新型コロナウイルス対策(公衆衛生省記者会見ポイント:2日)

ベルギーにお住まいの皆様、及びたびレジ登録者の皆様へ

本日11時、公衆衛生省による記者会見が行われましたので、主なポイントを以下のとおり御案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/en/live-pressconferences/

【感染状況概観】

ご覧のとおり外は天気が良く快適な気候であるが、感染症学の観点からは、未だ我々は苛烈なゾーン(zone rageuse)におり、いつ空が晴れるかはまだ正確には分からない。感染数は引き続き増加しているが、幸いにして現時点ではそのペースは遅くなっているようである。同時に、一部の病院では、一般病室及び集中治療室の双方で新規入院者数が増加し続けており、(我々を)不安にさせる兆候も見られる。そのような状況の中での希望として、死亡率の数値は、老人ホーム及びケアセンターにおけるワクチン接種の(良い)影響をより明確に示している。

【新規感染者数】

先週は1日あたり平均2,394人の新規感染者数が記録され、前週比12%の増加となった。これは、25%の増加が示された先の日々に比べれば少ない数字である。増加は、リンブルフ州(7%の減少)及びリュクサンブール州(3%の減少)の2州を除き、ほぼ全国で見られている。エノー州やブラバン・ワロン州といった一部の州では、より多くの感染が観測されている。

感染(の増加)は全ての年齢層で見られるが、幸いにして高齢者層、特に80歳以上では3%の減少、90歳以上では27%の減少となった。最も感染者数が増加したのは青少年の層であり、34%増加した。なお、絶対数で最も感染者数が多いのは40代である。青少年及び子ども層での(感染者数)増加は、主に労働人口における増加を映す鏡となっているが、労働人口の感染者数を超えるものではない。

【新規入院者数】

新規入院者数は1日あたり平均149人、前週比20%の増加であった。新規感染者数と同様に、この新規入院者数は再び全国的に増加している。ご承知のとおり、数週間前から「平坦な状況」について話してきたが、新規入院者数については、数ヶ月前から100人〜150人であった。先週金曜日には204人が新たに入院し、「平坦な状況」に比して特に高いピークが見られた。

他方、幸いにして、直近の数日の数値は、まだ高い水準ではあるが、この(ピークの)増加が続く形とはなっていない。現在の新規入院者数の増加は、新規感染者数の増加に続いているものであり、入院者数は感染者数の約6%となっている。これにより、現在ベルギーでは、1,936人(12%の増加)が新型コロナウイルスにより入院しており、そのうち410人(18%の増加)が集中治療を受けている。

集中治療を受けている患者数について、2月初頭には300人の水準であったことが思い出される。この集中治療室の占有状況は、ほぼ全ての州で見られているが、アントワープ州が最も顕著である。一般病室の占有状況と集中治療室の占有状況の比較に関する議論があるが、一般病室の患者数に対する集中治療室の患者数の比率は現在増加しており、総じて18%〜21%となっている。

他方で、この範囲はここ数ヶ月のデータによるもの。我々が調査を行った期間全体では、18%〜30%であった。全入院者のうち人工呼吸器が必要な患者の割合は現在11%である。この割合も同様に2月初頭から増加しているが、我々がこれまで観測してきた8%〜15%という従来の水準に止まっている。新型コロナウイルスと無関係の患者の治療の再開をうけて病院の負担は明らかに増大しているが、すでに数週間あるいは数ヶ月延期された治療に対する影響を長引かせるべきではない。

【国民の移動状況】

(国民の)移動量については、残念なことに、余暇目的のみではなく、特に仕事目的のために、以前より更に移動を行っていることが分かった。これにより、不可避的に接触機会が増加し、感染の連鎖が構築されるリスクが増大している。秋の休暇、クリスマス休暇と反対に、カーニバル休暇では、ほとんど移動量の減少がもたらされず、公園や森林、海岸への移動が顕著に増加した。天気が良かったが、公園や森林といった環境では、最低限の予防措置で感染を阻止できると期待できるため、(外出するのに)ほとんど問題が無い状況だった。

残念なことに、自宅に留まった人の割合は14%から9%に減少した。また、バカンスの後に仕事への移動は34%減から20%減となり、再度増加した。すなわち、カーニバル休暇は仕事にかかる移動を大きく減少させたが、休暇が終わると、人々は自宅のパソコンやテーブルに向かう代わりに、車に乗ったということである。我々としては、この状況を嘆く一方で、仕事上の接触を制限するために最大限テレワークを再開するよう奨励することしかできない。これらの措置により、向こう数週間において感染者数の減少、それに続き入院者数の減少をもたらすことを我々は知っている。

【老人ホーム等の状況】

前向きな点を1つお伝えしたい。これは老人ホーム及びケアセンターで起こっていることであるが、状況が顕著に改善している。新型コロナウイルスにより入院または死亡する人々の数は、より少なくなっている。この減少は、ブリュッセル首都圏地域ですでに終わり、ワロン地域でも(まもなく)終える、老人ホームにおけるワクチン接種キャンペーンと明らかに並行して起こっている。2020年の年末時点では病院患者の19,2%が老人ホーム及びケアセンターからの患者であったが、1回目及び2回目のワクチン接種開始に伴い劇的にこの割合は低下し(特に2回目のワクチン接種開始後)、現時点で同5%まで低下している。

2回目のワクチン接種開始から1週間または10日後の推移に明らかに一致した(数値の)グラフの下降が見られる。

【死亡者数】

死亡者数も引き続き減少しており、1日あたり平均23人、前週比36%の減少となった。この減少は、主に老人ホーム及びケアセンターにおける死亡者数減少に関係しており、これは68%という極めて顕著な減少となったことに言及しなければならない。これらの施設に居住していない人々の死亡率は、比較的一定である。85歳以上の高齢者の死亡者数は、前週比51%減少し、75歳〜84歳の年齢層では32%の減少であった。これより若い年齢層についての変化はない。このデータは、高齢者及びリスクを有する人々の間でのワクチン接種キャンペーンの今後の更なる進展による(良い)影響に関して、我々を勇気づけるものである。

2.Sabine Stordeurワクチン戦略タスクフォース広報官

先週の間に追加で12万人の人々がワクチン接種を受けた。これにより、これまでに50万人の人々が1回目のワクチン接種を受けられたことになる。この50万人には、老人ホーム及びケアセンターの住人といった脆弱な人々が入っている。我々は、感染流行の第一波の際に、彼らがどれほど苦しんだかをよく知っている。また、我々の医療システムを機能させている医療従事者も入っている。

来週中には、まだワクチン接種を受けていない第一線の医療従事者が1回目のワクチン接種を受ける。これにより、新型コロナウイルスに対する最適な防護を享受する人々の数が大幅に増加する。感染流行への対抗、それは、最も脆弱な人々及び医療システムの中で最もリスクに晒される人々を優先的に扱うワクチン接種戦略の哲学である。

医療従事者は、感染流行の始まりから常に前線で、新型コロナウイルスにより深刻な容体となった患者をケアし、時に救ってきた。度重なる感染の再流行と闘い続けるために、医療従事者は、引き続き我々ベルギー国民が最も必要とする人々である。医療従事者のワクチン接種へのアクセスは、彼らに与えられた優遇措置や特権では全く無く、必要な時に国民に医療サービスを提供することができるようにするためである。

我々はウイルスの新たな感染流行について自問しているが、医療機関が引き続き診察及び治療を中断や遅れなく継続できるよう注意することが、これほど重要だと感じられたことはないと思う。もちろん、我々に向けられた批判及びワクチン接種キャンペーンの加速への要望は耳にしている。我々は視野を狭くすることなく、前提無しに機械的にこれらの提案の妥当性や実現可能性を分析する。我々の戦略は、ワクチン接種状況の改善及びその迅速な実施という唯一の目的の中で、引き続き状況に適応していかなければならない。

現在、20万回分の使用可能なワクチンがある。(ワクチン接種の)案内が様々なルートで大規模に発出された。医療従事者への提供が優先であり、彼らには迅速に招集に対応するよう求めている。(医療従事者にワクチンを接種することは、彼らの医療アドバイスに頼る患者にもたらされる信頼感を超え、彼らを必要とする人々との(診察・治療のための)面会を保証することでもある。

3.その他

次回の記者会見は3/5(金)11時予定。

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