ワクチン接種の進捗状況

4月21日、ルクセンブルク政府は、今後の新型コロナ法改正の予定やワクチン接種の進捗状況等について記者会見を行いました。概要は以下のとおりです。

1 ワクチン接種の進捗状況

 現在政府は、日々の余剰ワクチンの接種を希望する人々のためのウェイティングリストを準備中である。現時点では一日に余る量が5回分程度の日もあるが、今後ワクチンの配達が進むにつれて余るワクチンの量も増えることが見込まれる。リストの登録者は、登録が早い者から順番に対象となり、ショートノーティスでのワクチン接種の案内に対し対応が可能である旨合意する必要がある。

 別途、4月16日にも発表したとおり、当国在住の30〜54歳の人はアストラゼネカ社ワクチン接種のため任意で登録を行うことが可能となる。この登録はImpfen.lu上で4月21日18時から受付が開始される。

 4月21日時点で、アストラゼネカが48,000回分、モデルナが19,000回分、そしてジョンソン・エンド・ジョンソンが2,400回分当国に配達される見込みである。今後予定どおり配達が実施されれば、今後1か月でさらに10万人のワクチン接種が可能となる見込みである。既に約12万人の人々が第1回目のワクチン接種を完了しており、46,000人が2回目接種まで完了している。当国に届いているワクチンのうち81.3%が接種済みとなっている状況である。ここ数日間は、毎日1,000人以上へのワクチン接種を行った。4月19日にファイザー社ワクチンの配達があったため、本日以降は接種数が増えるだろう。

 本日、ワクチン戦略第5フェーズに該当するうち26,000人がワクチン接種の案内状を受け取るだろう。また、既に実施中のフェーズに該当する13,000人に対しても、案内状が送付される予定である。第5フェーズは来週の終わりには終了する見込みである。

 アストラゼネカ社ワクチンの接種に関し、閣議において、EMAがアストラゼネカ社ワクチンの使用を推奨している限り、30〜54歳の人々への任意での接種登録を受け付けることを決定した。2.4〜5%の人がアストラゼネカ社ワクチンの接種を拒否しているため、ワクチンの用意はできるだろう。

(レナート保健大臣発言概要)

2 感染者の傾向等

 周辺国において新規感染者数が増加していく中、当国において数字が一定に保たれているのは前向きな指標である。75歳以上の年齢層の新規感染は減少しており、ワクチンの明白な効果が確認できている。現在の新規感染者の平均年齢は36歳である。

 病院においては高齢者の入院が減少しており、若者の入院が増えている。これは変異株の影響とも考えられる。特に過去3週間において、入院患者の平均年齢からこの傾向が見られた。そのうち4分の1の人が集中治療室に入っていたが、現在は3分の1に増加しており、若者の方が重症化しやすいことを示しているのかもしれない。

 高齢者ホームについては、利用者及びスタッフともに状況は改善されている。

 イースター休暇の影響はまだ出ていない。国外に渡航した者も多く、その影響が後日出てくる可能性がある。

 死亡率に関しては、平常時の死亡率とされる80人/週のレベルに到達した。罹患率は、1週間で、住人10万人中200人という高い水準が続いている。

 状況は現在も危機的であることから、最近天候がよくなってはいるが引き続き注意を呼びかけたい。ワクチン接種が終了していない以上リスクは存在しており、我々はパンデミックから皆一緒に抜け出さなくてはならない。ワクチンによる良いインパクトが見られた今、我々は慎重に、少しずつ緩和に向かっていくことができるだろう。次の緩和のステップは既に計画中であり、我々は楽観的に先を見ている。

3 ワクチンの副反応

 それぞれのワクチンの副反応について、保健省はよりアクセスしやすい情報を公開することを決定した。これらの副反応を知ることは重要であり、我々は一般に公開できるようにしていく。これまでワクチン接種をした人のうち1%(1,125人)に最低でもひとつの副反応が発生しているが、そのうち98%は重症にはなっていない。より重い副反応が見られたケースは129件あり、そのうち13件は入院を要するものであった。また、74歳〜94歳の男性2名及び女性1名の計3件、死亡が確認された。1件、致命的な血栓症が確認されたが、この74歳女性の検死はまだ完了していない。国内において、ワクチン接種後の血栓症発症は計7件確認された。

 すべてのワクチンについて副反応は確認されたが、もっとも多かったのはファイザー/ビオンテックであり、1,000件中10件の割合で副反応が見られた。アストラゼネカとモデルナについては、1,000件中2件の割合であった。

4 質疑応答

(1)(ワクチンの副反応や死亡のケースについて、責任の所在は明らかになっているのか。)責任は明確に規定されている。欧州委員会の交渉では、製薬会社が責任を回避できないことが重要とされていたが、これは会社側が製造物責任の原則に従うことを意味する。生産者は、提供する製品が約束されたものと一致することに責任がある。また、ワクチンを投与する側にも責任がある。また、生産者の責任なのか、ワクチンを投与した者の責任なのかがはっきりしないような損害の場合には、国家の責任が残ることになる。これは、国民の安全に対する国の責任として残されているものである。死亡例の調査は継続中であり、まだ不明な点もある。しかし、このような重篤な副反応は非常に稀である。

(2)(アストラゼネカ社ワクチンは、任意リストの登録者のみに接種されるのか。)登録者以外への一般のワクチン接種でも接種される。ワクチンはEMAによって承認されたものであり、我々は使用を中止することよりも使用することの方がリスクは小さいと判断している。

 在留邦人の皆さま及びご旅行中の皆さまにおかれましては、今後も政府発表や報道、下記サイト等を通じて最新情報の収集に努めてください。

ルクセンブルク保健省(新型コロナウイルスに係る最新情報)

http://sante.public.lu/fr/prevention/coronavirus-00/index.html

■在ルクセンブルク日本国大使館新型コロナウイルス関連情報サイト

https://www.lu.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00017.html

(ご連絡先)

ルクセンブルク日本国大使館

TEL: (+352) 46 41 51-1

e-mail:consulate.embjapan@lx.mofa.go.jp

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