新型コロナウイルス対策(公衆衛生省記者会見ポイント:23日)

ベルギーにお住まいの皆様、及びたびレジ登録者の皆様へ

本日11時、公衆衛生省による記者会見が行われましたので、主なポイントを以下のとおり御案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/en/live-pressconferences/

1.Yves Van Laethem連邦間報道官

【感染状況の概観】

我々は赤色の数値及び地図に突入したと言える。現在、1日あたり平均4,000人以上の新規感染者がおり、同200人の新規入院者が発生している。600人が集中治療を受けており、バレンタインデー前の5週間前と比べ2倍となっている。これは高い数値であり、第二波が来る前の昨年9月から10月初旬と同規模である。

他方、増加の加速度については、まだ第二波の時ほど大きくはない。我々は指数関数的なフェーズにはあらず、第二波の際には毎週(=7日毎に)数値が倍増していたのに対し、現在は14日毎となっている。ワクチン接種が追いかけてはいるが、ウイルスは引き続きそこにいる。また、我々はまだこの再発をコントロールするために行動することができる。接触を制限するための全ての努力及び措置が重要である。もちろん厳しい措置によって解決されうるが、措置自体が重要なのではなく、我々がどのように適用するか、毎回マスクの着用が必要となる中での他人との距離、より広義の意味において、仕事や家族・友人間での接触の制限といった措置をどのように我々の生活に組み込むかが重要である。

ベルギーにおける国民の移動について、グーグル・モビリティーのデータに基づき修正が加えられた。その他の時期では24から25%の減少であったが、コロナが(再)流行に転じる前ではおおむね20%程度の減少となっていた。また、第二波の初めでは15%の減少であったことが見て取れる。現在では、国民の移動が比較的多くなり続けており、最近では最も多くなっている(当館注:図によると19.7%の減少)。

【新規感染者数】

先週は、1日あたり平均4,060人の新規感染者数が発生した。週あたり41%と大幅な増加である。現在では、1日あたり57,000件と検査数も同様に多くなっているが、陽性率が7.5%である点を強調しなければならない。平坦部の時期にはせいぜい5.5%から6%であったが、検査数は増加しているにもかかわらず、15日ほど前から6〜7.5%となっていた。したがって、この陽性率(の高さ)は大きな意味を持つ。この増加は、2020年末から2021年初頭の第二波の終盤に観測されたその他の「さざ波(vaguelette)」の際に比べ、大きなものとなっている。

先週は、3度に亘り、1日に5,000人以上の新規感染者が報告された。したがって、現在の感染リスクは、第二波以降では特に(最も)高く、高リスクの人々、向こう数週間のうちにワクチン接種を受ける者については、ワクチン接種を待つ間特に注意を払わなければならない。1回ワクチンを受けたからもう感染しないという訳ではなく、1回目の接種の後に十分な保護をもたらすまでに必要な時間があり、特に大きな防護効果がもたらされるのは2回目の接種の後(2回の接種を求めるワクチンの場合)であるという点に留意する必要がある。

昨日時点(の新規感染者数)は、前週比42%の増加であった。今日が41%であったことから、一種の「停滞(stagnation)」の状況にあるとの印象を持っており、いずれにせよ大幅な加速はまだ見られない。これが単に、最近見られた数値の急上昇の中で一時的な延長上にあるものなのかどうかについては、向こう数日間(の動向)により明らかになる。この増加は、残念ながら90歳以上のより高い年齢層も含め全ての年齢層で見られており、明らかに最も増加しているのは主としてより若い年齢層、すなわち子ども・青少年であり、先週金曜日の発表と同様、それぞれ56%及び60%の増加となった。

現時点で、全ての新規感染者のうち4人に1人はこの年齢層に該当する。この年齢層において過去に比べ多くの検査が行われていることは事実であるが、陽性率はより高い年齢層に比べ引き続き高くなっている。感染者数の増加は、ベルギー全土で見られており、全ての州で27%を上回る増加率となっている。リエージュ州が27%の増加と最も少ないが、ブラバント=ワロン州では69%の増加となった。他方で、ナミュール州において感染率が最も高くなっており、14日間で人口10万人あたり669人の感染者が生じた。ベルギー全体では同422人であり、1.5倍となっていることが分かる。ブリュッセル首都圏地域、東フランダース州、エノー州がナミュール州に続いている。

【新規入院者数】

新規入院者数については、停滞していたカーブが上昇の最中にあることが明らかである。増加を続けており、(1週間あたり平均)204人、同167人であった前週と比べ22%の増加となった。20日(土)には243人が新たに入院し、一日の数値としては本年初頭以降、最も高いものとなっている。緩やかではあるが一貫して上昇し続けている病院のベッドの占有率が高まっており、現時点で2,359人の新型コロナウイルス患者が入院している。これは、前週比12%の増加に相当する。全入院者数のうち4人に1人、すなわち588人が集中治療室に入院している。これは前週比17%の増加であり、入院者全体で見るよりも高い割合で増加しているということである。

集中治療については、現在、1ヶ月で倍増するペースであり、このペースが続けば4月中旬には1000人という病院を機能させるという観点から象徴的で重要な水準に達することになる。

【死亡者数】

死亡者数は、随分前から現在までにおいて初めて極めてわずかな増加となった。1日あたり2人、2%の増加であった。この増加は65〜74歳の年齢層でみられており、すなわち主として施設に入居していない人々であり、老人ホームやケアセンター等の施設では死亡率は引き続き減少している。

【病院のフェーズ1Bについて】

ご存じのとおり、3月22日以降、病院はフェーズ1Bに入った。これは、集中治療室の50%(2000床のうち1000床)を新型コロナウイルス患者のために確保しておかなければならないということを意味する。このため、病院側は緊急では無い一定数の手術や重症の治療を延期しなければならない。これは「延期ができる治療」ということであり、例えば人工機器が必要で、手術前に長時間痛みがある者等につき、容態を悪化させることなく行うことができる治療である。すなわち、患者の日々の健康にとって必要不可欠な治療は延期するべきではない。

このメッセージによって、自身にとって大事な症状の治療が延期されるべきではなく、深刻な症状がある場合にはかかり付け医や医療機関を引き続き受診するべきである。一般医及び病院のいずれにおいても再感染が起こらないように措置が講じられており、安全に継続して受診することができる。

第一波の際、診断が遅れた例として癌を取り上げたい。癌基金が,新たな癌の診断にコロナが与えた影響を調査した。第一波のピークであった昨年4月、前年と比べ、癌と診断された数は1/2倍以下に減少した。しかし、残念ながら、コロナは癌の頻度を代わりに減少させるわけではない。5、6月に癌と診断された数は遅れを取り戻したが、部分的でしかなく、コロナ危機が始まった3月から9月の間、想定していた癌診断数よりも14パーセント低かった。14パーセントという数字は劇的ではないものの、より早く対処すれば,治癒する希望がより高まる病気について、引き続きより遅い診断だったということである。これは、現在、まだ受診していない5,000名の癌に罹患している者がいることを意味する。

このような問題を再発させないこと、診断を遅らせないことは極めて重要。健康に問題がある場合には,躊躇せずに受診してほしい。

2.Sabine Strodeurワクチン接種タスクフォース広報官

【ワクチン接種について】

我々は、新型コロナウイルスワクチンの接種は、個人の選択にすぎないということではないと頻繁に強調してきた。第一に、全員が参加を求められる集団的取り組みである。より多くの人がワクチン接種を受けるほど、日常への復帰はより早くなる。感染流行の時において、ワクチン接種は連帯のより具体的な形である。各自がワクチン接種を受けることで、全ての人々の心身の健康に貢献することになる。ワクチン接種は、日常を取り戻すための唯一の手段である。

その確実性及び見通しから、全ての医療従事者及びワクチン接種タスクフォースは、数週間前から、より脆弱な人々から順にベルギー国民へワクチン接種を行ってきている。この文脈において、本日はワクチン接種者が100万人に達したという、我々にとり重要な日となった。本日より、ベルギーでは100万人以上の人々が、新型コロナウイルスによる重症化及び入院から守られることとなる。これは、我々が歩む道にあるいくつもの落とし穴とは無関係に、ワクチン接種キャンペーンが進展するということを裏付ける象徴的な1つの段階である。

日常への復帰に直接貢献する者(ワクチン接種を受けた者)として、毎日約1万人が追加されていく。道のりはまだ長く、我々が身を置くプロセスは短距離走というよりはマラソンである。他方で、(100万人の)水準を突破したことで、我々は徐々に次のステップを考えることができる。感染率と入院者数が高い中ではあるが、ワクチン接種の進捗状況は、その時が来ればこれを受けることに利益があることを我々に納得させる希望である。ワクチン接種やワクチンについてまだ疑問を持っている人々はいるだろうが、毎日届く科学的データを基に我々は引き続きその疑問に答えていく。ワクチン(接種)に対する疑いは、新型コロナウイルスが我々の日常に与える影響の確実さの前では、とるに足らないものである。

3.その他

次回の記者会見は3/26(金)11時予定。

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■■ベルギー国立公衆衛生研究所では,新型コロナウイルスに関する感染者数等の情報を公表しています(毎日午前4時に更新)

https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/news_200923-1.html

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Fax :(02) 513-4633

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