新型コロナウイルス感染新規症例の発生(6日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本6日,ベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに272件確認され(フランダース地域:199名,ワロン地域:62名,ブリュッセル:10名,居住地不明:1名)その結果,当地での確定症例数は50,781件となりました。

また,3月15日から昨日までの間に,12,731名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は290名)しました。

死亡者数は以下のとおりです。

(1)過去24時間の合計:110名(病院における死亡者51名,老人ホームにおける死亡者59名),これに加え3月24日から5月4日までの病院での死亡者229名が遡及して加算され,総計339名

※補足事項:この遡及して加算された229名について,内72名についてはPCR検査では陽性とならなかったが,レントゲン検査で陽性と判明(生体検査は未実施)。その他157名に関しては,死亡前に追加検査実施の機会や時間が限られていたものの,カルテ上の記載を見ると,極めて典型的なコロナ感染の症状であったため,疑い症例として計上した。

WHOは,コロナによる死者に,疑い症例も計上することを推奨しており,ベルギーは,5月5日以降毎日,病院での疑い症例も計上することにした。なお,病院での死者のうち疑い症例の者は2%強程度。

(2)これまでの合計:8,339名(内訳:病院における死亡者3,969名,老人ホーム等における死亡者4,284名(確定症例809名(19%),疑い例3,475名(81%))、自宅22名,その他の場所32名、不明32名)

昨日現在,病院のベッドについて,2,849名の感染者(過去24時間で233名減少)が利用しており,そのうち646名が集中治療室(過去24時間での増減無し),362名が人工呼吸器を利用している状況です。

昨日の感染検査実施数は約18,000件,検査実施総数は279,543件(うち老人ホームは194,633件)です。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/116-nouvelles-hospitalisations-dans-les-dernieres-24h/

(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)

https://covid-19.sciensano.be/fr/covid-19-situation-epidemiologique

2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。

(1)資料中の図の説明:

(参照アドレス:資料ダウンロード用アドレス)

https://d34j62pglfm3rr.cloudfront.net/downloads/news/numbers_20200506_FR.pdf

(ア)2.1の図は入院者数を示す。緑の縦棒は毎日の入院者数,緑の線は特定の計算方法で平均をとったものであり傾向が分かるので最も重要。ここ数日では,1日4〜7%の減少が見られる。赤の縦棒は増加率,青の縦棒は減少率を示す。

(イ)2.2の図は集中治療室患者数を示す。2.1の緑の線と同様のカーブが見られる。この1〜2日では比較的安定していることが分かる。

(ウ)2.3の図は新規感染者数を示す。ここ7日間の平均を見ると減少傾向であることが分かる。

(エ)2.4の図は死者数であり,減少傾向にあることが分かる。

(オ)2.5の図は感染検査数であり,徐々に増加していることが分かる。

(2)コロナ感染の一般的症状(symptome)と早期症状(symptome percoce)はそれぞれ何かについて説明する。現在,長期でコロナ伝染を制御し,感染者が増加するのを回避する段階に入っており,人々は何らかの症状が出た場合は医師に連絡することが求められるため,兆候と早期症状を知っておくことは特に重要。

蘭の複数の病院で行われた研究に基づき説明する。この研究では,人々がコロナに感染する前から感染した後に至るまで,体調が芳しくない状況を毎日記録することで,各段階でどのような症状が出ていたかを観察した。800名の医療従事者が調査に参加したが,この人々はおそらく一般の人よりも詳細に健康状況の記録をとる習慣があると思われる。

(ア)早期症状:我々が認識している,一般的によく見られる症状(symptome classique)とはかなり異なる。具体的には,強い倦怠感,体中の筋肉痛,これまで経験したことのないような頭痛,目またはその奥の強烈な痛み,重度の味覚・臭覚異常が観察された。

(イ)一般的症状:ここ数週間で我々が確認しているのと同様の症状,すわなち,咳,呼吸困難,喉の痛み,その後に起こる高熱が観察された。感染してから高熱が出るまでには遅れが生じる。

特に,味覚・臭覚異常及び筋肉痛の症状を,それらの症状が出た数日後のコロナ陽性の診断に正確に関連付けることができた。なお,感染したばかりの初期には他者を感染させるリスクがより高く,この初期にどう対応するかが,ウィルス伝染回避のためには重要となる。上述の症状が出たと思われたら,直ちに,他者への感染を回避するため,自宅で自己隔離し,かかりつけの医師に電話で連絡することが重要。医師が適切に判断し,感染検査の手続きを進めてくれる。感染検査は,コロナ感染がそれらの症状の原因かどうかを証明するための唯一の方法である。

(ウ)潜在的感染者を見つけることができるよう,5/4より,感染検査の対象範囲をそれまでよりも大幅に拡大した。その理由としては,検査のキャパが増強された点に加え,ワクチンや効果的治療法の開発を待ちつつ,感染者数を維持・減少させるといった戦略のために,検査数を増やすことが重要である点が挙げられる。

(3)コロナの症状が見られる際にどのように行動すべきかについて(5段階):

(ア)高熱,呼吸困難,咳といった症状に加え,下痢の症状が見られた場合,ここでは,1回のみのもの,食べ物由来と思われるものではなく,他の理由が考えられないにも拘わらず下痢が例えば1〜2日繰り返し続く場合を指すが,コロナ感染の早期症状の可能性がある。

(イ)すぐに自宅に籠もり,かかりつけの医師,すなわち一般医に連絡する。ベルギーの医療制度では,まず最初に連絡をとるのは一般医であり,医師は患者の話を聞いて分析し,コロナ感染の早期症状かどうかを判断し,検査すべきどうかを患者に告げる。

(ウ)可能な場合にはこの一般医の下で感染検査が実施される。そうでない場合は,検査機関に行くよう告げられ,そのための手続きが行われ,予約制で検査が実施される。

(エ)検査実施後も自宅に籠もる。検査結果が出るまでに通常48時間かかる。この間,自宅に籠もり始めるまでの48時間の間に接触した人の氏名と連絡先の記録を開始する。なぜ48時間なのかと言うと,感染初期,最初の症状が出始める前の24時間の間の感染力がより強く,接触した人を感染ささせるリスクがより高いため。この氏名・連絡先リストは,感染検査結果が陽性とならなければ特に必要なくなるが,念のため自宅に保管しておく。

(オ)検査結果は受診した一般医より通知される。陽性の際,同リストが役に立つことになるが,詳細については次回の記者会見で説明する。また,その後数日ないし数週間にわたり,同じ医師が電話や別の方法でフォローしてくれることになるが,詳細については別の機会に述べる。

(4)今後,感染者増加の小さな波ではなく,特に皆が懸念している大きな波を回避するため,これらの点をしっかりと遵守してほしい。大きな波が発生した場合は再び規制措置を,ひょっとしたらここ数週間よりもさらに厳しいものにしなければならなくなるかもしれない。この新たな段階をより良く乗り切れるかどうかは,我々の行動次第である。

(5)5/4より措置の段階的解除が始まったが,企業や市民は肯定的な反応を示しており,例えば企業は,全員にとって可能な限り安全な方法で活動を再開した。公共交通機関の利用の際,人々はマスク等をきちんと着用するなど,公徳心を示した。人々は自己や他者を防護可能であり,このような連帯が,今後数週間ないし数か月にわたり,我々の社会のウィルスへの耐性を高めることになる。ウィルスの制御に向け,異なる当局が異なる方策を採っているが,我々皆が自らの行動を新たな現実に適応させることによってのみ,コロナに打ち勝つことが可能となる。

今後数週間ないし数か月,コロナ感染率「R0」の数値がより下がるよう集中し,1未満となるよう維持して行かなければならない。数値が低いほど,ウィルスの勢いは弱まり,社会はより安全となる。皆が措置をきちんと守ることが重要。

(6)(ここ数日,病院での死者数が老人ホームよりも多いのはなぜかとの問いに対し)老人ホームでのウィルス伝染が,ここ数日ないし数週間で弱まったため。老人ホームでの職員及び入居者に対し現在実施されている体系的な感染検査により,感染者をより適切に隔離することが可能となっていることが主な要因。老人ホームでのウィルス伝染,新規感染者数,死者数を大きく減少させることが可能となっている。他方,病院に関しては,人々が通常の医療ケアを受ける場所であり,全体の規模もより大きく,病院での死亡率は不可避的に老人ホームと同じかそれ以上となっている。その理由は,病院が,老人ホームのようにベルギーの人口の一部のみではなく,人口全体の状況を反映しているため。

(7)(第2波の到達に関する噂を多く耳にするがどう評価しているか,その兆候を見出すことは可能かとの問いに対し)第2波は常に起こり得る。2つのシナリオが考えられる。1つ目として,今後数週間,措置をきちんと守らなければ,例えば5月末や6月始めなど,数週間以内に第2波はすぐに起きるであろう。2つ目として,もっと後に起こる場合があり,一つの可能性としては,バカンスの季節の後に起こることが考えられる。

7月あるいは8月,8月末にかけて,人々が混ざり合い,措置がきちんと守られない場合など,第2波のリスクが高まる。別の可能性として,コロナは,呼吸器感染症のサイクルに倣い,夏季よりも冬季により攻撃的となるため,第2波が他の季節性インフルエンザと同時に到来することが考えられる。措置をきちんと守り,症状が出たら医師に直ちに連絡することで,第2波の可能性や,一つまたは複数の小さな波が起こる可能性は抑えられる。

(8)(新規感染者数と入院者数は安定化しているように思われる,状況は全ての州で同様に望ましい方向に進んでいるか,それとも懸念すべき数値が見られるかとの問いに対し)全体として,現状はどの州でも同じである。これらの数値の減少は,ベルギー国内全体で見られることを確認しており,特定の州またはその一部に関する特段の懸念等はない。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/fr/live-pressconferences/

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