感染症関連情報：マールブルグウイルスの検出

　3月23日、国立公衆衛生研究所(ZNPHI)は隣国のタンザニアでマールブルグ病（当館注1）の発生が確認されたこと及びルサカ州Chongwe地区のLeopards Hill Caveでフルーツバットからマールブルグウイルスが検出されたことをHP上にて発表しました。

ザンビアとタンザニアの間は人の往来が激しいため、国境を越えた感染の可能性があります。ザンビアでは、ルサカのChongwe地区のLeopards Hill Caveでフルーツバットからマールブルグウイルスが検出されました（当館注2）。

・コウモリからウイルスが検出されたものの、人での感染例は報告されていません。

・コウモリは、潜在的に有害なウイルスを多く保有しています。コウモリに触れる可能性のある活動をすると、ウイルスに接触する危険性が高くなる可能性があります。しかし、全体的な感染リスクは低いと考えています。

・この洞窟からマールブルグウイルスが検出されたため、詳細が判明するまでは、このエリアへの立ち入りを控えることをお勧めします。この勧告は、慎重を期してなされたものです。

・もし、潜在的な症状や暴露について懸念がある場合は、医療施設へ相談してください。

マールブルグは、エボラ出血熱と同じウイルス科（フィロウイルス）のウイルス性出血熱です。マールブルグウイルスがコウモリからヒトに伝播することは稀と考えられていますが、可能性はあります。ヒトへの感染は致死率が高く（致死率23-90％）、マールブルグウイルスに対する治療法はありません。

Leopard's Hill Cave（ルサカ市内から車で約1時間のChongwe地区）には、詳細がわかるまでは訪問を避けてください。

　ZNPHIは、洞窟の調査、一般市民向けの同様の情報発信の準備、人的リスクの調査を行っています。詳細な情報が入手でき次第、お知らせします。

上記のことから在留邦人の皆様におかれましては、専門家以外のLeopards Hill Cave又はChongwe地区への安易な立ち入りをお控えください。

当館注１

マールブルグ病は、エボラ出血熱同様に致死率が極めて高いウイルス性出血熱で、日本では１類感染症に指定されています。下記も参照ください。

当館注2

JICAの人獣共通感染症研究プロジェクトにおいて、ルサカ市内で2018年と2022年（論文未発表）に捕獲したコウモリからマールブルグウイルスが検出されている旨の情報提供を受けております。

2018年の発表論文

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