○ザンビア保健省は、ザンビア国内の炭疽アウトブレイクについて以下のとおり公表しました。
・ザンビア全土で335名の感染者、うち4名の死亡者が確認されている。
・炭疽はヒトや動物に関する重篤な感染症であり、早期に治療しないと重症化し、死に至る可能性のある感染症である。
・炭疽への感染を示唆する症状が出現した場合は、最寄りの医療機関をすぐに受診するようお願いしたい。
○感染予防の観点から、ゲームミートとして提供されるカバ肉などを食べないことや、路面での安い肉(流通経路が不明な場合が多いため)の購入を控えるなどの注意が必要です。
1 11月1日、ザンビア保健省のマセボ大臣は、ザンビア国内の炭疽アウトブレイクに関して緊急の記者会見を行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、会見内容の詳細については下記ザンビア保健省ウェブサイトを参照ください。
(1)炭疽はヒトや動物に関する重篤な感染症である。炭疽菌は炭疽芽胞(当館注1)として土壌中に存在しており、家畜や野生動物が最初に感染し、感染した動物や汚染された動物性食品を摂取すると感染する可能性がある。
(2)炭疽は1日〜2か月程度で発症し、早期治療しないと全身に広がり、重症化し、死に至る可能性のある感染症である。
(3)炭疽には、皮膚炭疽、肺炭疽、腸炭疽及び注射炭疽の4つの病型が知られている。皮膚炭疽が最も一般的な感染で、肺炭疽は最も致命的な感染である。
(4)治療には抗生物質や抗毒素など含めた治療法がある。重篤な場合は、入院の上で、人工呼吸器なども含め十分な訓練を受けた医療従事者による加療が必要となる。
(5)炭疽には18歳〜65歳に対して認可されたワクチンがあり、炭疽に接触する危険性のある人にのみ接種できるが、残念ながらザンビアは入手できない。
(6)炭疽はザンビア全土で335名に感染、うち4名の死亡者が確認されている。
ア 南部州: 269名の感染、うち2名の死亡者
イ 西部州: 19名の感染
ウ 東部州: 30名の感染、うち1名の死亡者
エ ルサカ州: 13名の感染
オ 北西部州: 1名の感染
カ ムチンガ州: 3名の感染、うち1名の死亡者
全ての感染者が皮膚所見を有し、一部には嘔気、嘔吐、発熱、胸部不快感や呼吸困難感を呈している。
(7)私たちは、炭疽の蔓延を食い止め、予防するために「One Health Approach」に従い、様々な公衆衛生対策を実施している。
(8)炭疽への感染を示唆する症状が出現した場合(当館注2)は、最寄りの医療機関をすぐに受診するようお願いしたい。
(当館注1)炭疽芽胞は熱しても冷凍しても生き延びるため、家庭やレストラン等での一般的な調理過程で取り除くことは不可能です。
(当館注2)炭疽においては、皮膚炭疽が最もよく見られる型です。小さな膨らみを伴った湿疹からから小水疱となり、その後に小水疱が破裂して黒い痂皮(かさぶた)を伴った潰瘍へと進行します。一般的に痛みは少なく、掻痒感を伴うことが多いとされています。また、感染部位は永久瘢痕となることも知られています。肺炭疽(いわゆる風邪症状で発症)や腸炭疽(悪心・嘔吐、発熱などで発症)は、発症初期には特徴的な症状がないため、感染しうる可能性のある行動に覚えがある場合は、最寄りの医療機関受診をお勧めします。
2 ザンビア国立衛生研究所(ZNPHI)関係者によると、ザンビアでは毎年乾季の最後の時期に、数例の炭疽感染者が記録されているようですが、当館の調べた範囲内では今年のような大規模な炭疽アウトブレイクは2011年が最後となっています。その際の原因は、炭疽菌に感染して死亡したカバ肉を食べた人、あるいはそのカバの死骸を処分したことによる感染で500人超の感染者を記録しています。
炭疽に関しては、感染者の多い南部州に限らず、ルサカ州も含めて国内各地で感染者が確認されていることから見ても、感染の危険性は身近に迫っていると言えます。ゲームミートとして提供されるカバ肉などを食べないことや、路面での安い肉(流通経路が不明な場合が多いため)の購入を控えるなどの注意が必要です。
【参考】
■ザンビア保健省ウェブサイト
https://www.moh.gov.zm/?p=3366
https://www.facebook.com/mohzambia/
■厚生労働省検疫所ウェブサイト
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name52.html
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