年末年始における安全対策について

●これからの時期は,年末年始を迎えるに当たって犯罪が増加傾向にありますので,くれぐれもご注意願います。

●モール強盗,路上ATMへの誘導,スラム街への立ち入りや迷い込み,歩きスマホ等に特に注意し,被害に遭っても抵抗は禁物です。

毎年クリスマスシーズンから年始にかけて犯罪発生率が急増します。特に近年は経済状況の悪化等の理由により,社会の不満感が高まっているとみられています。このシーズンは,強盗(貴金属店,モール,銀行を含む),窃盗(ひったくり,住居侵入等),車上荒らし(スマッシュ・アンド・グラブ含む)およびスキミング等が増加傾向にあります。南ア国家警察(SAPS)関係者からも,防犯対策として以下の注意がなされていますので,参考にして頂ければ幸いです。

1 屋外・屋内強盗

【傾向】

本年11月14日には,26歳の邦人男性を含む短期訪問中の大学関係者17名一行がミニバスで空港東側のデルフト(Delft)を視察していたところ,昼食を購入するためにガソリンスタンドで降車した際,3名のアフリカ人(国籍不明)に襲われ,2発の威嚇射撃を受けた後,同乗していたバスをカージャックされ,見知らぬ場所で下車させられた上で金品等カバンごと奪われる被害に遭いました。また,昨年は複数回ボカープ周辺で邦人が強盗被害に遭っています。犯人は複数犯である場合が多く,犯行にはけん銃,ナイフ等の凶器も使用される場合があります。交通量が多い昼間帯においても発生しており,ターゲット,時間,場所にかかわらず発生しているのが現状です。 

【対策】

外出時は車両利用を原則とするとともに,人気のない展望台や公園等へむやみに立ち寄ることは控えて下さい。また,普段から貴重品の携行法に留意し,特に公共交通機関(タクシーを含む)を利用する場合,貴金属類等を身につけていると被害に合う危険が高まります。万一直面した場合には,凶器の被害にあわないよう抵抗しないで下さい。

2 カージャック

【傾向】

スラム街,空港周辺で,高速道路の出口(オフランプ)で信号待ちの車両がターゲットになるケースが多発しています。

【対策】

ショッピング帰りやATMでの取引後,こちらの様子をうかがっているような不審人物や追尾車両の有無に気を配るとともに,かかる状況が認められた場合には,直帰せずに直近の警察署やモールなど安全が確保できる場所に一時的に避難するなどの措置を講じてください。

ニャンガ,フィリピ・イースト等のインフォーマルな住宅の並ぶスラム地域は,南ア全体として見ても最も犯罪発生率の高い地域です。立ち入らないことが最大の安全対策です。居住者の案内なく不用意且つ無防備に立ち入ることは厳に避けて下さい。周囲の産業地域や高速道路の出口の信号を含め十分警戒して下さい。

(※)特に車で空港に行く際は注意が必要です。N2の1つ前のRobertSobkwe,2つ前JakesGerwelのオフランプ交差点は貧困地域が隣接していることもあり,カージャックやスマッシュアンドグラブのホットスポットとなっています。高速出口を間違えると,スラムや犯罪多発スポットに迷い込んだりと思わぬ危険に遭遇し得ることがありますので,絶対にナビに頼り切らない様にしてください。また,主要なナビシステムでは,空港ではなく,空港内にあるレンタカー会社を設置すると安全な出口を案内しないことが多々ある為,注意が必要です(一旦,空港出口から高速を降りてレンタカー会社の駐車場を目指すのが良いです)。

3 スマッシュ・アンド・グラブ

スマッシュ・アンド・グラブを防ぐため,信号で停車する場合や停車中に周辺に不自然な動きをする者または車両がいないかを常に確認して下さい。車外から見える位置に貴重品等を置かないようにし,駐車する際も,車中に貴重品等を絶対に残置しないようにご留意下さい。やむを得ず車内に置いておく必要がある場合は,トランクなど,車外から見えないところに保管して下さい。

4 スキミング犯罪

カード情報を不正に読み取るスキミングについては,以下のパターンに分類されます。利用する場所を注意頂くとともに,手元からカードが離れるようなことがある場合は,そのカードがどのように処理されるかに注視して下さい。

(1)路上に設置されたATMには,悪質なカード読み取りリーダーが取り付けられている可能性があり,被害防止の観点から利用は極力避ける。またATM操作中に「手助け」を装い声をかけてくる者がいた場合,絶対に「悪意ある手助け」と考えて毅然とその「手助け」を断る。また銀行店舗のATMで捜査に不慣れな場合は,銀行の制服を着た係員に対してその手助けを求めるようにする。

(2)大型商業施設内の監視カメラが多く設置されたATMや,銀行店舗のATMを利用することをお勧めします。また,ATMで暗証番号を入力する際には必ず手が隠すなどして暗証番号を見られないようにしてください。

(3)犯罪者はグループで行動していることが多く,不特定の場所に出没するため,例え身なりがしっかりした者(好感を持てるような服装等)であっても,その「手助け」は「悪意のある手助け」と考えて毅然と断って下さい。詐欺集団は殆どがアフリカ人ですが,服装についは,制服を着用していたり,私服の場合であっても身なりがよい場合や胸に「Official Tour Guide」と記した金色の名札を付けているケースもあります。

(4)スーパーやレストラン等において,カードマシンにクレジットカードを挿入する際に,カードを拭う仕草を店員がしたら注意が必要です。

(5)万が一,スキミングやその他同様の被害に遭ったと思われる場合は,至急そのカードの利用履歴等を確認し,不正な取引が発生していないか確認して下さい。

(6)最近ケープタウン市内中心部では「この先の歩行通行許可のパミットをATMで入手する必要がある」等声を掛けられ,ATMに誘導され被害に遭う事案が観光客を中心に毎週末発生しており,特に年末年始は注意が必要です。ATMから許可証が発行されることはありませんので,とり合わないで下さい。路上設置のATM利用は避けることをお勧めします。

5 その他

(1)観光地において,写真撮影に夢中になり,ガイドブック片手に散策をしている時に,親切心を装い声をかけてきた犯罪者にズボンのポケットや鞄に入れた財布等を盗まれるケースもあります。また,スマートフォンの地図アプリを見ながらの歩行や運転も危険です。2018/19年の年末年始には,邦人観光客4名(大人2名,子供2名)がV&Aウォーターフロントにあるハーゲンダッツ店内で旅券等の置き引き被害に遭い当初の予定どおり帰国できない事案が発生しました。

(2)ホテル等

滞在先ホテル等で貴重品をバックに入れたまま室内に残置することや,レストラン等で食事をする際も,背もたれに吊すことはせず,常に自分で確認できる場所で管理し,例え,同席者がいても,貴重品を入れたバッグ等を安易に放置しないようお願いします。なお,本年7月16日には市内マウント・ネルソンホテルに銃を所持した強盗団が押し入った事件がありました。また8月19日にはトカイ地区ブルールートモールでも同様の強盗事件がありました。

(3)空港

ケープタウン国際空港では,一昨年10月18日にギャング団の幹部を狙った銃撃がありました。空港や駅は近代的な建物であり,一見安全に見えますが,不特定多数の人が利用する場所ですので,特に身の安全に対する注意が必要です。

******************************************

このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。

このままご返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。

ケープタウン領事事務所

電話:(国番号27)-(0)21-425-1695

******************************************