制限措置の延長、今後のワクチン戦略等

4月16日、ルクセンブルク政府は、各種制限措置の延長、今後のワクチン戦略等に関する発表を行いました。概要は以下のとおりです。

ベッテル首相発言概要)

1 当国における直近の感染状況

(1)ここ数週間の当国の感染者数等は一定の安定性を示している。病院では、特に集中治療患者数に関して、若者の割合が増えているものの、全体としては安定した状況である。通常の入院病棟における増加傾向もない。下水道に流れる汚水の分析結果も安定した状況を示している。

(2)一方で、政府は現在のイースター休暇が感染者数に与える影響についても予測している。スポーツや文化の分野では、現在の安定した状況のおかげで、5月15日以降は一定の緩和が可能となるであろう。

(3)現在課されている制限措置は5月15日まで実施される。政府は、夜間外出禁止や家庭への友人等の招待人数を制限することが国民に与える影響を認識しており、これらの制限について緩和することを次の新型コロナ法の改正案において提案する可能性がある。

2 ワクチン関連情報

(1)これまでに184,980回分のワクチンが当国に届けられた。ジョンソン・エンド・ジョンソン社からの納入予定数については、まだ明らかになっていない。アストラゼネカ社はこれまでに23,600本、モデルナ社は4,800本が納入されている。最も確実な納入を行っているのはファイザー社で、6月末までに307,710本の納入が見込まれている。

(2)これまでに行われた予防接種の数は約11万件である。現在、保有数の83%のワクチンが接種されている。ワクチンの在庫数が減り、ワクチンの保管率が50%以下になっており、予防接種が順調に進んでいるといえる。55歳以上の方のワクチン接種への参加率は現在72%である。

(3)欧州医薬品庁(EMA)はアストラゼネカのワクチンの使用継続を推奨している。いくつかの研究があるが、EMAは非常に稀なタイプの血栓症が発生する可能性があると発表した。アストラゼネカ社のワクチンを若年層に使用しないことを決定している国もあり、例えば英国では30代以下はアストラゼネカ社のワクチンを接種していない。一方、現状を見ると、若年層でも難治性の感染例が増えてきている。

(4)感染症高等評議会(CSMI)は、55歳以下の人にアストラゼネカのワクチンを使用しないよう勧告した。EMAの勧告では、アストラゼネカのワクチンはすべての年齢層に使用し続けるべきだとされているが、血栓症のリスクについての研究やCSMIの意見もあり、政府にとっては決断が難しい状況となっているが、今回決断を下した。パンデミックに対抗するためには、これまでに納入され、承認されたワクチンを使用しないということは感染防止の責任を放棄することになるということである。すなわち、CSMIと閣議における意見に従い、すでに1回目のワクチン接種を受けた人の2回目の接種にはアストラゼネカ社のワクチンが使用されることになる。また、保健局長は、副反応があったとしてもそれは1回目の接

種後であるため、2回目の接種にはリスクがないと述べている。

(5)4月19日の週以降、30〜54歳の人は任意の登録により、アストラゼネカ社製のワクチンを接種することができるようになる。これらの人々には、副反応等についての情報が提供される。このプロジェクトについては、後ほど詳しく紹介する。政府にとっては、一刻も早く集団免疫に到達することが重要である。アストラゼネカ社とジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチンを接種しないこととした場合、9万人がワクチンを接種できないことになる。

(シュナイダー保健相代理発言概要)

3 当国の感染状況の改善等

(1)現在の状況は安定しているが、病院のキャパシティに負担をかけないようにするためには、依然として警戒が必要である。イースター休暇の影響も考慮する必要があり、家族に会いに行った人もいれば、海外に出た人もいるため、休暇の影響は後から出てくると思われる。

(2)最近見受けられる重要な変化は、60歳以上の罹患率が改善していることである。これは予防接種戦略の効果を示すものである。現在当国は近隣諸国よりも良好な状況にある。病院の状況は安定しており、85人が通常の治療を受け、30人が集中治療を受けている。また、フランスのグラン・エスト地方の患者も、現在はルクセンブルクの病院で治療を受けることができる。

(3)当国の変異株は、イギリスのB.1.1.7が感染者の74%を占め、南アフリカのB.1.351が19.4%を占めている。また、当国ですでに確認されているブラジルの2つの変異株については、現在のところワクチンの効果が低いため、注意深く観察する必要がある。

(4)社会的な距離を置くことやマスクの着用義務など、現在実施されている対策は、将来的に緩和できるようにしておくことが重要である。次の新型コロナ法の改正法においては制限が緩和される「テラス」の定義を明確にする必要がある。スポーツ分野に関しては、多少の緩和が可能である。つまり、現在の最大10人まで一緒にトレーニングができるという制限が変更されることになる。これは、フィットネスセンターや私的なスポーツなどに関係する。このような緩和は人々の健康のために重要である。

(5)学校では、クラス全員が一緒にプールに行くことができるようになる。文化に関しては、音楽の分野では、10人が同時に、距離を置いて、可能な限りマスクをつけた上で音楽の練習ができるようになる。新型コロナ法の改正案は国民議会の委員会に提出、分析された上で、本体法の期限が切れる前に投票が行われる予定である。

 在留邦人の皆さま及びご旅行中の皆さまにおかれましては、今後も政府発表や報道、下記サイト等を通じて最新情報の収集に努めてください。

ルクセンブルク保健省(新型コロナウイルスに係る最新情報)

http://sante.public.lu/fr/prevention/coronavirus-00/index.html

■在ルクセンブルク日本国大使館新型コロナウイルス関連情報サイト

https://www.lu.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00017.html

(ご連絡先)

ルクセンブルク日本国大使館

TEL: (+352) 46 41 51-1

e-mail:consulate.embjapan@lx.mofa.go.jp

URL:https://www.lu.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html