在中国日本大使館からのお知らせ(危険情報の改訂)

外務省海外安全ホームページに,「中国の危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)」が掲載されました。改訂のポイントをお知らせいたしますので,中国への渡航・滞在にあたり参照をお願いいたします。

中国にお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ

在中国日本国大使館

1 外務省海外安全ホームページに,海外安全情報「中国の危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)」が掲載されました。

【危険レベル】 ●新疆ウイグル自治区 レベル1:十分注意してください。(継続)●チベット自治区 レベル1:十分注意してください。(継続)

2 今回の改訂内容は以下のとおりです。

(1)日中関係の推移などによる対日感情の影響については常に注意が必要です。特に注意すべき日として歴史上の記念日があり,2017年は7月7日の盧溝橋事件発生の日と12月13日のいわゆる「南京事件」の発生日がその80周年にあたることに留意が必要です。

(2)中国では,刑法,反スパイ法,軍事施設保護法,測量法(中国語で「測絵法」)等に基づき「国家安全に危害を与える」とされる行為は,場合によっては長期間拘束された上,刑事罰を科されるおそれがあり,2017年4月,北京市では市民による反スパイ行為の手掛かりの通報を奨励するとの規則が制定されるなど,注意が必要です。

(3)2017年2月,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)が。中国政府を脅迫するウイグル人戦闘員のメッセージ動画を公開したとの報道があります。

3 危険情報の内容については以下を参照してください。

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T037.html

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中国の危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

【危険レベル】

新疆ウイグル自治区 レベル1:十分注意してください。(継続)

チベット自治区 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】

新疆ウイグル自治区では,過去に多数の死傷者を出す暴動や無差別殺傷事件が発生しています。今後も不測の事態が発生する可能性があり,引き続き注意が必要です。

チベット自治区では,過去に僧侶等によるデモが一部暴徒化し,多数の死傷者が出る事案が発生しています。今後も不測の事態が発生する可能性があり,引き続き注意が必要です。

☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。

1 概況

(1)中国では,外国人が居住している地域や観光スポット等の治安状況は比較的安定しており,一般的な注意をしていれば犯罪に巻き込まれる可能性は低いといえます。ただし,国土が広く,すべての地域で同じように治安が安定しているわけではなく,中国の様々な地域で暴動が発生しているとの報道もあります。滞在・旅行される地域の情報の収集が重要です。

(2)また,一般的な治安は良くても,対日感情が悪化し,邦人や日系企業を狙った抗議行動等が行われる可能性もあるので,日中関係の推移等による対日感情の影響については常に注意が必要です。特に,7月7日の盧溝橋事件発生の日(2017年は80周年),8月15日の終戦記念日,9月3日の「抗日戦争勝利記念日」,9月18日の満州事変(柳条湖事件)勃発の日,12月13日のいわゆる「南京事件」(2017年は80周年)をはじめ,日本に注目が集まりやすい歴史上の記念日等には特に気をつける必要があります。

(3)新疆ウイグル自治区チベット自治区について危険情報(レベル1:十分注意して下さい。)を発出しています。新疆ウイグル自治区においては,2014年にウルムチ市の駅前や市場において爆発による無差別殺傷事案が発生するなどしています。チベット自治区やその周辺地域ではチベット族が焼身自殺をする等の事案が発生しており,治安情勢において不安定要因も散見されます。このような地域では引き続き注意が必要です。

(4)2013年10月に北京市天安門に車が突入し死傷者が出る事件,2014年3月に雲南省昆明市の駅構内で無差別殺傷事件等,新疆ウイグル自治区以外においても民族や宗教に絡む凶悪な事件が発生しています。また,2015年9月に広西チワン族自治区柳州市柳州県で爆弾が爆発し複数名が死亡する事件や,2016年6月に上海浦東国際空港で手製爆弾による爆発が発生し外国人を含む4人が負傷する事件など,社会不満を背景とする個人による凶悪な爆発事件も発生しています。

(5)2016年7月に在キルギス中国大使館において発生したテロによる爆発事案等に伴い,中国政府のテロ対策も強化されており,これに伴い,入国管理等の規制が強化される傾向にあります。

(6)また,スパイ行為の疑い,軍事施設の写真撮影や未開放地域への侵入,無許可での測量や地質調査等で身柄を拘束されることがあり得ます。最近,中国では,反スパイ法,国家安全法,反テロリズム法,外国NGO管理法が施行される等,国家安全に対する取締りを特に強化しており,2017年4月,北京市では市民による反スパイ行為の手掛かりの通報を奨励するとの規則が制定されました。日本との体制・制度の違いについても,治安への注意と共に,十分に理解することが必要です。

(7)中国において,日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセルイスタンブールジャカルタ等でテロ事件が複数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。2017年2月には,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)が,中国政府を脅迫するウイグル人戦闘員のメッセージ動画を公開したとの報道もあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2 地域別情勢

(1)新疆ウイグル自治区

  レベル1:十分注意してください。(継続)

ア 新疆ウイグル自治区では,2009年に区都ウルムチ等で発生した暴動により多数の死傷者を出しました。その後も,同自治区カシュガル地区やホータン地区で無差別殺傷事件等が発生しており,2014年にはウルムチ市の駅前や市場(バザール)付近での無差別殺傷事件で多数の死傷者が出たほか,2015年にはアクス地区においてテロ集団による炭鉱襲撃により多数の死傷者が出ています。すべての事件が報道されていない可能性もあり,また,今後も不測の事態が発生する可能性は排除できないことから,引き続き注意を払う必要があります。

イ 同自治区のうち,アフガニスタン及びパキスタンとの国境付近は,両国の情勢の影響により,治安が不安定となる可能性があるため注意が必要です。(アフガニスタン及びパキスタンについては,別途「危険情報」が発出されています。)なお,国境地域では,国境が一時的に閉鎖されたり,崖崩れにより国境付近の道路が通行不能になる等の状況も発生しています。特に中国−パキスタンを結ぶいわゆる中パ道路は,途中で5000メートルの峠を越す山岳ルートであり,治安だけでなく自然環境も厳しい場所ですので,陸路での移動はお勧めできません。

 以上の状況から,現在新疆ウイグル自治区については「レベル1:十分注意してください。」を発出しています。同地区において不測の事態が発生する可能性は依然として排除されません。また,同自治区が在中国日本国大使館のある北京から遠距離にあることから,事件・事故等,不測の事態が発生した場合,邦人援護を目的とした同大使館員の現地入りには時間がかかる点にも留意してください。

つきましては,同自治区渡航・滞在を予定されている方は,現地情勢に関する情報入手に努めるとともに,渡航・滞在の適否を判断し,また旅行日程等を慎重に検討して,現地では不測の事態に巻き込まれないよう十分注意を払ってください。

(2)チベット自治区

  レベル1:十分注意してください。(継続)

ア チベット自治区では,2008年に僧侶等によるデモが相次ぎ,デモ参加者の一部が暴徒化するなどして多数の死傷者を出しましたが,現在,同自治区内に特段危険な状況は認められず,概ね平穏な情勢が保たれています。ただし,僧侶の焼身自殺事案が発生しているとされ,当局は一定の警戒態勢を敷いています。

イ 同自治区では毎年2,3月頃等,厳重な警戒態勢が敷かれる可能性があります。チベット自治区を旅行する場合は,旅行社等を通じ,あらかじめ「入藏証(チベット自治区入境証)」を取得することでチベット自治区政府の許可を得ておく必要がありますが,当局の判断により一時的に外国人旅行客に対する「入藏証(チベット自治区入境証)」の発給が停止され,入境が制限される可能性があるため注意が必要です。

ウ チベット自治区は全般的に標高が高く(区都ラサの標高は3,650m,シガツェは3,850m,チベット鉄道全線の平均海抜は約4,500m(最高地点は5,072m)等),高山病にかかりやすいため,旅行の適否,行程の検討及び海外旅行保険への加入も含め事前準備等は入念に行ってください。同自治区は高山・山岳地帯であり,一般的に道路状況は良くありません。2014年8月には観光バスがトラック等と衝突し,崖下に転落して44名が死亡する事故も発生しています。

 つきましては,同自治区渡航・滞在を予定されている方は,上記情勢に加え,同自治区が在中国日本国大使館のある北京から遠距離にあることから,事件・事故等,不測の事態が発生した場合,邦人援護を目的とした同大使館員の現地入りには時間がかかる点にも留意しつつ,現地情勢に関する最新の情報を入手した上で渡航・滞在の適否あるいは旅行日程等を検討して下さい。事前に旅行社に対し「入藏証」の取得が可能かどうか確認すること及び海外旅行保険に加入することも含め,入念な準備を行って,現地では不測の事態に巻き込まれないよう慎重に行動してください。

3 渡航・滞在に当たっての注意事項

(1)中国では,社会体制,文化,習慣等が日本と異なることを常に念頭に置いて人々に接することが肝要です。日本や日中関係を巡って対日感情が悪化する場合には特に注意が必要であり,また,平時においても日本人の言動に過敏に反応される可能性もありますので,滞在中は節度ある態度や行動が望まれます。歴史上特に注意すべき日として,8月15日の終戦記念日や9月3日の「抗日戦争勝利記念日」,9月18日の満州事変勃発の日などがあるほか,2017年は,7月7日の盧溝橋事件発生の日と12月13日のいわゆる「南京事件」(中国では「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」とされています)がその80周年にあたることに留意が必要です。

(2)国内情勢の推移によっては,各地でデモ等不測の事態(混乱)が生じる可能性も排除できませんので,滞在中は下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。

 ○外出する際は,行き先の安全を確かめるとともに,行き先では周囲への警戒を怠らない。

 ○衝突,暴動等に巻き込まれないよう,集会,抗議活動(デモ)等が行われている場所,またその可能性のある場所には近づかない。

 ○パスポート等身分証明書を携帯し,職務質問を受けたときに備える。

 ○家族や知人に行き先,居場所,連絡先を知らせておくとともに,定期的に日本の親族等と連絡を取る。

 ○身辺に危険を感じた場合には,速やかに安全な場所に避難する。

 ○万一,トラブルに巻き込まれた場合には,速やかに最寄りの日本国大使館・総領事館に支援を求める。

(3)中国国内には,一部,外国人の立ち入りが制限される未開放区域があります。同区域に入ろうとする場合は,査証取得の段階で立入りを申請するか,入国後であれば最寄りの公安局に申請して旅行証明書の発給を受け,該当区域の範囲や宿泊施設の有無等について十分説明を受けた上で入域するようにしてください。

(4)中国では,刑法,反スパイ法,軍事施設保護法,測量法(中国語で「測絵法」)等に基づき「国家安全に危害を与える」とされる行為は,場合によっては長期間拘束された上,刑事罰を科されるおそれがあります。「国家安全に危害を与える」とされる行為は必ずしも明確ではありませんが,「国家機密」の窃取をはじめ,様々な行為が取締りの対象とされる可能性があるので,疑われないよう注意することが必要です。たとえば,軍事施設等(軍事禁区,軍事管理区)は許可なく立ち入ったり,撮影することが禁止されています。また,許可なく測量調査等を行うことは違法であり,GPSを用いた測量や地質調査,考古学調査等を行うと拘束される可能性があります。

そのほか,統計法では外国人による無許可の統計調査が禁止される等,学術調査も場合によっては法律に抵触する可能性があります。さらに,政府関連施設,軍事関連施設,一部の博物館・美術館,あるいはデモ等の政治的活動を撮影(写真・ビデオ撮影)することは原則として禁止されていますので,撮影を行おうとする際は,事前に規制の有無を確認するよう留意してください。特に,中国と周辺国の国境地帯への立入りや写真撮影等の行為が厳しく規制・監視されますので,不必要に国境管理地域に近寄らないよう十分注意してください。

(5)中国政府は,麻薬等違法薬物の密輸,販売,運搬,製造,所持,譲渡等に係わる犯罪に対しては,極めて厳格な取締りや検挙が行われ,違反した場合の法定刑は非常に重く,最高刑には死刑が規定されています。「違法薬物とは知らなかった。」等の言い訳は通用しません。絶対に興味を示さないようにすることはもちろん,繁華街の路地裏など犯罪の温床となるような場所には近づかない,あるいは不審なもの(タバコ,高級茶葉と称される例が多い)を購入しないことが肝要です。また,自分では気付かないうちに「運び屋」として利用される可能性もあるので,特に空港等においては,見知らぬ他人からの荷物は絶対に預からないよう,また,知らない間に手荷物に薬物等を入れられたりしないよう,手荷物の自己管理を徹底することが肝要です。

(6)都市部等において何らかの犯罪被害等に巻き込まれる例があり,旅行の際は,以下の点にも留意しつつ,常に慎重な行動を心がける必要があります。

 ○繁華街の路地裏等,犯罪が発生しやすいと考えられる危険地帯へは立ち入らない。

 ○夜間の路上の一人歩きは避ける。

 ○いわゆる「白タク」は利用しない。

 ○周囲の雰囲気に溶け込めるような服装を選択する。

 ○人目を引く振る舞い(人前で大金を見せるような行為,人前で誰かを罵倒するといった行為等)は厳に慎む。

 ○不要な大金を持ち歩かない。

 ○言葉巧みに話しかけてくる人物がいても,これに応じない。

また,「安全対策基礎データ」に日本人の犯罪被害例を掲載していますのでご参照下さい。

http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=009

(7)毎年,国内各地で台風や大雨等による洪水や土砂崩れの被害が発生し,多くの被災者が出ています。また,中国西部を中心に地震が多発しています。渡航を予定する際には,自然災害にも注意し,関係の情報を入手するようにしてください。

(8)地域や季節によって,中国の各地で深刻な大気汚染が発生しています。在中国各公館のホームページに関連情報を掲載していますので参考にしてください。

(参考)中国における大気汚染に関する注意喚起(http://www2.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/pcinfectioninfo.asp

(9)近年,鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が各地で発生しています。H7N9以外の鳥インフルエンザの人への感染例・死亡例も報告されていますので,感染源とされる生きた鳥を扱う市場や家きん飼育場への立入りは避け,不用意に家畜・鳥に近寄ったり触れたりしない,外出先から帰ったときは手洗いを励行するなど,衛生管理に十分留意してください。最新の流行状況については,海外安全ホームページや在中国各公館のホームページを参考にしてください。

(参考)鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症例発生(http://www2.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/pcinfectioninfo.asp

(10)最近,中国では日本人のパスポートの紛失・盗難事案が多発しています。紛失した場合,日本大使館総領事館で新しいパスポートや帰国のための渡航書発給の手続きに加え,派出所への遺失届や公安局出入局管理部門での紛失証明書の発行,出国査証・滞在査証の取得等の煩雑な手続きが必要となり,2〜4週間を要することとなります。この一連の手続が終了するまでの間,帰国や中国国内を移動することも不可能となりますので,紛失しないようパスポートの管理には十分ご注意下さい。

(11)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。

3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet

3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

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このメールの送信アドレスは送信専用です。

在中国日本国大使館領事部

電話:(国番号86)-(0)10-6532-5964

HP: http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm

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○このメールは、在留届、メールマガジン、たびレジに登録されたメールアドレスに自動的に配信されています。

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