ギリシャ政府による新型コロナウイルス感染症対策(出入国制限措置等)

 ギリシャ政府は、新型コロナウイルス感染症対策として出入国制限措置を課していますが、同措置が11月30日まで延長・一部変更されました。なお、ギリシャでは新型コロナウイルスの感染拡大が深刻となっており、ギリシャ政府は現在、全土に対して厳しい外出制限措置を行っています。これに伴い、減便や欠航など、航空機の運航にも大きな影響が出ることが予想されます。また、先日7日にお知らせさせていただいたとおり、出入国時の事前PCR検査(陰性)結果提示義務、事前電子登録フォーム(PLF)による登録義務が変更となっています(下記6をご参照ください)ので、ご注意ください。

1 入国制限(延長、一部変更)

  ギリシャ政府は、非EUシェンゲン協定加盟国からの入国制限を行っていますが、日本をはじめとする一部の国の居住者に対しては制限を緩和しています。

  11月30日までの同措置の継続と緩和対象国の発表があり、日本、豪州、ニュージーランドルワンダ、韓国、タイ、ウルグアイアラブ首長国連邦シンガポールの居住者は引き続きギリシャ入国可能となっています(※下記6記載のとおり、日本からの旅客を含む全ての入国者に対して、これまでの事前電子登録フォーム(PLF)による登録に加え、新たに事前PCR検査が義務づけられることになりました)。

  また、11月7日付の官報によれば、イスラエル居住者及びロシア居住者についても11月30日まで入国の許可を延長するとのことです(1週間に入国できる人数制限が設けられており、更にホテル等の予約書が必要とされるとのことです)。

【上記以外に入国制限対象の例外となる者(書類で証明する義務あり)】

(1)EUシェンゲン協定加盟国に滞在許可を有する者、(2)EUシェンゲン協定加盟国民及びその配偶者、同棲者、未成年の子、(3)医療関係者、(4)政府団、外交団、国際・EU・人道的・軍事・法執行機関構成員、市民保護省構成員等、(5)輸出入業関係スタッフ(船員、航空クルー、トラック運転手等)、高齢者・障碍者を介護する者、農業季節労働者、(6)大学生、(7)トランジット旅行者、(8)ギリシャ在外公館発行の許可を得た者。

※ PCR検査の対象となった者は結果が出るまで自宅、親戚、知人宅またはホテル等で待機しなければならず、陽性の場合は、自宅、または当局の指定する施設で14日間隔離を求められます。隔離義務の違反者には5000ユーロの罰金が科せられるとのことです。

2 国内航空便の利用制限(新規)

  ギリシャ民間航空局の発表によると、国内便の利用に関しては、11月9日以降、健康上の問題、ビジネス、離散家族の再会、居住地への帰還といった真に理由のあるもの以外は禁止となるとのことです。

3 国境ゲート(陸路)の制限・出入国手続き(延長・一部改正)

  陸の国境(鉄道含む)からの出入国は原則禁止とされていますが、例外として、以下の場合のみ出入国が可能とされています。

(1)プロマホナス(ブルガリア国境)では、PLF、到着前72時間以内に実施されたPCR検査(陰性)結果を提示する者

(2)ニムフェア(ブルガリア国境)、カカヴィア(アルバニア国境)、クリスタロピギ(アルバニア国境)、エブゾネス(北マケドニア国境)、キピ(トルコ国境)では、ギリシャ国籍者、滞在許可保有者、ギリシャに定住地がある者、職業上真に必要な移動を書面で証明する者(PLF、到着前72時間前以内のPCR検査(陰性)結果提示義務あり)

(3)カカヴィア及びクリスタロピギでは、上記例外対象者に加え、アルバニアギリシャ系特殊IDカード所有者(PLF、到着72時間前以内のPCR検査(陰性)結果提示義務あり)

(4)物流トラック(上記6ゲートに加えてオルメニオ及びエクソヒで出入国が可能)

(5)エブゾネスでは、EU諸国及びコソボEULEXの外交団、軍事関係者、行政関係者及びそれらの家族をコソボから北マケドニアを経由してテサロニキの病院に搬送する医療用車両

※注意点

・職業上真に必要な移動として入国した者は、その後出国した場合、11月30日まで再入国禁止。

・カカヴィア、クリスタロピギ、エブゾネス、ニムフェア、オルメニオ、キピでは、午後11時から午前7時は出入国禁止。

・カカヴィアでは1日に750人、クリスタロピギでは1日に300人までの入国者数上限を設ける。

・カカヴィア及びクリスタロピギ国境ゲートからのあらゆる入国者は入国後7日間、自宅やホテル等での隔離が求められる(違反金は5000ユーロ)。

4 海路の制限・出入国手続き(新規)

  ギリシャ民間航空局の発表によると、11月9日から11月30日までの間、海外からのクルーズ船、観光船、レジャー船の寄港、及びその乗員・乗客の上陸を禁止するとのことです。

5 周辺国等との空路・海路の制限等(延長)

(1)トルコ

   11月30日までの間、トルコからの航空便の運航を禁止する。また、海路の交通を禁止する(貨物船を除く)。

(2)アルバニア

   11月30日までの間、アルバニアとのアテネ国際空港を除く航空便の運航、及び、海路の交通を禁止する(貨物船を除く)。

(3)北マケドニア

   11月30日までの間、北マケドニアとのアテネ国際空港を除く航空便を禁止する。

(4)スペイン・カタルーニャ地方

   11月30日までの間、スペインのカタルーニャ地方(バルセロナ等)との航空機の運航を禁止する。

6 PCR検査(陰性)結果・事前電子登録フォームの提出義務の拡大(11月7日に当館からのメールでお知らせさせていただいた内容の続報です)

(1)ギリシャ入国時

  ア 電子登録フォームによる登録 

    全ての入国者は、到着前に電子登録フォーム(Passenger Locator Form(PLF))をサイト(https://travel.gov.gr)を利用して登録を行い、登録後に当局から送信される自動応答のメッセージを入国時に提示する義務があります。また、登録後に当局から送信される自動応答のメッセージ及びQRコードは、入国時に必要な書類とみなされます。

 ※登録期限については空路の場合は「24時間前まで」「到着の前日まで」などとされており、陸路については「到着までに」とされています。いずれにしましても、十分余裕をもって登録することをお勧めします。海路については記載がなされてません。

  イ 事前PCR検査(陰性)結果の証明書提示義務 

    11月11日(水)から、空路・陸路からの入国ともに、到着前72時間以内に行われた事前PCR検査(陰性)結果の証明書の提示を求められます。証明書は英語表記で、旅行者氏名及び旅券など身分証明書番号の記載が求められます。

(2)ギリシャ出国時

   電子登録フォーム(PLF)による登録 

   11月10日(火)から、全ての出国者は、出発24時間前までに電子登録フォーム(Passenger Locator Form(PLF))のサイト(https://travel.gov.gr)を利用して、登録することが義務づけられます。家族単位の移動であれば1枚でまとめて登録できるそうです。

 ※ギリシャ出国時のPLFの登録義務について、ギリシャ政府の発表に下記のとおり内容に齟齬が生じています。

(1)対象者:ギリシャ政府の発表では、対象者について「全ての出国者」「ギリシャ人旅行者」「ギリシャ居住者」と様々な記載が見られます。トラブル防止のため、登録されることを強くお勧めいたします。

(2)登録期限:ギリシャ政府の発表に「24時間前までに登録すること」「出発前までに登録すること」との異なる記載が見られます。24時間以前の早期の登録を強くお勧めいたします。

7 ギリシャへの渡航は慎重にご検討ください

  現在、日本政府はギリシャへの渡航について、感染症危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しています。深刻な感染拡大にともないギリシャ政府は現在、全土に厳しい外出制限を課しています。ギリシャへの渡航は今一度、慎重にご検討ください。

ギリシャ日本国大使館

電 話:210-670-9910、9911   

F A X:210-670-9981

H P:http://www.gr.emb-japan.go.jp

メール:consular@at.mofa.go.jp