●1月中旬よりエボニ州で疑い例含めラッサ熱罹患者139名,死亡者4名が確認されました。 また,オンド,コギなど他州へも拡がりを見せています。
●ラッサ熱は,例年乾季に流行し,昨年は患者数600名以上,死亡者数60名以上が報告されています。今年も南部州を中心に流行が始まり,今後の動向を注視する必要があります。
1 ラッサ熱の発生状況と現状
(1)1月18日付け報道によりますと,エボニ州に於いて,疑い例含めラッサ熱(Lassa Fever)の罹患139名,死亡者4名が確認されました。死亡者には医療従事者も含まれるとの報道があります。
(2)ラッサ熱は例年乾期に流行が見られ,昨年は全土で患者数600名以上,死亡者数60名以上が報告されました。本年もエボニ州をはじめ現在 オンド,コギの各州からも発生の報告が出ており,全国的な流行の兆しを見せています。今後の流行拡大の報道に注意してください。
2 ラッサ熱について
(1)感染源ほか
ラッサ熱はノネズミ(マストミス)の糞から経口感染し,乾季の野焼きでノネズミが拡散するため流行が起きるといわれています。そのため,水・食事に対する注意が必要です。
(2)症状
症潜伏期間は7〜18日間とされています。症状はインフルエンザと類似しており,発熱,頭痛,関節痛などで,症状から他の熱性疾患との鑑別は困難です。腹痛,嘔吐,下痢なども生じ,放置するとショックを生じ,その際の死亡率は20%ほどと言われています。
(3)治療
基本的に対症療法となります。とくに下痢・嘔吐による脱水が致命的となりますので,充分な補水,輸液が必要となります。治療薬としては抗ウイルス薬リバビリン(Ribavirin)が臨床経過の早い段階(6日以内)で投与されれば効果があるとされていますが,在庫のある病院は限定されているようです。感染の疑いありと思われる場合には,現地医師などに在庫の有無をご確認いただくとともに,大使館(医務班)にもご相談ください。
(4)予防
(ア)予防接種
現在のところ有効なワクチンはありません。
(イ)感染予防
経口感染ですので,水・食事は加熱処理をしっかりするなど充分に注意してください。ナイジェリアでは「Garri」というキャッサバの加工食品が広く食用とされていますが,今回汚染された「Garri」が原因となっているとの警告が発せられています。
感染したヒトからの飛沫感染(カゼの感染と同様)も起こします。今回医療職(医師や看護師を含む)の感染者が多く出ており,特に感染対策が不十分な病院での感染が比較的多いのではないかと考えられます。そのため発熱者や特に衛生管理の不備な病院には安易に近寄らないほうが良いでしょう。
3 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet)
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html(スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp(モバイル版)
(現地在外公館連絡先)
○在ナイジェリア日本国大使館
電話:090-6000-9019/9099
※国外からは(国番号234)90-6000-9019/9099
ホームページ:http://www.ng.emb-japan.go.jp/j/
世界の医療事情:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html
(了)