新型コロナウイルス感染新規症例の発生(8日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本8日,ベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに591件確認され(フランダース地域:362名,ワロン地域:143名,ブリュッセル:57名,居住地不明:29名)その結果,当地での確定症例数は52,011件となりました。

また,3月15日から昨日までの間に,13,201名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は221名)しました。

死亡者数は以下のとおりです。

(1)過去24時間の合計:107名(病院における死亡者39名,老人ホームにおける死亡者63名)

(2)これまでの合計:8,521名(内訳:病院における死亡者4,041名(確定症例3,870名(96%),疑い例171名(4%)),老人ホーム等における死亡者4,389名(確定症例874名(20%),疑い例3,515名(80%))、自宅22名,その他の場所36名、不明33名)

昨日現在,病院のベッドについて,2,555名の感染者(過去24時間で144名減少)が利用しており,そのうち508名が集中治療室(過去24時間で34名減少),339名が人工呼吸器を利用している状況です。

昨日の検査実施数は21,908件,昨日までの検査総数は515,233件(うち老人ホームは212,841件)です。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/tendance-a-la-baisse-se-poursuit-pour-tous-les-indicateurs/

(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)

https://covid-19.sciensano.be/fr/covid-19-situation-epidemiologique

2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。

(1)人々の間でのウィルス伝染状況の追跡,及び措置解除の影響に関する提言の実施を可能とする以下の2つの指標について説明する。

(ア)国内の公務員(83000人が対象)の病欠数(図1:https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_chart10.html)。本年の数値を2018年及び19年と比較することでコロナの影響が分かる。全ての病欠がコロナに関係するとは限らないが,今年の最近の時期の上昇分はコロナの影響を示し得る。3月初旬に突然の上昇が観察されるが,現時点では2018年及び19年と同じレベルにまで下がっている。それゆえ,この指標による傾向は正しい方向性を示すものであり,今後も注視していく。

(イ)インフルエンザ症候群(と思われる病気,コロナも含む)と診断された人数(図2:https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_chart11.html)。毎年,冬季からインフルエンザの流行が終わる3月末か4月初旬頃まで,高い数値となっている。今年(赤線)は例外的に長く継続した。なぜならば,コロナの典型的症状の中には,高熱,悪寒,咳,筋肉痛等,インフルエンザの症状と非常に近いものがあるため。

ベルギーでは現時点(18週目)で,今年のインフルエンザの流行は実質上終わっている点を勘案すると,9週目以降の数値の再上昇は,人々の間におけるコロナ伝染拡大に関連していることがほぼ確実。先週(17週目)には,国内の全ての地域,全ての年齢層において数値が下がっており,肯定的な傾向を示している。この指標による傾向も正しい方向性を示している。

(2)資料中の図の説明

(参照アドレス:資料ダウンロードアドレス)

https://d34j62pglfm3rr.cloudfront.net/downloads/news/numbers_20200508_FR.pdf

(グラフ2.2)新規感染者数。重要なのは日々の感染者数を見ることではない。データが揃っている過去3日分(5/3-5/5)に関し,それぞれそれまでの1週間の平均値(緑色の線)に比べた増減の割合を見ると,いずれも減少傾向にあり,5/5の増減率は-5%となっている。

(グラフ2.3)新規入院者数。各日毎の1週間の平均値(緑色の線)は下降し,よい方向に向かい続けている。5/7の増減率は-6%。

(グラフ2.4)集中治療患者数。各日毎の1週間の平均値(緑色の線)は下降し,5/7の増減率は-5%。医療の現場が飽和状態となるといった問題は近い将来起きないと見られる。

(グラフ2.5)死者数。各日毎の1週間の平均値(緑色の線)は下降しており望ましい傾向と言える。5/5の増減率は-5%。

(3)今後,以下の2つの点に留意することが重要。

(ア)初期症状(symptome percoce):コロナに感染したかもしれないと考えるべき症状として,高熱,咳,呼吸困難等のよく耳にする症状に加え,強い倦怠感,筋肉痛,味覚・臭覚異常といった症状を忘れるべきでない。ベルギーは,特にこの味覚・臭覚異常の症状について研究が進んでおり,初期症状の一つと認定した最初の国の一つ。または,数日続く原因不明の下痢といった症状も見られある。

(イ)もしこれらの症状がある場合,それまでに接触した人の追跡が重要となる。というのも,それらの人々が他の人を感染させる可能性があるため。ベルギーでは,数十年来,麻疹に感染した子どもや,結核に感染した子ども・大人を(感染拡大予防の観点から)追跡するために,良い技術的手法が用いられているが,その手法は有効であることがこれまでに証明されている。コロナに関しても,より多くの資金を投入して,同じ手法を拡大して適用・実施する予定。

まず,コロナの症状が見られたら,自宅に籠もり,かかりつけ医に電話で連絡をする。医師は,コロナの症状に合致するかどうかを判断し,口腔部や鼻の裏側の上気道にコロナが付着しているかどうかを見るため,同医師のところに来診して検査するか,検査機関で検査を受けるよう告げる。同検査は,定められた日時に行われることになるが,マスクを着用して外出することが許可されるのはこの検査を受ける時のみ。結果が出るまで,24〜48時間待つことになる。家族と同居している場合,基本的に濃厚接触をしているはずであり,症状が出て検査を受けるまでの数日間は高リスクの期間と見なされ,1.5メートルの社会的距離が保たれずに長い間同じ室内にいたであろうから,それらの家族も自宅で自己隔離しなければならない。

検査で陽性と診断された場合,医師はコールセンターに患者の連絡先電話番号を通知し,コールセンターから患者に直接連絡がくる。ベルギー国内のコールセンターの番号は一つのみ,どこからかける場合でも同一の番号となり,その番号は02-214-1919。SMSの番号は8811。コールセンターには,情報提供を求めたり,関連の質問をする権限が与えられており,過去48時間に患者が接触した人の情報を尋ねてくる。というのも,この期間が最も他人を感染させやすい期間であるため。検査を受けた人は,診断結果が出るまでに接触した人の氏名・住所等のリストを作成することを勧める。陽性の場合はこのリストをコールセンターに提出することになる。陽性と診断された者は自宅にこもり,医師がその後の病状をフォローする。

多くの人が,コールセンターの守秘義務,すなわち,収集データが漏出するおそれについて懸念しているであろう。まず,このセンターで対応にあたる職員は,適切な訓練を受けており,情報を漏らすことはない。データベースはベルギーの公衆衛生当局が安全に管理し,不正アクセス可能な場所には置かれない。また,情報は,医師の守秘義務によって守られる。そのため,感染している可能性のある人を特定する目的以外には拡散・配布されたり使用されたりすることはない。個人データの扱いに関し,追跡システムの有効性及び安全性について理解してほしい。

(4)この日曜より,接触しても良い人数が拡大し,世帯間の接触が可能となる。接触できるのは最大4名とされるが,この措置の主な目的はウィルス伝染を回避すること。多くの人は,家族や友人に会うことを願っているが,他方で4人を上限として必ず誰かに会わなければならないというものではなく,心配なようであれば誰にも会う必要はない。各個人は,社会でウィルス伝染を拡大しないよう努力することが求められ,警察による監視等はないため,自分の意思で行動を制限しなければならない。

接触可能な最大4名以外のより多くの人や他のグループに会うことは許されない。野外でのスポーツ等の活動も許可されており,(これまでは同じ住居の2名のみであったが)この4名に含まれる別の者が参加することも可能となる。他方,4名の中に,コロナに対してより脆弱とされる高齢者が含まれる場合もあるであろうが,それはかつて見られたように小さな子どもの面倒を見てもらうためではない。特に高齢者を感染させないため,社会的距離を保つなど,他者に対してよりも更に用心深く注意することが重要。

ある世帯またはグループの各構成員がそれぞれ別の異なる世帯・グループを訪問することはできない。例えば,ある家庭の各構成員は,上限4名の同じ人々にそれぞれ会うことはできるが,各構成員がそれぞれ別の異なる4名に会うことはできない。この措置が守られなければ,ウィルス伝染を急速に拡大させることに繋がる。措置を守ることで第2波を回避することが可能となる。

(5)(4人構成の家族が,家族Xの2名及び家族Yの2名に会うことは可能かとの問いに対し)重要なのは,会う人の数を可能な限り制限すること。仮に4人の家族内で誰かに会うことを決める場合には,会う対象が4人,あるいは2人,3人,1人であったにせよ,それが誰なのかをきちんと定め,対象者を限定する必要がある。家族構成など,家族によって状況は大きく異なる。質問への回答としては,4人構成の家族は,家族Xの2名と同じタイミングか否かによらず,家族Yの2名と会うことは可能。だが常に,家族X及び家族Yの同じ2名でなければならず,家族Xあるいは家族Y内の他の構成員や別の家族に会うことはできない。

(6)(抗体検査は,措置解除の戦略においてどのように位置づけられるか,感染後に獲得された免疫の持続期間や強度について何か情報はあるかとの問いに対し)抗体検査は,特に伝染が拡大した場合の感染症をフォローする際,これまで通常,広範に用いられてきた手続きの一つであり,人口全体でどれだけの人が感染したかを見たり,またどれだけの人が最終的に(免疫により)保護されるかを評価することが可能となる。ベルギー国内で献血した人の検体を調べたところ,人口の少なくとも3〜4%が抗体を有していると推定され,最近の研究ではその数値は6%にまで上昇しているが,まだ低い数値にとどまっている。

抗体検査の利点としては,PCR検査で陰性と診断された患者が,2〜3週間後にコロナの抗体を獲得していたなど,検査では陰性でも感染が疑われていた者が,後に感染していたことが確認されたケース等が挙げられる。また,様々な職場での健康診断の際にも有益となるであろうし,特に,感染リスクに晒されているが症状のない医療従事者にとっても有益であろう。高齢者等,よりリスクの高い特定の属性グループの(免疫による)保護の割合を評価するのにも役に立ち得るし,特定のグループが抗体を獲得したかどうかを見るためにも抗体検査は重要となる。

免疫の持続期間については何も分かっていない。コロナ伝染が拡大し始めたのは2019年末または2020年初頭のことであり,免疫が数年またはそれ以上持続するかどうかについて現時点では不明。抗体保有者が仮に再感染した場合,抗体のない人に比べ症状はそれほど悪化しないと考えられるが,詳細が判明するまでに数年はかかるであろう。免疫の持続期間や強度について知るには現時点では早すぎる。

(7)(最初の措置解除の影響について何らかの兆候は見られるかとの問いに対し)措置解除は数日前に開始されたばかりであり,最初の兆候が見られるまでに少なくとも5〜6日はかかる。ウィルス性呼吸器感染症の場合,入院者数の指標に現れるまでに更に多くの日数がかかる。そのため,明らかな影響を見るにはまだ早い。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/fr/live-pressconferences/

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