5月8日,ビスカラ大統領は記者会見を行い,緊急事態令を5月24日まで2週間延長すると発表しました。同大統領及び閣僚の発言概要以下のとおりです。
1.ビスカラ大統領発言
(1)5月8日までに累計感染者数は61,847名(前日比3,321名増),現在病院で治療を受けている者は6,155名(175名増),そのうちICUで人工呼吸器の治療を受けている者は730名(8名増),累計死亡者数は1,714名(87名増)である。
(2)緊急事態宣言から54日目を迎え,3月15日に発令した緊急事態令の延長を繰り返してきたが,基本再生算数を1以下に引き下げるために(現在1強),さらなる努力が必要であり,5月24日(日)まで2週間の緊急事態宣言の延長を決定した。
(3)夜間外出禁止については,これまで午後6時〜午前4時までとしてきたが,5月11日から同開始時間を繰り下げて午後8時からとする。なお,ロレト州,トゥンベス州,ランバイエケ州及びラ・リベルタ州については現行の夜間外出禁止時間を維持する(午後4時〜午前4時)。
(4)これまでに新型コロナウイルスの感染源が市場,銀行,停留所であることを特定したことから,これらの場所について衛生的なコントロールを強化する。
(5)14歳以下の子どもについては,精神衛生のために、5月18日から大人一名が同行し一日30分間自宅から500m以内の外出を許可する。ただし,公園などで遊具の使用はできないなど,別途の衛生プロトコルが定められる。
2.バリオス生産大臣発言
(1)今後数週間の間にネット販売の開始に向けて零細企業等新たなセクターが経済活動を再開する予定。
(2)レストランのデリバリーサービスは今月末に開始される予定。5月11日に全てのセクターの活動が再開されるわけではない。
3.アルバ経済財政大臣発言
経済活動再開の第一段階で,1.4百万人の労働者が活動に戻ると予測している。
4.マルトス国防大臣発言
国民はワクチンができるまでウイルスとの闘いが続くことを理解しなければならず,それまでは様々な規則を遵守する必要がある。公共交通に関してより厳格なオペレーションが敷かれる予定である。現状に基づけば社会的隔離措置は5月末まで延長されるべきである。国防及び治安という観点からいえば,この社会的隔離措置は国民がウイルスと共存するための文化と習慣を身に着け,感染カーブが横ばいか下降するまで継続されるべきである。
5.バスケス通商観光大臣発言
(1)経済活動が一度に再開されることはなく,そのプロセスは非常にゆっくりとしたものになる。既に再開の目途がつきつつあるセクターはあるものの,例えばレストランデリバリーサービスについては2つのタイプのプロトコルが作成される。ひとつは全体に共通するもので既に作成を終えており,もうひとつはセクター毎の衛生プロトコルでセクターごとに随時公表される。営業するレストランはまず計画を提出し,承認されてから登録して営業が開始できるようになる。今月中に約25万のレストランが営業を再開するだろう。5月の末の段階で経済の70%程度が再開しているよう期待している。既にデリバリーサービスを開始しているレストランもあるがこれらは犯罪行為にあたる。
(2)経済活動再開の第一フェーズ(5月)では,観光に関し最低限の移動やホテルの営業のみ認められる。社会的隔離措置との関係でホテルの更なる営業が必要となる。観光については,まず国内の観光の再開が中心となり,国外からの観光再開は来年以降となる。
(3)第二フェーズ(6月)では,地域毎の感染を見つつ,衛生コントロールができている地域の間で国内陸空路輸送が再開されていく。国際輸送に関しては衛生状況次第であり,第三フェーズ(7月)になってようやく検討が行われるが,フライトの再開は感染を抑制できた国との間になる。困難な現状に鑑み,全ての支援は国内市場へと向けられることになる。既に一部の航空会社が航空券の販売を開始するなど先走った行為に出ているが,全ては感染状況を睨みつつ正式な形で措置が決定されてからの話となる。
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