ウクライナにおける新型コロナウイルス感染症の流行状況

【ポイント】

●現在ウクライナにおいては、9月以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大(第4波)が、これまでに無い大流行となっています。一部地域では、既に病床不足、酸素不足、スタッフの疲弊などで新型コロナの医療体制が逼迫しています。

ウクライナ公衆衛生センターが発表するRt(実効再生算数)は、この1か月間1.2前後で推移しており、感染拡大がまだ暫く続く見込みです。

●現在ウクライナ渡航・滞在を予定されている方、及び、既に滞在中の方は、ウクライナ当局が発表する検疫規制を遵守するとともに、ご自身の対策として、マスク・手指清潔・換気等に加えてゼロ密(密接・密集・密閉)を心掛けることが肝要です。

【本文】

1 ウクライナの状況

(1)夏に一旦下火となった流行が、9月以降急増に転じ、10月中旬には各日2万人を超える新規陽性者が報告されています。死亡数についても、10月26日の発表は734人とこれまでで最多となりました。現在の第4波は、これまでで最大の流行で、主にデルタ株によるものとされています。

(2)重症化し入院治療を要する患者が急増したことで、一部地域では、既に病床不足、酸素不足、スタッフの疲弊などで新型コロナの医療体制が逼迫しています。また、報道では、重症化しても十分な治療を受けられない地域もあると報じられているほか、新型コロナ以外の医療にしわ寄せが及ぶ恐れも出てきました。また、キエフ市は、10月中旬以降、各日の新規報告数が千人を超え、直近の十日間では各日平均30人程の方が亡くなっています。更に、コロナ入院患者数は5か月ぶりに3千人を超えました。キエフ市当局は、この春3〜5月の流行時と同様のレベルまでコロナ指定病院・病床を増やし入院増に対応しています。

(3)ウクライナ公衆衛生センターが発表するRt(実効再生算数)は、この1か月間1.2前後で推移しており、感染拡大がまだ暫く続く見込みです。9月時点では、チェルニウツイ州などの西部州が流行を先導しましたが、現在新規報告数が多いのは、リヴィウ州、オデッサ州、ヘルソン州、ザポリッジャ州、ドニプロペトロウスク州、ハルキウ州などです。ウクライナ政府は、検疫措置を強化するとともに、公務員や教員へのワクチン義務化などを導入し、ワクチン接種数を大幅に増やすことで、流行の押さえ込みを計っています。

2 ウクライナにおける各種規制の導入等

 ウクライナの感染状況に応じた各州・地域の「赤」「橙」「黄」「緑」の色分け(Adaptive Quarantine:適応検疫)については、多くの州が最も感染レベルの高い「赤」に相次いでなるなど、急展開が続いています。州間移動時の制限や、国家警察などによるパトロールも強化されており、公共の場での身分証携行、マスク着用、ソーシャルディスタンスなどの励行はもちろん、滞在場所の最新の検疫規制を遵守し、無用なトラブルに巻き込まれないように注意してください。

3 予防と対策

 現在ウクライナ渡航・滞在を予定されている方、及び、既に滞在中の方は、ウクライナ当局が発表する検疫規制を遵守するとともに、不織布マスク(サージカルマスク)、アルコール手指消毒、目や鼻を触らない、石けん手洗いに加えて、換気を励行してください。また、デルタ株は従来のウイルスより感染性が強いので、日本の厚生労働省は感染拡大防止策において従来の「3密を避ける」から、今は「目指そうゼロ密(密接、密集、密閉)」と変更しています。また、ウクライナでもコロナ・ワクチンの接種が進んでいますが、接種が済んでいても、感染はしますし、感染源となることがあります。周囲に感染を広げないよう、接種後も注意してください。

 厚生労働省のリンク: https://www.mhlw.go.jp/content/000804478.pdf 

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【問い合わせ先】

ウクライナ日本国大使館領事部

電話:+38(044)490-5500

HP: https://www.ua.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular.html

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