ウクライナにおける新型コロナウイルス感染症の流行状況、国内検疫体制など

【ポイント】

ウクライナの流行状況は、地域差はありますが、全国で感染が拡大しています。9月末時点では、西部諸州とキエフ市に加えて、オデッサ州とハルキウ州で感染者が多く、ドニプロペトロウスク州、フメリニツキー州等でも感染拡大が加速しています。

ウクライナの国内検疫体制は、地区毎の流行状況に応じて毎週見直され、厳しい順に赤橙黄緑に区分されています。現在、赤レベルにテルノーピリ州内の2地区、橙レベルに右以外のテルノーピリ州全域やチェルニウツィ州全域等が指定されています。

PCR検査は、103番あるいは各州のホットラインに連絡して受けることが出来ます。有料で実施している外国人向けクリニックもあります。入院治療については、指定された公立病院で行われます。重症化の恐れがないと判断されれば自宅療養となります。

●マスク、石鹸手洗い、手指のアルコール消毒、3つの密を避けるといった感染予防を引き続き励行してください。

【本文】

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ウクライナ新型コロナウイルス関連情報は、当館HPに掲載しています。

当館HP: https://www.ua.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular.html

1 ウクライナの流行状況

 全国集計では、感染総数は20万人、死亡総数は4千人を越えました。7月末の時点では5千人程度だった各週の感染報告数が、9月下旬には2万2千人と4倍以上に増えました。感染拡大が先行した西部諸州とキエフ市に加えて、現在は、オデッサ州やハルキウ州での感染者の増加が目立ちます。先週1週間の報告数によれば、ハルキウ州、キエフ市では2千人を、テルノーピリ州、オデッサ州、リヴィウ州、ドニプロペトロウスク州、フメリニツキー州では、千人を超え、感染拡大が加速しています。

2 ウクライナの国内検疫体制

 8月1日以降、ウクライナ国内の検疫体制は、地区毎の流行状況に応じて、毎週見直され、感染拡大が厳しい順に赤橙黄緑の4段階に区分されています。ウクライナ政府の新型コロナウイルス感染症専用サイト(https://covid19.gov.ua/karantynni-zakhody)などを参考に、最新の情報に基づいて行動してください。9月30日現在、赤レベルにテルノーピリ州のテルノーピリ市とベレジャニ市(長距離公共交通機関による地区外への移動禁止など)、橙レベル(宿泊業の制限、大型イベントの禁止など)に、右以外のテルノーピリ州全域、チェルニウツィ州全域、ハルキウ市、イヴァノフランキウスク市、ウジュホロド市などが指定されています。黄レベルには、キエフ市、リヴィウ市、オデッサ市、ドニプロ市等(イベントの入場者制限など)が指定さ

れています。いずれのレベルでも、公共の建物内と公共交通機関の車内でのマスク着用が義務づけられています。

3 検査と治療

 ウクライナでは1日3万件のPCR検査(綿棒で鼻の奥を擦る)が可能です。また、ELISA検査(血液検査)も2万件以上実施されています。疑わしい症状がある場合は、103番か地区ホットライン(一覧表:https://covid19.gov.ua/korysni-posylannia)に電話で相談してください。ウクライナ語又はロシア語での対応となります。有料となりますが、外国人向けのクリニックを含め民間の医療機関で検査を受けることも可能です。

 治療については、民間病院での入院治療は許可されておらず、政府が指定した公立病院360施設、2万8千床(随時増床されています)に入院することとなります。政府が定めた標準治療指針に沿って治療が行われます。9月に改訂された最新版の同指針には、諸外国の新しい知見が多数反映されています。また、外国人の入院・治療の費用は有料です。そのため、保健省は、外国人に治療費用をカバーする医療保険・海外旅行傷害保険へ加入を求めています。なお、PCR検査の結果が陽性でも、軽症で重症化リスクが無いと判断されれば自宅療養となります。実際、診断された方の8割以上が自宅療養を指示されています。新型コロナウイルス感染症は、一晩で急に悪化することがあるので、疑わしい症状がある場合は、早めに検査・診断を受

けるようにしてください。

4 予防 〜冬季に向けて〜

 これからの季節は、鼻や喉の粘膜を痛めやすくなるほか、窓を開けての換気も難しくなります。マスク着用(自作の布マスクも有効です)、石鹸手洗いと手指のアルコール消毒を継続してください。どうしても3つの密(密閉、密集、密接)を避けられない場合は、出来るだけ短時間15分以内に留めてください。マスクは濡れたり凍ると効果が下がりますので、替えを用意しておくことをお勧めします。また、バランスの良い食事を心がけ、睡眠不足や過労で抵抗力を落とさないよう、体調管理には十分ご注意ください。季節性インフルエンザの症状は、新型コロナウイルス感染症と紛らわしいため、予防ワクチンの接種をお勧めします。ウクライナでは、例年10月から外国人向けクリニックなどで季節性インフルエンザの予防接種を受

けることが出来ます。

5 日本への帰国

 ウクライナから日本に到着し、空港検疫で無症状病原体保有者(症状は無いがPCR検査で新型コロナウイルス陽性と判定)と判明した事例が過去半年で6例報告されています(厚生労働省ホームページ、報道発表資料)。日本に帰国する際は、海外滞在中及び移動中も体調管理や予防策を徹底する等十分注意してください。また、日本の検疫所は、国内での感染拡大防止のため、海外からの帰国の前後で以下の対応をお願いしていますので、ご注意ください。

 ○健康状態に異常のない方も含め、検疫所長の指定する場所(自宅など)で入国日を0日として14 日目まで待機し、空港等からの移動も含め公共交通機関(航空機、バス、電車、タクシー等)を使用しないこと

 ○このため、入国前に、ご自身で入国後に待機する滞在先、空港からその滞在先まで移動する手段(公共交通機関以外)を確保すること

 ○入国後に待機する滞在先と、空港からその滞在先まで移動する手段について入国時、検疫所に登録いただくこと

6 日本国外務省は、ウクライナに対して、感染症危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を継続中です。ウクライナ入国に関する最新の情報は、当館HPや在日ウクライナ大使館(+81(3)5474-9773(領事部))にご確認ください。

【問い合わせ先】

ウクライナ日本国大使館領事部

電話:+38(044)490-5500

FAX:+38(044)490-5502

HP: https://www.ua.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular.html 

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