鎖(lockdown)は最後の手段としてのみ適用される。
○ハワード・スプリングスの国立レジリエンスセンターでの隔離のためダーウィンへ向かう海外からの帰還者の受入れを増やすために、旅客便の増加を促進する。
○連邦政府は、国際空港の一般旅客便の渡航者数制限によって影響を受ける重要な貨物供給網を維持・確保するため国際貨物支援メカニズム(IFAM:International Freight Assistance Mechanism)を通じて追加支援を拡大する。
○ワクチン接種を受けた渡航者を帰国させるための自宅隔離を含め、代替的な隔離手法の導入を試行する。
○学生及び経済査証(economic visa)保有者を限定的に入国させる商業的試行を拡大する。
○既存のデジタルでのメディケア・ワクチン接種証明書(全ての予防接種に対して自動的に生成され豪州予防接種登録システム(AIR)に登録されている)を認証し適用する。
○出入国時におけるデジタルでのワクチン接種認証を確立する。
○コロナワクチン接種のブースター(追加免疫)計画を準備する。
○全国のホテル隔離ネットワークの更なる検証を実施する。
(B)第二段階(ワクチン接種完了後の段階(post vaccination))
コロナ感染に伴う重篤な病気、入院及び死亡を最小限に抑えるように努める。
対策には以下が含まれる。
○都市封鎖や州境制限等において、ワクチン接種者への制限を緩和する。
○入院と死亡の拡大を防ぐための限られた状況においてのみ都市封鎖を行う。
○ワクチン未接種の帰国者に対して半減以前の入国者数の水準に戻すとともに、ワクチン接種済みの帰国者に対してはより大きな上限とする。
○隔離の取決めと施設の空き状況に応じて、学生査証保有者と経済査証保有者の入国を上限付きで許可する。
○ワクチン接種者に対し、制限を少なくした新たな隔離の取決めを導入する。
○コロナワクチン接種のブースター(追加免疫)計画を準備・実施する。
(C)第三段階(統合フェーズ(consolidation phase))
他の感染症の公衆衛生管理と同じように新型コロナ感染症を管理する。
対策には以下が含まれる。
○都市封鎖は行わない。
○コロナワクチン接種のブースター(追加免疫)計画を継続する。
○ワクチン接種者を国内での全ての制限から免除する。
○ワクチン接種者の帰国者数の上限を廃止する。
○学生、経済及び人道的査証保有者の入国の上限を増加することを認める。
○ワクチン接種者の出国に関する全ての制限を解除する。
○新しい候補国(シンガポール、太平洋諸国(pacific))への無制限での渡航のためのトラベル・バブルを拡大する。
(D)第四段階(最終段階(final phase))
他の感染症の公衆衛生管理と同じように新型コロナ感染症を管理する。
対策には以下が含まれる。
○ワクチン接種者が隔離なしで入国する人数の上限を撤廃することを認める。
○渡航前及び到着時の検査を条件として、ワクチン未接種者が入国する人数の上限を撤廃することを認める。
3 国際旅客の到着上限
(1)国家内閣は、デルタ株ウィルスのリスクの高まりに伴い、隔離施設への負担を軽減するために、現在の渡航者数の到着上限を一時的に50%削減することに合意した。これらの取り決めは以下のとおり。
○7月14日(水)の午前0時1分までに開始し、8月31日まで継続する。
○8月末までに国家内閣で評価され、その後も2021年の残りの期間中、定期的に国家内閣において評価される。
(2)国家内閣は、これらの取決めの一環として、引き続き帰還する豪州人が優先されることに合意した。
4 新型コロナワクチン接種の副作用による被害補償制度創設
7月2日、豪連邦保健省は、新型コロナワクチン接種の副作用による被害補償制度を設ける旨発表しました。制度の詳細は今後発表される見込みです。発表文は以下からご確認ください。
(メール発信者)
在オーストラリア日本国大使館領事部
電話:02-6273-3244(代表)
FAX:02-6273-1848
メール:consular@cb.mofa.go.jp
大使館HP:https://www.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※豪州政府の政策等に関しましては,下記のサイトを参考にしてください。
豪州政府コロナウイルス専用サイト:https://www.australia.gov.au/
ACT政府コロナウイルス関連サイト:https://www.covid19.act.gov.au/
豪内務省コロナウイルス関連サイト:https://covid19.homeaffairs.gov.au/
豪内務省コロナウイルス関連サイト(日本語):https://covid19inlanguage.homeaffairs.gov.au/ja
豪保健省コロナウイルス関連サイト:https://www.health.gov.au/news/health-alerts/novel-coronavirus-2019-ncov-health-alert
※当館はACT(首都特別地域)を管轄しておりますが,それぞれの州政府の政策等に関するお問い合わせに関しましては,各総領事館にお問い合わせください。
https://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在メルボルン総領事館(VIC州,SA州,TAS州管轄)https://www.melbourne.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
https://www.brisbane.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在パース総領事館(WA州管轄)
https://www.perth.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※たびレジに簡易登録をされた方でメールの配信を停止・変更したい方は,以下のURLから手続きをお願いいたします。