新型コロナウイルス感染新規症例の発生(26日)

ベルギーにお住まいの皆様、及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本日、ベルギー国立公衆衛生研究所が発表した新型コロナウイルスの感染傾向は以下のとおりです。

(1)感染者数(注1)(総数:763,885名)

・2月16日〜2月22日の平均:2,294名

・2月8日〜2月15日の平均:1,857名

・変化:前週と比較して24%増加

(2)入院者数(注1)(2020年3月15日以降の総数:56,619名)

・2月16日〜2月22日の平均: 125.6名

・2月8日〜2月15日の平均: 120.3名

・変化:前週と比較して4%増加

(3)死者数(注2)(総数:22,006名)

・2月19日〜2月25日の平均: 28.0名

・2月11日〜2月18日の平均: 40.0名

・変化:前週と比較して30%減少

(注1)直近の3日間(当館注:2月23日〜2月25日)の新感染者及び死者数については、まだ統合されていない。

(注2)すべてのタイプの場所(当館注:病院、老人ホーム等)における死者。

(4)Rt値(実効再生産数)(当館注:1名の感染者が何人に再感染させるかを表す値。一般に「1未満」であれば収束傾向にあることを示すものとされています。)

・2月19日〜2月25日:1.034

(参照アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ(仏語))

https://covid-19.sciensano.be/sites/default/files/Covid19/Derni%C3%A8re%20mise%20%C3%A0%20jour%20de%20la%20situation%20%C3%A9pid%C3%A9miologique.pdf

2 本日11時、公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおり御案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/en/live-pressconferences/ 

【冒頭】

●新規感染者数は、主に労働人口において増加し続けている。新規入院者数及び集中治療患者数も増加している。逆に、死亡者数は主に老人ホーム入居者の間で減少し続けている。検査数が増加する中での新規感染者数の増加は、ウイルスがより広く伝染していることを示す。これは、より伝染力の強い変異株が拡散しているためかもしれない。あるいは、措置が以前ほど遵守されていないためかもしれない。

接触追跡及び他の調査により、人々の平均接触回数は数週間前よりも多いことが判明している。接触追跡はまた、1名の陽性者が3.2名の高リスク接触をもたらしていることも示している。この数値は、昨年11月には2.2名であり、28%増加となっている。

●我々はまだ、この増加傾向が逆方向に向かい、過去4か月の増加カーブの停滞が継続するようにすることができる。濃厚接触の制限は、疑いなく、ウイルス蔓延対策の主な手段の一つである。我々は、多くの人にとってそれが難しいことを理解している。しかし、この努力は実を結ぶ。今後数週間、頑張ってほしい。春が状況の改善をもたらすであろう。

【新規感染者】

●ここ7日間の1日当たり平均感染者数は2,294名で、前週と比較して24%増。我々は今、1月末と同じ状況に置かれている。

●現在、新規感染者数の増加は全ての州においてみられ、3つの地域(フランダース、ワロン、ブリュッセル)では同じ状況にある。現時点で最も高い増加率が観察されるのはナミュール州及びブラバン・ワロン州であり、それぞれ40%増、39%増となっている。東フランダース州では、新規感染者数が最も多く、1日当たり平均は386名、次に多いのがアントワープ州、ブリュッセル首都圏地域となっている。

●新規感染者数の増加は、80歳以上の者を除く全ての年齢層においてみられる。80歳代の層に関しては2%減、90歳代に関しては15%減である。他方、感染者数の増加が最も多いのは40歳代と50歳代であり、34%増となっている。

●先週、新規感染のうち53%が英国変異株によるものであったと推定している。その前の週の同数値は38%であった。これは、英国変異株が常に増加し続けていることを示している。なお、新規感染のうち2.2%が南ア変異株、0.9%がブラジル変異株によるものである。

●インフルエンザは現在もほぼ観察されない。今冬はおそらく、1985年の測定開始以来、インフルエンザが(ほぼ)存在しない初めての冬である。しかし、昨年8月には、より多くの人に、急な発熱などのインフルエンザの症状がみられた。現在、一般医におけるインフルエンザ症状の診察数は、住民10万人あたり120件である。先週の同数値は52件、その前の週は118件であった。休暇中であった先週に同数値が低かったのは正常なことである。というのは、休暇中にインフルエンザの症状で一般医の診察を受けた人の数が少なかったためである。

●インフルエンザの症状があった人の40%がコロナ感染者とみられている。仮にそのような症状がある場合、あるいは風邪をひいた(と感じた)場合、コロナに感染したかもしれないとまずは疑い、検査を受けてほしい。

【新規入院者】

●新規入院者数は僅かに増加している。ここ7日間での1日当たり平均人数は126名、前週と比較して4%増。この人数は2週間前と同じレベルである。ブリュッセル首都圏地域では、入院者数の増加は29%増とより多いことを確認している。

●現在の入院者総数は1,761名であり、前週と比較して11%増。集中治療患者数は368名で前週と比較して17%増となっているが、2週間前は300名のみであり、この2週間で約70名増加した。この増加の正確な理由は現在まだ検証中であるが、部分的には、いくつかの病院におけるクラスター発生が理由と考えられる。集中治療患者数の増加は、複数の州においてみられるが、特にブリュッセル首都圏地域及び東フランダース州で目立っている。東フランダース州では、入院患者の5名に1名が集中治療患者である。

【死亡者】

●死亡者数は一貫して減少している。1日当たり平均28名で、前週と比較して30%減となっている。この減少は主に、老人ホームでの死亡者数減少のためであり、この1週間で47%減とほぼ半減している。なお、一般の間では、死亡者数の減少は2%減とごく僅かでしかない。

【ワクチン接種と感染者数】

●現在、約443,000名が1回目、289,000名が2回目のワクチン接種を終えている。85歳以上の25%が、1回目の接種を受けた。老人ホームでの状況は好ましい方向に進展し続けている。

●2/17-23の期間の感染者数に関し、ワロン地域及びフランダース地域では(前週と比較して)減少している。ワロン地域では1,000人当たり2.4名から1.7名へと減少、フランダース地域では同2.9名から2.0名へと減少している。ブリュッセル首都圏地域では微増しており、同1.7名から3.1名へと増加している。

ブリュッセル首都圏地域での増加は主に、4つのクラスター発生が理由であり、うち2つはワクチンの1回目と2回目の接種の間に起きており、他のクラスターは2回目の接種の数日後に起きている。ワクチンによる防護は、2回目の接種後10日目に最適の状態となる。これは、措置の緩和が、2回目の接種が一巡した後の10日目にしか可能でないことを示す。これはつまり、少なくとも住民の90%、医療従事者の70%がワクチン接種した(状態でなければならない)ことを示す。

【老人ホーム】

●ワロン地域の老人ホームでは、感染者が全体9%であり、(少なくとも各老人ホームに感染者が)1名いたが、前週の同数値は10%であった。フランダース地域では8%と前週の12%から低下、ブリュッセル首都圏地域では11%のまま一定であった。大きなクラスターは現在も稀であり、ワロン地域及びブリュッセル首都圏地域では老人ホームの1%、フランダース地域では3%となっている。

●老人ホーム入居者の間での新規入院者数は減少し続けている。この1週間でほぼ30%減少している。また、老人ホームの死亡者数も前週より減少している。

【ジャーナリストからの質疑への応答(変異株関連のみ)】

(Q)新たなNY変異株に関する情報はあるか。

(A)まず、現在、毎週のように新たな変異株が世界中のあらゆる場所でもたらされている。NY変異株のみでなく、カリフォルニア変異株、フィンランド変異株もあり、新たな変異株の登場は今後も続くであろう。

ウイルスの蔓延において、突然変異や変異株が発生するのは普通のことである。時には、変異株が、(通常株よりも)優性性質を持つことがあり、それが後世に引き継がれることはあり得る。

現在、ベルギー及び欧州で起きていることとして、我々は、英国変異株が拡散し、優勢になりつつあるのを観察している。外国の変異株により状況が進展するのは通常のことである。NY変異株は、我々がよく知っているいくつかの変異を有している。これは484Kと呼ばれる、ブラジル変異株及び南ア変異株と全く同じ変異であり、通常株への感染後またはワクチン接種後に形成された一部の抗体に対し,新たな変異株を認識させなくなるものである。

しかしこれは、人体がもはや防護されていないということや、免疫反応が不十分ということを示すのではなく、防護がやや弱まっているということを示す。このことの、重い病状を予防する上での重要性についてはよく分かっていない。この変異が世界中のあらゆる場所においてそれぞれ独立しているという事実は、すなわち、重要な変異であり、ウイルスにとってより利益をもたらすものであるということである。それゆえ今後、おそらく、ある地域や国の名がつけられた変異株に注目するよりもむしろ、興味深く重要な変異をモニタリングすることの方がより重要である。現在みられるこの変異は、明らかに重要な変異である。

【その他】

●次回の記者会見は3/2(火)11時予定。

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■■ベルギー国立公衆衛生研究所では,新型コロナウイルスに関する感染者数等の情報を公表しています(毎日午前4時に更新)

https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/news_200923-1.html

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