在留邦人の皆様へ
皆様、こんにちは。在ベルギー日本大使館です。
最近、当地において置き引きやスリ、空き巣などの盗難被害に遭われる方が多発しています。
ご参考までに最近、当館に被害の報告があった事例をご案内すると共に、そうした被害に遭わないための対策などについて、ご案内いたします。安全で快適な当地ご滞在の一助となれば幸いです。
1 スリ・置き引き被害
(1)多発場所
●Central駅、Nord駅、Midi駅(駅構内の飲食店内、及び国際線を含めた列車内を含みます)
●Merode駅エスカレーター付近
●Maalbeek駅周辺
●Grand-Place周辺全域
(2)典型的な手口
●「急に話しかける」、「クリームやペースト状のものを衣服に付着させた上でそれを指摘し、拭く等の手伝う素振りをする」、「小銭をばらまく」、といった、不意に注意を逸らすような行動をとり、気を取られている間にハンドバッグやリュックサックの中から貴重品を抜き去る。
●列車内の上部網棚に置いた荷物をそのまま(或いはその中から貴重品を)盗み取る。
●エスカレーターに乗っている際、後部から静かに忍び寄りハンドバッグ等を開け、貴重品を盗み取る。
●駅のホームにて、或いは列車内のドア付近でスマートフォンを操作していた際、列車の扉が閉じる瞬間にスマートフォンを奪い盗る。
●列車等の乗り物内やレストラン、ファーストフード店、カフェテリアにて、空いている隣の席や、自身が着座している椅子の背もたれ部分、足下等に置いた荷物をそのまま、或いは中から貴重品を盗み取る。
(3)被害に遭わない為の対策・心構え
(ア)スリや置き引きは複数の者が、それぞれの役割(気を逸らす役、親切心を装って手助けする役、荷物を開ける役、盗み取った貴重品を走って持ち去る役など)を分担して犯行に及ぶケースが殆どです。そうした傾向を踏まえ、「急に話しかけてくる人」には、「こちらの注意を逸らせよう」とする意図があることを常に意識して、慌てず、相手にせず速やかにその場を離れることが大切です。
(イ)リュックサックや大口の肩掛け鞄などは、身につけたままの状態で勝手に口を開けられ、中を物色されても中々気づきにくいものです。また、両手に大きな荷物を持って運搬している最中は注意力が散漫となり、身につけている肩掛け鞄などへの意識は低下しがちです。スリはそうした、窃取しやすい状況にある人を見抜き、犯行に及びます。そうした観点を踏まえ、(スリ多発場所では尚更に)その時のご自身が狙われやすい状況にないかどうか、いつも「客観的な視点」を持つ習慣を身につけるようにしてください。
(ウ)乗り物やレストランの空席に荷物を置く(ホテルのビュッフェで席取りの意味合いとして荷物を置く)、椅子の背もたれにハンドバッグを掛ける、列車の網棚に荷物を置いたまま居眠りする等、日本で日常的に行われていることであっても、当地では、窃盗犯に自ら荷物を差し出しているのと同様の、危険な行為です。海外では日本の安全意識は通用しません。貴重品の入った荷物は肌身離さず持ち歩く、施錠できる鞄は必ず施錠する、空席等に置く場合には、持ち手の一部を常に掴んでおく等、置き引き被害防止のための基本的な所作を励行してください。
(エ)盗難被害に遭う可能性を極小化するために、できる限り上記の多発場所には近づかない、出掛ける際は貴重品は一つの荷物にまとめずに分散する、持ち歩く現金やカードは最低限必要なものに限定するなど、自衛のための対策を徹底してください(パスポート、現金、全てのクレジットカード類の入った財布、携帯電話などを一つの鞄に入れていたため、鞄を盗まれ立ち往生するというケースが増えています)。
2 空き巣
(1)多発場所
●Auderghem地区
●Etterbeek地区
(2)典型的な手口
●出張や外出にて留守の間、玄関扉を破壊したり、サッシ窓のガラスを破壊する等して室内に侵入、貴金属類や電化製品などを窃取する。
●住居スペースのみならず、地下等にある物置スペースがある場合、同物置の扉を破壊し、保管物品を窃取する。
(3)被害に遭わない為の対策・心構え
(ア)当地での空き巣は、窃盗を企てる複数の者が特定の地域で複数件、短期間にまとめて侵入する形態が多いようです。そのため、お住まいの住居付近で空き巣被害があった等の情報に接した場合には、窃盗団がまだ近くに潜伏して様子をうかがっている可能性を想定し、しばらくの間は通常以上に警戒を強めて下さい。
(イ)一般に、一軒家よりもマンションの方が開口部が少ない分、防犯性は高いと言われています。マンションにお住まいの方は、数少ない開口部となるオートロック扉や玄関扉等の堅牢性を確認し、仮に不十分と考えられる場合(例えば玄関扉が木製で破壊が容易と思われる場合など)には、家主や管理会社等とも相談の上、可能であれば鉄板入りの扉に交換するなど、具体的な対応をとることで、防犯性をより高めることが可能となります。
(ウ)お住まいの物件が工事等にて足場が組まれている場合、それを足がかりに空き巣が高層階まで侵入することがあります。その場合、家主や管理会社に対しては防犯上の観点から、早めに足場を撤去してもらうよう、申し入れることをお勧めします。
(エ)ご出張等で留守の状態が続く場合には、タイマー等を用いて夜間は室内灯をつけることで、空き巣対策の一助となります。
(オ)普段、頻繁には出入りしない自宅地下倉庫等についても、定期的に見回りをすると共に、上記(イ)の観点から扉の堅牢性などを確認し、脆弱であれば然るべく対策を講じられることをお勧めします。
3 大使館領事部からのお願い
(1)当館としては、在留邦人の皆様や、ご旅行・ご出張にて当地に短期間滞在される皆様の安全を確保するために、特に邦人の方が対象となったスリや置き引き、空き巣被害等について、情報を収集・分析し、その結果、顕著な傾向等が見受けられた場合には皆様に注意喚起のお知らせをすると共に、必要に応じて管轄の警察にも善処方申し入れを行う等、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
(2)つきましては、こうした被害に遭われた際には、仮にパスポートの再発行が不要の場合であっても、概要なりとも以下の連絡先にご報告を頂けましたら幸いです(匿名でも結構です)。ご報告頂いた情報については厳重なプライバシー管理のもと、情報分析と今後の対策に役ただせて頂きます。
【お問い合わせ先】
在ベルギー日本国大使館
住所:Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles, Belgique
電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)
Fax :(02) 513-4633
ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html
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