【重要】警察等を名乗る詐欺のアプローチに関する注意喚起

【ポイント】

●ドバイ警察等の関係者を名乗って電話をかけてきた上で、ドバイ警察等のワン・タイム・パスワード（ＯＴＰ）を証拠だと主張しつつ、非常に強い口調で銀行口座他の個人情報を要求する件で、在留邦人の方々から当館に相談が寄せられています。

●ＯＴＰは電話の相手が警察の関係者である証拠にはなりません。また、警察等が電話で、銀行口座やエミレーツＩＤの情報や、ＯＴＰを聞いてくることはありません。

●ドバイ警察によれば、これらは銀行口座からお金を詐取しようとする詐欺のアプローチと考えられる、とのことです。

●こうした電話を受けたら、一旦相手との連絡を中断し、周囲の人や当館に相談してください。また、ＯＴＰは決して他人に教えないでください。

【本文】

１　具体的な手口

（１）在留邦人の方々からの情報提供によれば、ドバイ警察や連邦内務省等の関係者と名乗る者が電話をかけてきた、その電話の前や通話中に、ドバイ警察のＳＭＳアカウント（送信者名にDubaiPoliceと表示されます）からワン・タイム・パスワード（ＯＴＰ）を通知するメッセージが送信されてきたとのことです。相手は、自分がこのＯＴＰを送信したと述べて、自身がドバイ警察等の関係者である証拠だと主張するようです。そして、自分の指示に今すぐ従わなければ銀行口座を凍結するとか、エミレーツＩＤを使用できないようにするなどと非常に強い口調で述べて、銀行口座を始めとする個人情報を要求してきたそうです。

（２）こうした電話は、ＵＡＥ国内の番号のみならず、外国の電話番号からかかってくることもあるとのことです。また、相手は通話の中で被害者の個人情報を聞き出した上で、それを使って連邦内務省等のサイトに不正にログインし、被害者の運転免許証情報等の個人情報を詐取したとの事例も報告されています。相手はその情報を被害者に送りつけた上で、自身が当局関係者であることを主張して被害者を誤信させ、要求をエスカレートさせてくるそうです。なお、上記の不正ログインの事例でも、相手は被害者に対して送信されてきたＯＴＰを教示するように要求したようです。

２　ドバイ警察等からの確認

（１）当館で確認した結果、ドバイ警察のサイト上で、誰でも第三者宛にＯＴＰを送信できるようになってしまっていることが判明しました。したがって、ドバイ警察のＳＭＳアカウントからＯＴＰが送信されてきたとしても、それは電話の相手が警察の関係者であるという証拠にはなりません。ご自身が手続等を行う中で送信されてくるもの以外のＯＴＰは、詐欺のアプローチに悪用されるものであることが強く推認されます。

（２）上記のようなドバイ警察のサイトを悪用した手口について、同警察は、多数の通報があり、現在、悪用防止のためにシステム改善に取り組んでいる、と説明しています。

（３）ドバイ警察によれば、上記１の手口を利用した電話は、銀行口座からお金を詐取しようとする詐欺のアプローチと考えられるとのことです。ドバイ警察は、警察を始めとする政府機関や銀行等はいずれも、電話又はメール等で銀行口座情報及びエミレーツＩＤ番号といった個人情報並びにＯＴＰを要求することはない、とも明言しています。事実、ドバイ警察が送信するＳＭＳの中でも、「ドバイ警察はこのＯＴＰを確認するためにあなたに電話をすることはありません。ＯＴＰは誰に対しても共有しないでください。」との注釈が付されています。

３　被害防止のための方法

（１）もし、相手からこうした手口で個人情報の提供を要求された場合は、詐欺のアプローチであると考えるべきです。詐欺犯は様々な手法を用いてアプローチをかけ、被害者を巧みにだまそうとしてきます。

（２）身に覚えのない電話やメール、更にはＯＴＰの送付等があった場合、冷静になって一旦相手との連絡を中断し、周囲の人又は当館に相談してください。また、相手がいかなる理由を挙げてきたとしても、ＯＴＰは決して他人に教えないでください。

（３）実際に被害に遭ってしまった場合は、当館に一報いただくとともに、警察への被害申告を検討ください。

【本件に関する参照先】

○ドバイ警察通報窓口

（電話による犯罪を含めたオンライン犯罪を通報する場合）

https://www.dubaipolice.gov.ae/wps/portal/home/services/individualservicescontent/cybercrime 　

（一般的な犯罪を通報する場合）

https://www.dubaipolice.gov.ae/wps/portal/home/services/individualservicescontent/PoliceEyecatecatalog 　

○当館ホームページ

（詐欺被害防止のための資料等）