在留邦人の皆様へ:トカエフ大統領による新型コロナウイルス感染対策措置会合の開催(大統領府発表)

●トカエフ大統領は,首相を議長とする国家委員会に対して,現在の感染状況の安定化のための緊急措置を執るために,本年3−5月に機能した措置と同様の厳格な検疫措置導入の問題に関する提案を作成し,2日以内に大統領に提出するよう指示しました。

 6月29日,カザフスタン大統領府は,トカエフ大統領が新型コロナウイルス感染対策措置会合を開催した旨発表しましたところ,以下のとおりです。

(原文)https://www.akorda.kz/ru/events/akorda_news/meetings_and_sittings/glava-gosudarstva-provel-soveshchanie-po-meram-protivodeistviya-rasprostraneniyu-koronavirusnoi-infekcii

1 カザフスタン大統領は,政府関係者,一連の国家機関の長,市長及び州知事とビデオ会議の形式で会合を開催した。

2 トカエフ大統領は,自身のスピーチにおいて,適時に執られた厳格な検疫は時間を稼ぎ,感染のピークを遅らせることを可能にしたと指摘した。しかし,残念ながら,非常事態体制の解除後すぐにすべての検疫措置が緩んでしまった。大統領は「本年5月11日の制限解除以降,コロナウイルス感染症例数が7倍に増加した。これは,多くが一連の国家機関の取組みが不足していたことによるものである。国家行政システムは,非常事態体制が解除された後,中央及び地方のレベルにおいては効果的に機能する準備ができていなかったことを指摘しなければならない。省庁間委員会は目の前にある課題を処理しきれなかった。これは認めなければならない。保健省は,中央および地方の政府機関の取組みを調整できなかった」と現状を

評価した。

3 各地における非適時で効果の薄い措置は,労働者や生産現場におけるウイルス感染につながった。大規模な感染源となったのは,1,222件のコロナウイルス感染例が確認されたアティラウ州のテンギス油田である。アルマティ市では,市民のみならず特に医療従事者に高い感染が起こった。首都における多くの機関は衛生要件を守っていない。地域では,病床,医療従事者,医薬品,医療器材の深刻な不足が見られる。トカエフ大統領は,「クリギノフ・ヌルスルタン市長,サギンタエフ・アルマティ市長に対し,失策に対し注意喚起し,アイテノフ・シムケント市長,ウラザーリン・アクトベ州知事,スカコフ・パヴロダール州知事,トゥグジャノフ省庁間委員会議長に対し叱責し,アティラウ州知事,コスタナイ州知事,西カ

ザフスタン州知事に対し,各地域の状況改善の必要性について警告した。これは,すべての州の長に関係する。また,状況は非効果的な情報提供によって深刻化している。我々の国民との対話のシステムは必要なレベルでは機能しておらず,その背後には消極的な対応があり,医師の英雄的な働きは目に見えない」と国家機関の活動における欠陥を指摘した。

4 デジタル化分野における破綻について,ジュマガリエフ・デジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業大臣もまた注意を受けた。大統領は,省庁間委員会は,必要で迅速かつ厳格な調整,モニタリング及び実施監督を完全には行うことができなかったと考えている。同大統領は,「首相を長とする然るべき国家委員会の枠内において,パンデミックとの闘い,社会,経済への否定的影響の排除にかかるすべての決定を行うよう指示する。国家委員会は,危機的なリソースの配分を中央から管理しなければならない。国家委員会に対し,現在の感染状況の安定化のための緊急措置を執るために本年3−5月に機能した措置と同様の厳格な検疫措置導入の問題に関する提案を作成し,2日以内に私に提出するよう指示する」と声明した。

5 また,トカエフ大統領は,ラボ検査の効率向上,試薬及び消耗品の絶え間ない供給,PCRラボの数及び規模の増加を指示した。大統領は「国民はラボ周辺の長大な行列,行列内における衛生基準の不遵守について不平を言っているが,これは正しい。これらすべては感染に直結するリスクとなっている。従って,感染の予防と中央からの割当て及び検査管理のため,PCR検査は,厳格にオンライン予約またはコールセンターを通じて行わなければならない。感染源,特に農村地方における取組みのための移動式ラボの展開及び移動式サービスの更なる発展に資源を割り当てることは極めて重要である」と述べた。

6 大統領は,必要不可欠な治療及び医薬品の国民への供給の重要性を指摘した。政府及び地域の長は,このためにすべての資金とインフラ資源を動員するよう指示を受けた。トカエフ大統領は「パンデミックの第二波の到来を念頭に,7月末までに感染症病床数を50%増加させるよう指示する。地域は,このために民間及び公用病院を含めたすべての資源を利用しなければならない。政府に対し,5日間以内に医薬品の供給の問題を解決するよう指示する」と述べた。

7 大統領は,コロナウイルスとの闘いにおいて国家機関によって実施されている情報提供の重要性を特に指摘した。同大統領によれば,第一段階におけるこの取組みは悪くなかったが,直近では国家機関はこの取組を放置しているように感じられる。同大統領は,「市長,州知事,大臣らは事実上,一般国民から隠れてしまっている−多くの人々が既に絶望に陥り,誰に頼れば良いか分からない時に,国民からの不平及び呼びかけに適時に反応していない。www.coronavirus2020.kz に寄せられた約4万件の質問の内,現時点で回答が与えられたのはたった3分の1である。このような態度の結果,我々は新たなインフォデミックの発生,露骨なフェイク及び偽情報を受け取り,それらが我々の仕事を一層困難にしている」と述べた。同大統領は

,情報提供におけるアプローチの根本的見直し,責任者による定期的なブリーフィングの調整,感染した場合の分かりやすく,良質な行動アルゴリズムの国民への提供を指示した。同大統領は「なぜテレビチャンネルにおいて生放送で医師との相談や質疑応答を毎日放送することができないのか。国民に治療のプロトコルアルゴリズムを通知し,医薬品とその処方について説明することが必要不可欠である」と強調した。

8 市長,州知事及び大臣らは,予算を見直し,すべての不要な支出−会議,円卓会議,儀礼的行事,コンサルティング及びPRサービスを取りやめるよう指示を受けた。これらの資金は実際の感染症との闘いに向けられなければならない。また,大統領は,価格の安定化及び国民の食糧へのアクセスの支援,雇用率及び経済活性化の確保,デジタル技術の発展の重要性を指摘した。経済成長の再開にかかる複合的計画が規則正しく,完全に実行されなければならない。これらの問題は,各市長及び州知事の特別な管理下になければならない。

9 トカエフ大統領は,政府に対し,至急の措置を執ると同時に,コロナウイルスの長期的パンデミックへの準備を始めるよう要請した。この関連で,カザフスタン国民の中期的な生命,健康の保護に関する国家計画を策定するよう指示がなされた。同大統領は「これは,治療のためのワクチンのない危険な病気である。しかし,そのためにパニックや違法行為の許容,医師に対する侮辱,検疫体制の違反に屈してはならない。感染者が不安や悲観に陥ってはならない。治療と同時に,心身ともに良い状態は迅速な快復を促進する。保健省及び衛生医師の勧告と要求に従うよう要請する。我々の努力はすべて,我々の国の主要な財産−カザフスタン国民の生命と健康を保持するために向けられている」と述べた。

10 会合ではツォイ保健大臣,クリギノフ・ヌルスルタン市長,サギンタエフ・アルマティ市長,アイテノフ・シムケント市長,アフメトフ東カザフスタン州知事が発言した。

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(日本外務省関係課室連絡先)

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○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐事件等)

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