新型コロナウイルス感染新規症例の発生(21日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本21日,ベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに973件確認され(フランダース地域:389名,ワロン地域:511名,ブリュッセル:60名,居住地不明:13名)その結果,当地での確定症例数は40,956件となりました。

また,3月15日から4月20日までの間に,9,002名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は107名)しました。

死亡者数は以下のとおりです。

(1)24時間の合計:170名(病院における死亡者89名,老人ホームにおける死亡者80名)

(2)これまでの合計:5,998名(内訳:病院における死亡者2,805名,老人ホーム等における死亡者3,108名(確定症例124名(4.0%),疑い例2,984名(96%))、自宅0.4%,その他の場所0.4%、不明0.7%)

20日現在,病院のベッドについて,4,976名の感染者(過去24時間で56名増加)が利用しており,そのうち1,079名が集中治療室(過去24時間で8名増加),777名が人工呼吸器を利用している状況です。

20日の感染検査実施数は5,214件です。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/172-nouvelles-hospitalisations/

(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)

https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Pages/2019-nCoV_epidemiological_situation.aspx

2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。

(1)コロナの感染経路に関する新たな研究結果について,重要なメッセージをお伝えしたい。ある人が陽性と診断された場合,感染の兆候が現れる少し前の段階で,既に別の人を感染させている可能性がおそらく高い。そのため,感染者は,周囲の人や接触した人に対し,彼らが自宅で自己隔離し,その間に必要な治療を行うことが可能となるよう,速やかに感染について知らせることが極めて重要。

そうすることで,既に発生した感染が新たな感染の連鎖となるのを未然に防ぐことが可能となる。また,同研究結果によると,感染者は,兆候が見られなくなってからも別の人を感染させることが明らかとなっている。コロナ感染と思われる兆候が見られる人は,他者への感染を防ぐため,必ず自宅にとどまり,近くで接触した人にできるだけ早く知らせるなければならない。これは,個人としての責任である。

(2)(ここ数日,複数のウィルス学者が,ベルギーで適用されている1.5メートルの社会的距離の妥当性について疑義を呈している,この数値は何の根拠に基づくのか,他国で推奨されている距離はどのくらいか,それは十分な距離か,自己防御するのに理想的な距離はどのくらいかとの問いに対し)ウィルスは,飛んだ唾のような,大きな飛沫により伝染する。大きな飛沫には多くのウィルスが含まれる。この大きな飛沫は通常,1〜1.5メートルの距離で地面に落下する。人が普通に話をして唾が10メートル飛ぶことはない。

飛沫には大きなものとより小さなものがある。小さな飛沫は,ウィルスの量は小さく,より短い距離で地面に落下する。最近,WHOがこの小さな飛沫について研究を行った結果,ウィルス伝染においては大きな役割を果たしていないことが示された。ベルギー当局が示した1.5メートルの社会的距離を守ることで,伝染を大きく阻止することがこれまで可能となっている。

医学において,リスクゼロは存在しない。仮に15メートルの距離を取ったとしても,リスクは大幅に軽減される(がゼロにはならない)。しかし,15メートルの距離をとることは常に必要ではないし,可能でもない。他国も同じ1.5メートルの社会的距離を採用しており,中には米国の1.8メートルのように,多少距離を長くしている国もある。重要なのは,より多量のウィルスを含む大きな飛沫が主な媒介物となっており,この大きな飛沫は1メートルを超えると地面に落下するという点である。

(3)(飛沫に比べて,エアロゾルはどうか,感染の可能性はあるかとの問いに対し)エアロゾルとは小さな飛沫のことを指す。ウィルスを含むので伝染し得るが,ウイルスの量はより少なく,その役割については現在議論されている。現段階で,ウィルス伝染において大きな役割を示すとの確証はなし。

(4)(WHOのソリダリティ(連帯)プログラム等のように,ベルギーはコロナ感染の臨床研究への参加が予定されているかとの問いに対し)ベルギーは現在,コロナ感染治療のいくつかの薬の効用を評価するための多くの臨床研究に参加している。ベルギーはこれまで,多くの研究において主導的役割を担ってきた。WHOのソリダリティプログラムは,現在ベルギーで行われている研究の一つ。多くの国の参加や参加者を得るのが重要なのは,新たな治療法が試される患者の数がより早い段階でより多くなることで,治療法について評価する際に結果の信頼性,確実性,質が向上するため。それゆえ,ベルギーは他の多くの国と同様,国際的連帯の試みに参加している。

(5)(ベルギーは,エクヴィヨン(ecouvillon)等のウィルス感染検査に必要な物資の備蓄は十分かとの問いに対し)エクヴィヨンとは,感染が疑われる者の鼻へのウィルスの付着を確認するための検査キットを指す。他のものも含め,コロナ感染に対応するために必要な物資を確保するのが難しい時期もあった。現在では,国内での関係者の努力により,サプライチェーンを統合することができ,問題は解決している。同時に我々は,エクヴィヨンを数万個生産するためのキャパを増強しており,状況は改善されている。

(6)(誤って陰性と診断されたケースは多くあるか,どう説明されるかとの問いに対し)コロナ感染の初期の段階において,鼻や口腔部に多くのウィルスが付着していることがあるが,PCR検査の実施により,ウイルスが多く付着しているかどうかの検知が可能となる。中には,感染の初期にウィルスが肺にまで感染し肺炎の兆候を示すことがある。この時に鼻からウィルスの検体を採取しようとすると,肺ではウィルスが多量に存在する一方で,鼻ではウィルスが既に消滅したかごく微量しか存在しなくなっていて,検体が採取できずに検査を失敗する(陰性と判断する)ことがあり得る。このような時,病院では,PCR検査のみでなく追加で肺のCT検査を行う。この2つにより,適切な診断を下すことが可能となる。

*****************

■■滞在状況アンケート実施中です!お済みでない方はこちらから■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4oPasoBCBkkcmqqKs0VZek94YyQW0jYpdcr1fSJxL_jYfRA/viewform

*****************

■■領事メールのバックナンバーはこちらから■■

https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_merumaga.html

*****************

■■新型コロナウイルスに関する「風評被害」を受けた方は,こちらまで■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhpL1ReY0hfydCMksXdJMEzztfC0XsQErx5TDcOaQ8tHr8CA/viewform

*****************

【お問い合わせ先】

在ベルギー日本国大使館

住所:Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles, Belgique

電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)

Fax :(02) 513-4633

ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html

※「たびレジ」簡易登録をされた方でメールの配信を停止したい方は,以下のURLから停止手続きをお願いいたします。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/simple/delete