新型コロナウイルス対策(公衆衛生省記者会見ポイント:10日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

本日10日、公衆衛生省による記者会見が行われましたところ、主なポイントを以下のとおりご案内いたします。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/nl/live-pressconferences/

1.感染状況

●先週の一日当たりの新規感染者数は580人で、先々週に比べて16%増。国全体で新規感染者の増加速度が減速しており、アントワープ市での新規感染者数も微減しており、現在の措置を遵守すれば第2波は遠ざかるだろう。アントワープ以外では、ブリュッセル首都圏地域とリエージュ州における新規感染者数が最も多く、先週の両地域における新規感染者は500人だったが、増加のスピードは数日前に比べて減速している。

●先週の入院数は一日当たり27人で、先々週に比べて12%増。現在285人が入院、そのうち69人が集中治療を受けている。この数週間の入院数全体の約3分の1はブリュッセル首都圏地域で行われた。先週は一日当たり約3.4人が亡くなっている。

2.検査について

●本日は2つの異なる検査について説明したい。

一つ目はPCR検査(鼻咽頭拭い式)で、この検査によりウイルスの遺伝物質を検出し、陽性・陰性の結果を出す。たいていの場合、陽性結果により感染が確定する。その場合、症状の有無にかかわらず感染を広めないよう、自己隔離するなど全ての指示を守らなければならない。陽性であっても死んだウイルス細胞の遺伝子しか検出されず、感染を広める恐れがない場合があるが、そうした場合はかかりつけ医に相談して欲しい。また感染しても発症しないケースや検査後に発症するケースがある。

感染者又は感染が疑われる者と接触した、又は赤や橙の感染危険地域に渡航した数日後に検査を実施し、検査結果が陰性だったとしても、その結果だけでは感染を否定するには不十分である。感染から発症までに数日かかり、その間はウイルスを検出できない。この期間は4−6日程度であるが、14日まで延びることがある。そのため、感染したと思われる接触から9−10日後に検査を実施してほしい。また最初の検査結果が陰性であっても、14日間は検疫期間を設けなければならない。

●2つ目は抗体検査。採血してウイルスへの抗体があるか確認する。抗体がある場合は、症状の有無にかかわらず、既に感染したことを意味するが、いつ感染したかは分からない。PCR検査で陽性結果が出た場合であっても抗体が検出されないことがある。また抗体が検出された場合でも、しばらく経つと抗体がなくなる場合もある。抗体を持っていても周囲を感染させるリスクがあるので予防措置を取らなければならない。

3.暑さの中の感染対策

暑さが続いており、まだ数日この暑さは続く。先週末には当局が初めて熱波と地表オゾン濃度に関する警報を発出したが、コロナのある現状において暑さ対策を実施する難しさがある。暑さはコロナを休止させないので、マスク着用を加えた黄金律を遵守する必要がある。暑さの中でマスクを着用するのは快適なことではないので、いくつかアドバイスしたい。

一つ目は、暑さが厳しいときにマスク着用を求められる地域に出向かないこと。もしどうしても出向かなければならない場合は、なるべく薄い布地のマスクや紙製の外科用マスクを使用すれば通気を良くすることができる。

二つ目は、病原菌を増殖させたり、フィルター機能を低下させることにつながるのでマスクは濡らさないで欲しい。マスクが汗で濡れるので、飲食店で働くなど一日中マスクを着用しなければならない場合はマスクを交換し、同じマスクを着用しないようにしてほしい。

三つ目は、暑さで苦しい場合は、社会的距離が確保できる人混みが少ない場所でマスクを外して休んで欲しい。暑さは黄金律を何ら変更するものではなく、どのような場所であっても社会的距離を保って欲しい。社会的距離を保つのが困難な場所に行く場合は、十分に注意するか、リスクの高い接触を避けるよう計画を変更してほしい。

4.児童心理への影響

コロナは子供にも大きな影響を与えている。最近実施された調査では、3分の1の子供が病気になることを恐れている(又は恐れを抱いていた)と答え、3分の2が家族や友達が病気になることを恐れていると答えた。そこで、小児精神医学者などが主導して最近設立されたJOYというプラットホームを紹介したい。JOYにはユニセフなど90以上の非政府団体が参加しており、子供や親、教師などに対して情報を提供しているので、JOYウェブサイト(https://www.joy-platform.be/fr/accueil/)を参照して欲しい。

5.質疑応答

(問)新学期まで数週間に迫っているが、感染者数増加に備えた措置を講じているか。

(答)9月に物事がどうなるかは子供、親、教師にとって極めて重要。共同体政府が前学期末から準備をしているが、新学期が各地域でどのような形で行われるか予断することは時期尚早である。全ては感染状況に依るため、それが明確になるまでもうしばらく待つ必要がある。

(問)犬を使った検査が実施されているが、この検査方法に関心はあるか?

(答)犬の嗅覚細胞は人間の40倍以上あり、嗅覚に優れている。既に薬物、武器、爆発物などの探知などに利用されているのみならず、がんやマラリアを検知する可能性もある。良いアイディアだと思うし、コロナウイルスに感染した細胞が発する揮発性分子を感知するよう犬を訓練できるかもしれない。他方、仏ストラスブールなどのチームがその研究をしているが、まだ実用段階にない。また、犬が感染する、又は犬を介して人に感染が広まるリスクも考えなければならない。

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ベルギー国立公衆衛生研究所では,新型コロナウイルスに関する以下の情報を公表しています(毎日正午に更新)

■感染者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/tpRKB

■入院/退院者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/uTSKB

■死亡者数

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/QTSKB

■コミューン毎の状況

https://datastudio.google.com/embed/reporting/c14a5cfc-cab7-4812-848c-0369173148ab/page/giyUB

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■■滞在状況アンケート実施中です!お済みでない方はこちらから■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4oPasoBCBkkcmqqKs0VZek94YyQW0jYpdcr1fSJxL_jYfRA/viewform

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■■領事メールのバックナンバーはこちらから■■

https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_merumaga.html

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■■新型コロナウイルスに関する「風評被害」を受けた方は,こちらまで■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhpL1ReY0hfydCMksXdJMEzztfC0XsQErx5TDcOaQ8tHr8CA/viewform

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【お問い合わせ先】

在ベルギー日本国大使館

住所:Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles, Belgique

電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)

Fax :(02) 513-4633

ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html

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