新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(その40)

ルーマニアでは,5月12日13時までに,感染者累積15,778名,死亡者合計991名が確認されています。前日同時刻からの増加は,感染者数が190名,死亡者が19名。

●5月15日以降に導入が見込まれる警戒事態の下で講じられる規制の法的根拠となる法案は,12日現在議会上院で審議中で、その後下院に回付される予定です。法案の主な内容のみ,以下の本文に掲載します。

●他方、警戒事態の下で導入される可能性のある規制等の具体的な措置の案として関係省から提出されてパブリック・コメントに付されたものについては、前回のお知らせの時点から進展等はないものと見られます。

●同時に、今般の事態への対応の枠組み(行政府と立法府との関係、法的位置づけの合憲性等)につき,憲法裁判所の判断が求められており,その判断が明13日に示される予定であることにつき、前回のお知らせでお伝えのとおりです。

●なお、5月6日に示された罰金関係の規定を違憲とする憲法裁判所の判断については,行政府は、少なくともなお効力が発生していないとの判断をとっています。これも念頭に,引き続き御注意下さい。

●また,緊急事態期間中有効期限が延期されてきた内務省関連の一定の証明書類の,緊急事態終了後の取扱いにつき,関係の方は,先のお知らせも参考として御想起いただきたく,念のため重ねてお伝えします。

●マスクについて,着用が義務づけられている地域が多く存在します。

また,5月15日以降は,公共交通機関を含む公共の場所や商業施設等でのマスク着用が全国で義務となる可能性が大と見られますので、予めご留意ください。

●治安情勢等の変化の可能性等にも引き続き十分御注意下さい。

●上記の他,当大使館からお知らせする内容を含めて,関係の措置や情報が頻繁に更新されています。最新の状況の把握に引き続きお努めいただきますよう,お願いします。

1.内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,5月12日13時時点でのルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者は,累積15,778名,前日同時刻からの増加190名。また死亡者は,合計991名,前日からの増加19名です。感染者全体のうち,集中治療を受けている患者が238名,他方7,685名が治癒しました。

以上の統計は,ルーマニア保健省国立公衆衛生研究所の以下のウェブサイトから最新情報が確認できます。

https://instnsp.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/5eced796595b4ee585bcdba03e30c127

2.(1)昨日の領事メールでお伝えしました、5月15日以降に導入が見込まれる警戒事態の下で講じられる規制の法的根拠となる法案(「COVID−19感染症との戦いに関する措置に関する法案」)は、12日現在、議会上院で審議中です(委員会、続けて本会議。)。その後、下院に回付される予定です。

(2)この法案の主な内容として把握されている点、以下のとおりです(一部、関係省から提案されてパブリック・コメントに付された内容と重複が見られます。)。

ア レストラン,ホテル,モーテル,ペンション,カフェ、その他の公共の場所における,飲食物の提供(ドライブスルー、ルームサービス,デリバリー,テイクアウトを除く。)が、停止され得る。

イ 商店等の活動を停止することができる。例外は、以下のとおり。

配達・受領が確約されている家電製品の販売

屋外から直接入場でき、かつショッピング・モールの内部への通路が塞がれた店舗

食料品店,薬局,歯科医院,クリーニング店,理髪・美容室,眼鏡店。

ウ 公共の屋内,商業施設,公共交通機関及び職場におけるマスクの着用義務

公共機関、全ての企業は,従業員が勤務可能か否かを確認する。また、出勤時の職場入口での手の消毒を義務づける。

エ 医薬品,ワクチン,消毒用品,医療機器等の価格を固定できる。

オ 50人以上の従業員の雇用者は,従業員の同意の有無を問わず、従業員間の出勤時刻が一時間単位で三時間までの間でずれるように,勤務時間帯を変更することができる。

カ この他,本法案は,罰金を科す法的根拠を明定し、また、政令や緊急事態委員会令により分野毎の措置を導入することも可能なる旨規定しています。

(3)なお、オルバン首相は,14日(現行の緊急事態期間の終了時点)までに本法案を成立させることができない場合には,内閣が緊急政令を発出して必要な措置をとれるようにしたい、と述べています。

他方、同時に、今般の事態への対応の枠組み(行政府と立法府との関係、法的位置づけ等の合憲性)につき,憲法裁判所の判断が求められており,その判断が明13日に示される予定であることにつき、前回のお知らせでお伝えのとおりです。

これらの動向によっては,今般の新型コロナウイルス対策の全体のあり方に影響が発生し得ますので,とりあえず御留意下さい。

3.緊急事態は終了となる場合には,同時に,その導入時に示されました内務省関連の一定の証明書類の有効期限の延長も終了する(その後一定期間内に更新等を行わない場合には失効する)ことが想定されます(同省が4月2日付けで発出した関係のプレスリリースの内容(このお知らせでは,4月3日にお伝えしたものです。)には,その後変更等が行われていません。)。関係の方には改めて想起いただきたく,念のため申し添えます(関連する手続き等があると思われる方は,各当局等の所管機関への照会等,所要の措置をお忘れなく,繰り返してお伝えします。)。

右4月2日の内務省の発表の具体的な内容については,以下の当大使館からの4月3日のお知らせ(当館HP)及び内務省のプレスリリース(内務省HP)のリンクから確認いただけます。

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00057.html

https://www.mai.gov.ro/comunicat-de-presa-68/

4.(1)商用航空便につきまして,現時点では未確定ではありますが,これまで運航が停止されてきている以下の合計12か国との間では,緊急事態の終了後も運航停止が継続の可能性が大と見られます。

イタリア,スペイン、ドイツ、フランス、イラン、英国、米国、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギー、トルコの12か国

これらの国との間を含めまして,緊急事態終了後の5月15日以降の期間についての航空便の運航の可能性についても,関係の方は,引き続き,実際の個々の運航状況を,各航空会社等から十分に確認されますよう,お願いします(それまでの期間も含めて,日によっては,欧州内で二回以上の乗継ぎで帰国できる経路への接続はあるようですが,これも含めて,運航直前まで確認を続けることが適切と見られます。)。

(2)ブカレスト・オトペニ空港の本日の運航状況は,以下の同空港のウェブサイトから確認できます。

http://www.bucharestairports.ro/en/

(3)帰国される方は,日本入国時には,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,引き続きPCR検査,空港からの公共交通機関(国内便を含む。)の不使用,指定場所(自宅又は自ら確保した宿泊施設等)での14日間の待機等の措置の対象となりますので,これらにもご留意ください。

「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

5.陸路の国境地点の現状については,以下の,ルーマニア国境警察のウェブサイト及び軍事令第8号第4条関連の一覧を,参考にして下さい。

https://www.politiadefrontiera.ro/ro/main/n-date-deschise-17/

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100044980.pdf

6.(1)外出制限や隔離措置の違反とならないように,引き続き御注意下さい。一時よりは減少していますが,引き続き違反と罰金徴収等が発表されています。また,政府当局からは,制限の緩和が行われるまでは同じ規制措置を遵守する義務がある旨を強調する発言が行われています。

ア 外出制限違反は,12日13時の発表までの24時間に,273人が警察により摘発され,約16.9万レイの罰金が徴収されました。

イ また,軍事令第2号の発令以降これまでに,自主隔離を守らずに施設隔離に移された者が2,302人,施設隔離を守らずに再度14日間の隔離下に置かれた者が209人と,発表されています。

(2)なお,先にお知らせしました,憲法裁判所による違憲判決(緊急事態の下での各種の規制の違反に対する罰金の賦課やその導入の態様に関するもの)について,その後政府(戦略コミュニケーション・グループ)は,同判決は、官報未掲載でありなお有効ではないとして、各種規制違反に罰金を科すことは引き続き有効,と発表しています。いずれにしても、外出制限を含めて少なくとも規制自体が有効であることには影響はないものと見られ、加えて、上記のような政府の判断もありますので、違反は引き続き回避されますよう,念のため申し添えます。

(3)また,隔離措置について,

ア 「レッドゾーン」の対象国(現在商用の航空便の運航が停止されている12か国)での滞在後14日間以内の入国者であっても,無症状の者については,保健省令(4月16日に官報掲載)により,自宅等での個人隔離が可能な場合には,自ら作成の申立書に基づき,自宅等での隔離措置が認められるようになっています。

イ また,同じ保健省令で,感染者であるが無症状の者の,家族についても,上記アと同様の扱い(自宅等での個人隔離が可能な場合には,自ら作成の申立書に基づいて,自宅等での隔離が認められる。)とされています。

 これらの規定の原文(保健省令)については,以下のウエブサイト(法務省のウェブサイト)で参照できます。

http://www.just.ro/

7.(1)マスク(又はスカーフ等による代替)の着用義務が出されている地域が,多く存在しています。同時に,各地域での措置の詳細(着用が具体的に求められる状況,罰則の有無やその内容等)は,多様なものになっています。在住,訪問等の方は,各地域,措置の具体的内容等につき,必要な個々の地点について確認をお勧めします(当該地方のメディアやSNS等で発信されています。なお,感染の抑止のためも含めて,行き先等の如何によらず,外出等に際して常時着用又は携行されることも,もちろん一案です。)。

(2)また,上記2を含めて累次お伝えしていますように、5月15日以降は,公共交通機関を含む公共の場所や商業施設等でのマスク着用が全国で義務とされる可能性が大と見られます。予め御留意下さい。

8.新型コロナウイルスの感染に起因する各種情勢の変化等に伴い,治安状況にも通常と異なる状況が生じているおそれがあります。これにも,引き続き十分に御注意下さい。

9.本件に関し,上記の諸点を含めまして,御照会事項がおありの場合には,末尾のお問い合わせ先に,電子メール等でご照会ください。

【参考情報】

1.ルーマニア保健省は,新型コロナウイルス相談専用無料電話回線(Telverde Line。番号0800800358)を設置しています。休日を含めて24時間受け付けています。

従来から運用している112番緊急電話サービスについては,感染の疑いがある場合や緊急事態電話への対応としている由です。

2.保健省を始めとするルーマニア政府当局は,当国における感染拡大防止の各種対策を上記以外にも実施しています。

各種の具体的な詳細については,以下のルーマニア内務省,外務省及び保健省の各ウェブサイトを御参照下さい。

ルーマニア内務省HP

https://www.mai.gov.ro/

ルーマニア外務省渡航情報

https://www.mae.ro/travel-alerts/

ルーマニア保健省HP(中央下にあるList zone afectate COVID-19で,入国後施設での隔離の対象となる国が確認できます。)

http://www.ms.ro/

3.(1)新型コロナウイルスの予防については,日本の厚生労働省は,以下の三点を奨励しています。

ア 人混みを避ける(飛沫感染の防止)

イ こまめに手洗いをする(石けんを使って30秒程度洗う)

ウ 咳エチケット(マスク,ティッシュ,袖の内側を使う。手を使った場合には,すぐに手を洗う。)

  換気を行うこともよいとされています。

(2)また,日本の新型コロナウイルス感染症対策本部によれば,これまでの集団感染発生の場の共通点から,特に以下の三つの条件が同時に重なる場(「三密」)では,感染を拡大させるリスクが高いと考えられる,としています。こうした局面を出来るだけ避けるように,御注意ください。

ア 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)

イ 密集場所(多くの人が密集している)

ウ 密接場面(互いに手を伸ばせば届く距離での会話や発声が行われる)

4.その他,本件について参考となり得るリンク先は,以下のとおりです。

・外務省の海外安全情報(世界各国への渡航に関する参考情報)

https://www.anzen.mofa.go.jp/

厚生労働省の関連ウェブサイト

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1

厚生労働省検疫所ウェブサイト

https://www.forth.go.jp/index.html

国立感染症研究所 ヒトに感染するコロナウイルスhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html

・WHOの関連ウェブサイト

https://www.who.int/china

【問い合わせ先】

ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890(大使館が閉館している時間は,業務委託先へ転送されます)

メール:consular@bu.mofa.go.jp

領事メールの受信希望の方は,以下のリンク先から手続きをお願いします。

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