新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(その42)

ルーマニアでは,5月14日13時までに,感染者累積16,247名,死亡者合計1,046名が確認されています。前日同時刻からの増加は,感染者数が245名,死亡者が30名。

●緊急事態措置は,本日(14日)で期間が終了します。明日 (15日)からは,警戒事態措置に入ると見られます。

警戒事態の導入に向けて,その対応を協議する国家特別緊急事態委員会が,本日夜に開催されると報じられており、その後警戒事態下での規制等の発表があることが予想されます。発出の後に内容を確認の上、邦人社会に関連のあり得る主な点を中心に、速やかにお伝えします(なお、マスクの一定の着用の義務のように、これまでに既に導入が見込まれている措置については、現段階から御注意下さい。)。

●警戒事態の下の規制を法定するための法案は、(12日夜の議会上院での可決に続けて、)13日夜に上院でも可決されました。今後所要の手続き期間を経て、18日から発効かと見られます。

●5月13日に新たな軍事令(軍事令第12号)が発出され、これまで封鎖隔離の下に置かれてきたスチャヴァ市及び周辺の八か村について、隔離措置が解除されました。

●治安情勢等の変化の可能性等にも引き続き十分御注意下さい。

●日本では、5月14日に,緊急事態宣言が全国の39県で解除されました。残りの8都道府県では維持されています。

●上記の他,当大使館からお知らせする内容を含めて,関係の措置や情報が頻繁に更新されています。最新の状況の把握に引き続きお努めいただきますよう,お願いします。

1.内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,5月14日13時時点でのルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者は,累積16,247名,前日同時刻からの増加245名。また死亡者は,合計1,046名,前日からの増加30名です。感染者全体のうち,集中治療を受けている患者が225名,他方9,053名が治癒しました。

以上の統計は,ルーマニア保健省国立公衆衛生研究所の以下のウェブサイトから最新情報が確認できます。

https://instnsp.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/5eced796595b4ee585bcdba03e30c127

2.緊急事態措置は本日(14日)で期間が終了します。明日 (15日)からは,警戒事態に入ると見られます。

警戒事態導入に向けて,その対応を協議する国家特別緊急事態委員会が,本日夜に開催される旨報じられており、その後に警戒事態下での規制等についての発表があると思われます。発出の後に、内容を確認の上、邦人社会に関連のあり得る主な点から、速やかにお伝えします(なお、マスクの一定の着用の義務のように、これまでに既に導入が見込まれている措置については、現段階から御注意下さい。)。

3.(1)警戒事態の下で講じられる規制の法律上の根拠となる法案(「COVID−19感染症との闘いに関する措置に関する法案」)は、12日夜に議会上院で可決された後,13日夜に下院でも可決されて、成立しました。

この新たな法律が発効するのは,法定された手続き期間を経て、最も早くて5月18日となると見られます(緊急事態が終了してからこの新たな法律が発効するまでの間の期間の措置は、14日夜に発出と見られる行政府の決定で、示されるものと見込まれます。)。

(2)この法律の内容で、私どもの行動や企業活動等に関係大と思われる内容で把握されている点を、取り急ぎ以下でお伝えします(なお、各条についての以下の記載も、条文全体ではなく抜粋です。)。

この法律の全体は、確認の上で要点を追ってさらにお伝えします。また、この法律に基づいて各省庁が具体的措置を定めることが想定されています。

【第3条】

警戒事態の期間は,30日間を越えない範囲で導入される。正当な理由があれば,30日間を限度に何度でも延長できる。また,期限前の停止もあり得る。

【第4条】

・警戒事態を国土の半分以上の地域で導入する場合には,議会による承認を必要とする。議会は,承認要請から五日以内に、上下両院合同会において承認の是非を決定する。

・公的機関が発行した証明書類で、警戒事態期間中に有効期限を迎えるものの効力は、警戒事態の期間及び同期間の終了から90日間まで延長する。

・臨時運転免許証所持証明書(当大使館注:交通違反等への罰則として運転免許証自体が当局の預かりとなっている場合に、その期間中交付されている臨時証明書)は,警戒事態の期間及び同期間の終了から10日間まで延長する。

【第5条】

警戒事態の期間中,人命を守るために以下のような措置をとることができる。

・施設隔離,自主隔離の措置

・屋外における集会やデモ行動,行進,コンサート等や,屋内における文化,科学,芸術,宗教,スポーツ,娯楽活動の、制限・禁止

・人や車の交通の制限

・一定の場所からの外出の制限

・道路,鉄道,海上,航空の交通の停止・規制

・国境地点の閉鎖

【第8条】

警戒事態期間中の,レストラン,ホテル,モーテル,ペンション,カフェ,

その他の公共の場所における飲食物の提供を停止することができる。なお,衛生防護措置を遵守したテラスは営業ができる。

【第9条】

・ショッピング・モールは,外部に面した出入り口がある店舗や,食料品店,薬局,歯科医院、クリーニング店,美容室,眼鏡屋,ペット用フードと医薬品の店,宅配が確保された電気製品の販売を行う店舗等を除き、閉鎖することができる。

・但し,敷地面積が15,000平方メートルを越えず,個々の店舗の面積が500平方メートルを越えないショッピング・モールには、適用されない。

・客のマスク着用と,レジにおける社会的距離を、義務とする。

【第13条】

・公共の屋内,商業施設,公共交通機関及び職場におけるマスクの着用を義務とする。

・公共機関、全ての企業は,体温検査等で従業員が勤務可能か否かを確認する。また、出勤時の職場入口での手の消毒を義務づける。

【第21条】

50人以上の従業員の雇用者は,従業員の同意なく、従業員間の出勤時刻が一時間単位で三時間までの間でずれるように,勤務時間帯を変更することができる。

【第66条】

(1)500レイから2,500レイまでの間の罰金

・人の生命の保護,リスク低減のための措置に違反した場合

・特定の場所や地域又は特定の時間帯の外出禁止に違反した場合等

(2)1,000レイから5,000レイまでの間の罰金

・命令された検疫隔離や自宅隔離措置を守らなかった場合

・検疫封鎖された場所への立入りを行った場合

・経済活動の一時的停止措置の不遵守等

(3)3,000レイから15,000レイまでの間の罰金

・集会・デモ行動・コンサートを実施した場合

・陸送,鉄道,海運の制限や停止措置の不遵守の場合等

4.(1)緊急事態の終了とその導入時に示された内務省関連の一定の証明書類の有効期限の延長の取扱いとの関連の可能性について累次お知らせしてきましたが,警戒事態についても、上記3の法律において、「警戒事態期間中に有効期限を迎える証明書類の効力の警戒事態終了から90日間までの延長」等が規定されています(【第4条】の関係部分)。

(2)但し、この法律のみでは、これまでの発表で取り扱われている措置の全体の関係が必ずしも明確ではないこともあり、特に、緊急事態の期間中に効力の期限を迎えた関連の証明書等を保持されている方は、現時点(緊急事態の終了時点)で、関係の具体的な照会等を行うことをお勧めします。

これに関連します緊急事態の下での措置(4月2日付けの内務省の発表)については,以下の当大使館からの4月3日のお知らせ(当館HP)及び内務省のプレスリリース(内務省HP)のリンクから確認いただけます。

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00057.html

https://www.mai.gov.ro/comunicat-de-presa-68/

5.(1)商用航空便につきまして,14日までは、緊急事態の下で、以下のカッコ内の合計12か国との間では,運航が停止されてきています(イタリア,スペイン、ドイツ、フランス、イラン、英国、米国、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギー、トルコの12か国)。

 緊急事態及びこれまでに発出された関連の軍事令の下の規定が14日で終了することを前に、現在、これらの諸国との間の航空便にも、15日以降の運航予定が関係の航空会社のウェブサイトには掲載されるようになっているようです。しかし、15日以降の警戒事態の下での航空便の運航の取扱いについては、警戒事態の下の諸規制の内容(上記3の法律の【第5条】の関係部分の下で、具体的な規制措置が講じられることが可能です。)によるところが大で、したがって、これらの国との間の航空便の運航が実際に再開となるかどうかは、なお慎重に確認すべきものと思われます。

(2)上記(1)の諸国との間を含めまして,緊急事態終了後の5月15日以降の期間における航空便の運航の可能性についても,関係の方は,引き続き,実際の個々の運航状況を,各航空会社等から十分に確認されますよう,お願いします(今後も、日によっては,欧州内で二回以上の乗継ぎで帰国できる経路への接続はあることが見込まれますが、関連し得る点(乗継ぎの回数が多くなるのに伴い、預入れ荷物の一旦引取りやその際の乗継ぎ国への入国の必要性の有無等も含む。)も含めて,頻繁、詳細に確認を行うことが適切と見られます。)。

(3)ブカレスト・オトペニ空港の本日の運航状況は,以下の同空港のウェブサイトから確認できます。

http://www.bucharestairports.ro/en/

(4)帰国される方は,日本入国時には,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,引き続きPCR検査,空港からの公共交通機関(国内便を含む。)の不使用,指定場所(自宅又は自ら確保した宿泊施設等)での14日間の待機等の措置の対象となりますので,これらにもご留意ください。

「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

6.陸路の国境地点の現状については,以下の,ルーマニア国境警察のウェブサイト及び軍事令第8号第4条関連の一覧を,参考にして下さい。

https://www.politiadefrontiera.ro/ro/main/n-date-deschise-17/

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100044980.pdf

7.なお、警戒事態の下での具体的な規制の全体の内容の詳細は未確認ですが、一般的に、各種の規制の違反とならないよう、引き続き御注意下さい。

(1)例えば、これまでも規制されてきた外出に関する規制については、15日以降の警戒事態においても,一定の禁止(特定の場所や地域又は特定の時間帯の外出禁止)が、違反の場合の罰則とともに規定されています(上記3の法律の【第5条】及び【第66条】の(1)の関係部分)。

 また、隔離措置についても、同様と見られます(同法律の【第5条】及び【第66条】の(2)の関係部分)。

(2)緊急事態の下での直近の関係の取締り等、以下のとおりです。

ア 外出制限違反は,14日13時の発表までの24時間に,112人が警察により摘発され,46,000レイの罰金が徴収されました。

イ また,軍事令第2号の発令以降これまでに,自主隔離を守らずに施設隔離に移された者が2,303人,施設隔離を守らずに再度14日間の隔離下に置かれた者が233人と,発表されています。

(3)なお,隔離措置について,

ア 「レッドゾーン」の対象国(これまで商用の航空便の運航が停止されてきていた12か国)での滞在後14日間以内の入国者であっても,無症状の者については,保健省令(4月16日に官報掲載)により,自宅等での個人隔離が可能な場合には,自ら作成の申立書に基づき,自宅等での隔離措置が認められるようになっています。

イ また,同じ保健省令で,感染者であるが無症状の者の,家族についても,上記アと同様の扱い(自宅等での個人隔離が可能な場合には,自ら作成の申立書に基づいて,自宅等での隔離が認められる。)とされています。

 これらの規定の原文(保健省令)については,以下のウエブサイト(法務省のウェブサイト)で参照できます。

http://www.just.ro/

8.(1)また、一定の場所でのマスク着用は、今後新たに全国で義務とされるものと見られます(上記2。また、上記3の法律の発効後にはその【第13条】等。)。既に現時点で御注意願います。

(2)なお、これまでもお伝えのように、一定の地域については、本日(14日)の段階でも,マスク(又はスカーフ等による代替)の着用が義務づけられていますので、引き続き御注意下さい。具体的には、必要な個々の地点についての確認をお勧めします(義務づけの有無、義務とされている局面、罰則の有無やその内容等が、地域により異なります。当該地方のメディアやSNS等で参照できます。)。

9.5月13日、軍事令第12号が発出され,スチャヴァ市及び周辺の八つの村(Adancata, Salcea, Ipotesti, Bosanci, Moara, Scheia, Patrauti, Mitocu Dragominei)について発令されていた隔離措置(封鎖措置。3月31日付けの軍事令第6号で規定されていたもの)が、解除されました。

なお、同軍事令(第12号)は、具体的な措置としてはこの解除の発令のみを規定したもので、同日(13日),官報に掲載されました。

10.新型コロナウイルスの感染に起因する各種情勢の変化等に伴い,治安状況にも通常と異なる状況が生じているおそれがあります。これにも,引き続き十分に御注意下さい。

11.別途御承知かと存じますが,日本では,5月14日に,改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項の規定に基づく緊急事態措置が、全国の39県(うち,愛媛県は条件付き解除)で解除されました。残りの8都道府県(東京、北海道、大阪、京都、埼玉、千葉、神奈川、兵庫)では維持されています。

12.本件に関し,上記の諸点を含めまして,御照会事項がおありの場合には,末尾のお問い合わせ先に,電子メール等でご照会ください。

【参考情報】

1.ルーマニア保健省は,新型コロナウイルス相談専用無料電話回線(Telverde Line。番号0800800358)を設置しています。休日を含めて24時間受け付けています。

従来から運用している112番緊急電話サービスについては,感染の疑いがある場合や緊急事態電話への対応としている由です。

2.保健省を始めとするルーマニア政府当局は,当国における感染拡大防止の各種対策を上記以外にも実施しています。

各種の具体的な詳細については,以下のルーマニア内務省,外務省及び保健省の各ウェブサイトを御参照下さい。

ルーマニア内務省HP

https://www.mai.gov.ro/

ルーマニア外務省渡航情報

https://www.mae.ro/travel-alerts/

ルーマニア保健省HP(中央下にあるList zone afectate COVID-19で,入国後施設での隔離の対象となる国が確認できます。)

http://www.ms.ro/

3.(1)新型コロナウイルスの予防については,日本の厚生労働省は,以下の三点を奨励しています。

ア 人混みを避ける(飛沫感染の防止)

イ こまめに手洗いをする(石けんを使って30秒程度洗う)

ウ 咳エチケット(マスク,ティッシュ,袖の内側を使う。手を使った場合には,すぐに手を洗う。)

  換気を行うこともよいとされています。

(2)また,日本の新型コロナウイルス感染症対策本部によれば,これまでの集団感染発生の場の共通点から,特に以下の三つの条件が同時に重なる場(「三密」)では,感染を拡大させるリスクが高いと考えられる,としています。こうした局面を出来るだけ避けるように,御注意ください。

ア 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)

イ 密集場所(多くの人が密集している)

ウ 密接場面(互いに手を伸ばせば届く距離での会話や発声が行われる)

4.その他,本件について参考となり得るリンク先は,以下のとおりです。

・外務省の海外安全情報(世界各国への渡航に関する参考情報)

https://www.anzen.mofa.go.jp/

厚生労働省の関連ウェブサイト

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1

厚生労働省検疫所ウェブサイト

https://www.forth.go.jp/index.html

国立感染症研究所 ヒトに感染するコロナウイルスhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html

・WHOの関連ウェブサイト

https://www.who.int/china

【問い合わせ先】

ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890(大使館が閉館している時間は,業務委託先へ転送されます)

メール:consular@bu.mofa.go.jp

領事メールの受信希望の方は,以下のリンク先から手続きをお願いします。

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