新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(その79)

ルーマニアでは,7月22日13時までに,感染者累積40,163名,死亡者合計2,101名が確認されています。前日同時刻からの増加は,感染者数が1,030名,死亡者数が27名。

 新規感染者数が連日最多を記録しており,また初めて1,000人を超えました。累積人数も4万人台に上っています。最大限の注意をお願いします。

●隔離措置の法定化等のための新たな法律(21日に発効の法律第136号)の下で,22日夜に新たな政府決定が行われました(政府決定第570号)。

しかし,この中には,隔離措置等についての具体的な規定(対象者の要件や措置の内容の詳細についての規定)はなく,右法律の規定による,とのみ規定されています。特に,入国者に対する検疫措置を中心に,邦人が入国に際しての検疫等の対象となることは多くないと思われますが,その他の点についての規定と併せて,これら措置の内容要点は,とりあえずこれまでにお伝えの内容(以下本文中。)で御理解下さい。

より詳細にわたる規定を含めて,この法律自体の内容要点を追ってさらにお伝えします。

●なお,隔離が法定措置でなかった期間に,自己責任で退院した陽性の患者数累計は,1,087名,陽性にもかかわらず入院を拒否した人の累計は3,680名に上ると報告されています。

●現行の警戒事態を規定している政府決定(政府決定第553号)における,ルーマニアへの入国禁止の緩和に係る点(決定の規定の具体的内容,その実施の確保の態様等)については,当局との間でなお確認作業中です。より確定的に確認できた段階で,さらにお伝えします。また,お急ぎの方は,個別に当大使館にお問合わせ下さい。

●日本を含めて44の国・地域からの渡航者が,入国を認められる場合には,入国後の隔離措置の対象外とされ,一方これら隔離措置の対象外とされた国以外の国との間では,商用航空便の運航が停止となっている模様です。これにより,例えば日本との間の主な経路となり得る乗継ぎ地点の中では,トルコ(これまでも運航停止),アラブ首長国連邦カタール,ロシア等との間を含めて運航停止と見られますので,御注意下さい。

国際交通機関ルーマニアとの間での各種の運行は,日々大きく変化しています。個々には具体的な確認をぜひ行われるようお勧めします。

●また,ルーマニアでの感染の拡大に伴い,ルーマニアからの渡航への制限も多く課されています。

ルーマニアからの渡航に対して入国関連の何らかの規制を課している欧州内の国が22か国に上っており,また航空便について,オーストリアが,16日以降月末まで,ルーマニア等からの商用航空便の同国乗入れを禁止しています。

交通機関の運行,入国や検疫関係については,上記以外にも各地で多様な規制がなお多くあります(または再導入されています。)。

移動の検討や実施は,交通手段の如何を問わず,具体的な運行予定に加えて,各国での出入国手続き,防疫措置(隔離の要否等),実際の感染状況等の多くの関連事項に広く注意の上で行われることを,お勧めします。

●デモ行動等も含め,衛生環境や治安情勢等の変動の可能性全般に,引き続き御注意下さい。

●上記の他,当大使館からお知らせする内容を含めて,関係の措置や情報が頻繁に更新されています。最新の状況の把握に引き続きお努めいただきますよう,お願いします。

1.(1)一日当たりの新規感染者数の最多記録が連日更新されています(22日の発表時には1,030名)。最大限御注意下さい。

7月22日13時時点での内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,ルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者数は,累積40,163名,前日同時刻からの増加1,030名。また死亡者数は,合計2,101名,増加27名です。感染者全体のうち,集中治療を受けている患者が293名,他方24,663名が治癒しました。さらに,入院10日後に無症状で医師により退院を許可された感染者が,これまで計2,693名に上っています。

新規感染者数は,1,000名を上回る高い水準に達しています。最大限の注意をお願いします。

以上の統計は,ルーマニア保健省国立公衆衛生研究所の以下のウェブサイトから最新情報が確認できます。

https://instnsp.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/5eced796595b4ee585bcdba03e30c127

(2)また,ブカレスト市及び周辺地域での感染拡大が進行しています。市内又は近隣地域に滞在の方を中心に,御注意下さい。

ア ブカレスト市の累積感染者数は,同時刻(22日13時時点)で4,770名。前日同時刻から152名増加しました。全国の県等の中で最多となっています。

市内の老人ホームで1名の死亡が報じられています。また,サッカーチーム「ディナモ」の選手等21名の感染が判明しています。

イ 22日,緊急事態総局は,32名の感染が判明したジョルジウ県カルトジャニ村(ブカレストの西約60km。人口3,200人)を,同日17時から14日間検疫隔離することを発表しました。

ウ イルフォブ県庁で,職員1名が感染し,一時的に県庁事務所が閉鎖されています。県議会議長は,地下鉄内での感染と述べています。

(3)今般発効の法律第136号の最も主要な内容と考えられる規定(人を対象とする検疫措置,隔離措置の要件,内容等の概要)は,これまでにもお伝えしてきていますが,以下で掲載を続けます。

また,この法律については,追って,要点を頼幅広くお伝えします。

法律原文のリンク先,以下のとおりです。

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/227953

ア 人についての検疫措置

疫学的危険の高い地域から来る者及び少なくとも一人の感染者と接触した者に対し,本人の同意に基づて講ずる。

本人が同意しない場合にも,各地域の公衆衛生局が,当局によって指定された場所での検疫措置を不要と決定するまでの期間,及び医師又は公衆衛生局代表の許可がない場合には,対象者は検疫施設を離れることはできない。

イ 人に対する隔離措置

明らかな症状がある者又は症状のない場合でも病原性の高い菌の保有者に対し,本人の同意に基いて講ずる。

本人が同意しない場合にも,医師等が共同体内伝染の可能性があると判断する場合には,医療施設又はその代替施設で検査のために48時間滞在する。その後,病院残留又は自宅若しくは本人が申告する場所のいずれかにおける隔離を選択することができる。

(ウ 地域についての検疫隔離措置

 上記(2)イのジョルジウ県での地域隔離措置の発令は,今般発効の法律第136号,政府決定570号に基づくものと見られます。

また,オルバン首相は,21日,,アルジェシュ県,ブラショフ県のそれぞれ三地域に,当局は検疫措置の導入の必要性を検討している,と述べています。)

(4)なお,この法律の下で,今般の新型コロナウイルスの感染に対応する検疫措置,隔離措置等を定めるための新たな政府決定が行われました(政府決定第570号)。しかし,その規定は,要点としては「同法の関連規定に従って実施する」と定めるのみで,要件,内容等について法律以上の具体的な規定を置きませんでした。

この政府決定は,現行の警戒事態を規律する政府決定第553号を改正する形で行われましたため,両者を統合した当大使館作成の要点(第570号によって改正された政府決定第553号)のリンク先を,第570号原文のリンク先と共に,以下に掲載します(また,隔離措置等のより詳細については,上記(3)に述べましたように,法律第136号自体について,よってより詳細にお伝えします。)。

政府決定第570号原文リンク

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/227976

政府決定第570号により改正された政府決定553号の当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00158.html

(5)さらに,法律第136号の発効を受け,また上記政府決定第570号に先立つ形で,21日,国家緊急事態委員会は「COVID−19の確認と,国民保護のために適用が必要な措置の導入の制定に関する決定第36号」を発出しました。

ア 入国者を検疫措置に置く対象国の検討の基準を,これまでに比し客観的なものとしています(直近14日間で単位人口あたりの感染者数がルーマニアを上回る国からの入国者を検疫対象とするとして,国立公衆衛生研究所が毎週月曜日に行う国のリストの見直しの基準としようとしている模様です。実際の作業を待つ必要があると考えられますが,日本は現時点ではこの対象国にはならない可能性が大と見られます。)。

イ また,新型コロナウイルス感染者との直接接触者に検疫措置を講ずるとして,それを関係機関が発出する決定に基づくものとする,と規定しています。

こちらについては,邦人を含めてより関連性が大であり得ます。関係の命令等をさらに注視し,御留意が適当と考えられる点を,追ってお伝えします。

ウ なお,上記ア,イの措置の例外や一時停止を許可される事由等も規定しいます。

国家緊急事態委員会決定第36号のリンク先は,以下のとおりです。

https://stirioficiale.ro/hotarari/hotarare-nr-36-din-21-07-2020-a-cnsu

(6)戦略コミュケーション・グループによる発表では,隔離措置を定めた従前の法体系への違憲判決(7月2日発効)以降昨21日までの「自主的退院」は,累計1,087名,検査結果陽性にもかかわらず入院を拒否した者が累計3,680名に上っていました。また,外国からの入国者にも,自宅等隔離に服さない者が続いていると見られます。(これらと別に,入院10日後に無症状のままの感染者で医師の判断で退院が許可されてきた者(6月23日発効の保健大臣令第1137号による措置)が,上記(1)のとおり,22日時点で2,693名に上る旨も,報じられています。)引き続き十分御留意下さい。 

(7)ルーマニアからの渡航者(国籍を問わず,日本人も含みます。)に対して入国関係の規制を課す国が増加しています。ルーマニア外務省によるとして22日時点で報じられている,ルーマニアからの渡航者に対して入国関係の何らかの規制を課している欧州内での国は,以下の合計22か国です。国・地域により詳細が異なり(入国禁止,隔離措置,陰性証明の提示等),また随時変更されていますので,渡航を検討の場合には,以下のルーマニア外務省ホームページ等の渡航情報に関する箇所や渡航先国の在ルーマニア大使館等で,具体的な内容をご確認ください。

https://www.mae.ro/travel-alerts/

https://reopen.europa.eu/en

http://www.mae.ro/node/51759

(さらに,オーストリアは,ルーマニアからの商用航空便は16日以降(月末まで)の同国乗入れを禁止しています(以下5(1))。

フィンランドリトアニア,マルタ,モルドバオーストリアキプロス

デンマークエストニアギリシャアイルランドアイスランドラトビア

モンテネグロノルウェー,英国,オランダ,スロバキアスロベニア

ハンガリー,ベルギー,ボスニアヘルツェゴビナチェコ

2.ルーマニア入国後の隔離措置の対象外とされている国・地域

7月7日以降,日本を含めた44の国・地域からのルーマニアへの入国者が,入国後の隔離措置の対象から除外されています(なお,この対象については,上記1(5)の国家緊急事態委員会決定(第36号)を基に,今後の検討においては,より客観的な基準に沿ったものとされる可能性があります。)。

(1)この44の国・地域は,以下のとおりです。なお,最終的にはこれらの国・地域からの渡航であっても,ルーマニア入国前14日間にこれら以外の国・地域に滞在した場合には,隔離措置の対象外にはならないので,御注意下さい。

ア EU加盟国,EEA(欧州経済領域)加盟国(欧州内の32の国・地域)

 オーストリアブルガリアチェコキプロスクロアチア,スイス,

エストニアフィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャアイルランド

アイスランド,イタリア,ラトヴィア,リヒテンシュタインリトアニア

マルタ,ノルウェースロバキアスロベニアハンガリーモナコ,英国,ポーランド,スペイン,ベルギー,デンマークフェロー諸島,オランダ,

アンドラバチカン

イ いわゆる第三国(12か国)

アルジェリア,オーストラリア,カナダ,韓国,ジョージア,日本,モロッコニュージーランドルワンダ,タイ,チュニジアウルグアイ

(「第三国」についての規制緩和の対象候補国として欧州理事会が現時点で(7月16日以降)緩和を勧告しているのは,これら12か国に中国を含めた計13か国ですが,現時点では,中国は,隔離措置対象外国に含まれていません。)

上記のリストは,以下のルーマニア保健省国立公衆衛生研究所のウェブサイトから確認できます(今後さらに更新が行われる場合にも同様と推測されます。)。

http://cnscbt.ro/index.php/liste-zone-afectate-covid-19/1855-lista-statelor-exceptate-de-la-masura-de-carantina-6-07-2020/file

(2)なお,この隔離措置の対象からの免除は,入国が認められる者についての隔離措置からの免除であり,日本からの渡航を含めて入国の可否自体を変更したものではないと見られますので,御注意下さい(入国自体に係る規制については,以下3。)。

また,この隔離措置の対象外の国は,「グリーン・ゾーン」と称され,リストが毎週月曜日の午後4時時点で見直しが行われて,一定の手続きと時間を経た上で更新される,とされています(現時点での根拠は,国家緊急事態委員会決定第29号。)。

(3)この隔離措置対象外の現時点での国の列挙,その見直しの手続き,航空便の運航停止の解除等を定めている関係の国家緊急事態委員会決定の中で,現行の措置を定めている各決定のリンク先,以下のとおりです。

ア 国家緊急事態委員会決定第34号

https://stirioficiale.ro/storage/HCNSU%20nr%2034.pdf

同決定第34号添付1(EUと欧州経済領域の隔離措置免除対象国のリスト)

https://stirioficiale.ro/storage/Anexa%20nr.1%20la%20HCNSU%20nr.%2034.pdf

同決定第34号添付2(日本を含む上記添付1の国以外の隔離措置免除対象国のリスト)

https://stirioficiale.ro/storage/Anexa%20nr.2%20la%20HCNSU%20nr.%2034.pdf

当大使館作成の要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00145.html

イ 国家緊急事態委員会決定第29号

原文全文

https://www.mai.gov.ro/wp-content/uploads/2020/06/Hotarare-CNSU-nr.29-din-13.06.2020.pdf

当大使館作成の要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100065443.pdf

(4)ルーマニア入国時に提出を要する宣誓書

 現在,ルーマニアでは,入国者に関連する新型コロナウイルス対策の一環として,従来から入国者に対し連絡先等を記載した宣誓書を提出させています。ルーマニア語で書かれた書式に邦訳を付したものをリンク先としましたので,参考にしてください。なお,現在は,新旧両様式が混在して使用されている模様ですので,ご注意ください。

ア 5月21日以降,現在の宣誓書書式和訳

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100076255.pdf

イ 5月20日以前,旧様式の宣誓書書式和訳

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100076253.pdf

3.入国規制に係る動向

 他方で,欧州理事会が6月30日に勧告した,EU加盟国,シェンゲン協定加盟国等以外の第三国からの不可欠でない渡航への入国禁止についての一定の緩和に沿って,ルーマニアでは,現行の警戒措置を定めた政府決定(政府決定第553号)の中で,何らかの変更が加えられます。

その具体的内容等につき,当局との間で確認の作業を続けており,適切な確認が得られた段階でさらにお伝えします。

 なお,それまでの間に急ぎ必要な事案が発生する場合には,当大使館に個別にお問い合わせ下さい。(また,当国での制度とは別に,日本側からは,ルーマニアは引き続き「渡航をやめて下さい」の対象国ですので,この点にも引き続き併せて留意願います。)

4.現時点で効力を有する関連の基本的な法令等の全体の一覧(但し,上記1に掲載した各法令(法律第136号,政府決定第570号,国家緊急事態委員会決定第36号を除きます。)及びこれらの理解に資すると思われる資料のリンク先を,以下で掲載します。これらに従った行動,活動をお願いします。感染拡大の抑止に加えて,違反や罰則を科されたりすることもないよう,引き続き御注意下さい。(なお,いずれの法令等についても,詳細,正確な内容が必要な場合には,各規定そのものの確認や各当局への照会を,お願いします。)

(1)法律

法律第55号(「COVID−19感染症の予防とその影響との闘いのための2020年5月15日法律第55号」。5月18日発効。)

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00096.html

法律第136号(感染症的及び生物学的なリスクがある状況での公衆衛生分野における措置の導入に関する法律2020年7月21日第136号。7月21日発効。)

(上記1(3)に掲載したものと同じ。)。

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/227953

(2)政府決定

ア 現在の警戒事態を直接に定めているのは,政府決定第570号により改正された政府決定第553号です。リンク先,以下のとおりです。

政府決定第570号原文リンク

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/227976

政府決定第570号により改正された政府決定553号の当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00158.html

政府決定第553号

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/227910

イ また,一つ前の段階での規制に係る政府決定(政府決定第476号(7月1日に発令の政府決定第511号による一部改正を含めたもの等)を,御参考のため,以下でなお数日間掲載します。

政府決定第476号に政府決定第511号を統合した当大使館作成の要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100072260.pdf

政府決定第476号

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/226824

上記のリンク先に内容が織り込まれている政府決定第511号も含めて,これまでの基本的な決定等の各文書は,末尾の【参考情報】の最後にリンク先を含めてあります。

(3)大臣令等以下

政府決定よりも下のレベルの命令その他の発出文書で,皆様の生活や行動等に影響大と見られる点の,現時点での一覧としてまとめたものを,以下のリンク先に掲示してあります(この種の文書等については,今後も,参考となり得る点大のものにつき,引き続きお伝えに努めます。)。なお,上記同様,隔離の関係規定につき,一定の留意をお願いします。

「警戒事態の下での大臣令等以下の発表文書による規制等の主な措置」(7月7日版)

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00143.html

このリンク先の現時点での一覧に含めてあります点は,項目のみ,以下のとおりです。

ア 内務省移民局発行の証明書類の有効期限の延長等(5月14日付け緊急政令第70号)

イ 運転免許証等の有効期間の延長(5月15日付け内務省運転免許・車両登録局発表)

ウ 交通機関の運行・利用の態様等(5月15日付け運輸インフラ通信相・保健相合同令(6月18日付け運輸インフラ通信相・内相・保健相合同令に基づき一部追加))

エ 職場の衛生措置(5月15日付け労働相・保健相合同令)

オ マスク/トリアージュ(5月22日付け内相・保健相合同令874/81/2020)

カ レストラン等の野外席(テラス席)の使用(5月29日付け保健相・経済・エネルギー・ビジネス環境相・国立獣医衛生食品安全局長合同令966/1.809/105/2020)

キ 入国者の隔離措置の免除,商用航空便の運航停止解除等(6月13日付け国家緊急事態委員会決定第29号及び6月22日付け同第31号,7月6日付け同第34号)

5.航空便の運航状況,移動に係る関連の制限等

(1)商用航空便につきまして,各方面との間での運航が一時期に比較すると大幅に再開されてきています。

 但し,個別には,なお運航停止あるいは新たに乗入れ禁止といった事態もあります。

特に,今般,現行の警戒事態を定めた政府決定第553号の中で,入国時の隔離措置の対象となる国との間での商用航空便を一般的に運航停止としたことから,具体的には上記2(1)に列挙の国以外の国との間での航空便は運航停止とされているものと見られます。こうした対象国で,実際に通常は運航が想定される対象国には,スウェーデンポルトガル,トルコ,セルビアアラブ首長国連邦カタール,ロシア,エジプトが含まれます(なお,タロム航空は,7月22日から8月15日まで,エジプト,イスラエル,ヨルダン,モルドバセルビア,トルコ,レバノンとの商用便を停止すると案内しています。)。日本との間での主要な乗継ぎ地となっている地点もありますので,十分御注意下さい(これまでも運航が停止されて

きた三か国(トルコ,米国,イラン)についても,引き続き運航停止の対象です。)。

 他方,ルーマニア自身での感染の拡大により,オーストリアが,16日から7月末まで,ルーマニアを含む計18か国からの直行商用便の同国への乗入れを禁止しています。

商用便の運航には今後も紆余曲折があり得るものと見られます。各航空会社の発出する情報を参照下さい。

ブカレスト,オトペニ空港の本日の運航状況は,以下の同ウェブサイトから確認できます。

http://www.bucharestairports.ro/en/

(2)同時に,渡航の検討に際しては,運航予定自体以外にも,最終的な目的地までのその他の条件や手続き等を十分に確認されることをお勧めします。

一部の欧州の国では規制緩和が行われていますが,実施の時点,対象国等,具体的内容には国により相当の多様性が見られます。このため,最終目的地でなお入国が認められていない,またこのため乗継ぎ地で乗継ぎ便への搭乗ができない,さらには,大きな変更とバラツキとの中で特に移行期における関係各国の入国管理当局,乗継ぎ空港関係者等による具体的な取扱いに混乱が見られる等の事情が,懸念されます(実際に,乗継ぎ地点での支障が,重大なものも含めていくつも発生しています。)。

この面では特に日本から当国への渡航を希望する関係者がおありの方を中心に,関連規制の動向につき,乗継ぎ地点での取扱いも含めて,十分に確認されること,また現在ルーマニアからの渡航に入国関係の規制を課す国が多くあること(上記1(7))に注意すること等を,重ねてお勧めします。

(3)また,航空便を利用する場合には,空港内の待機場所や航空機内は,密閉空間,密集場所,密接場面となりやすいため,マスク着用など,この面での感染防止対策も引き続きお忘れなきよう,御注意下さい。

(4)さらに,帰国される方は,日本入国時には,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,引き続きPCR検査,結果判明までの指定施設での待機,空港からの公共交通機関(国内便を含む。)の不使用,指定場所(自宅又は自ら確保した宿泊施設等)での14日間の待機等の措置の対象となりますので,これらにもご留意ください。

「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

6.(1)陸路の国境地点の現状は,ルーマニア国境警察のウェブサイトとともに,以下で参照できます。

なお,出入国は,7月21日には出国が3.7万人,入国が4.3万人の計8.0万人でした。上述のように入国後の隔離措置が行われていない例が多く推測されることとも併せて,出入国者による感染や治安の状況への影響に,いっそうの警戒が必要と思われます。

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00103.html

https://www.politiadefrontiera.ro/ro/main/n-date-deschise-17/

(2)鉄道の国際便の運行も再開されています。具体的な時刻表等は,以下のリンク先でご確認ください。

TRIP Tickets - CFR Calatori

https://bileteinternationale.cfrcalatori.ro/en/booking/search

7.新型コロナウイルスの感染状況の進展に付随する各種情勢の変化,直近の隔離措置の中断や関連のデモ行動等はこの甚だしい例ですが,他にも,規制措置の緩和傾向(入国禁止の縮小や交通機関運行の再開等),それらに伴う入国者や外出の増加,経済・社会活動の再開等により,衛生・防疫環境や治安情勢にも日々変化が生じている可能性があります。

上述の諸点との繰り返しとなる点もありますが,全般的に,引き続き十分御注意下さい。

8.本件に関し,上記の諸点を含めまして,御照会事項がおありの場合には,末尾のお問い合わせ先に,電子メール等でご照会ください。

【参考情報】

1.ルーマニア保健省は,新型コロナウイルス相談専用無料電話回線(Telverde Line。番号0800800358)を設置しています。休日を含めて24時間受け付けています。

従来から運用している112番緊急電話サービスについては,感染の疑いがある場合や緊急事態電話への対応としている由です。

2.保健省を始めとするルーマニア政府当局は,当国における感染拡大防止の各種対策を上記以外にも実施しています。

各種の具体的な詳細については,以下のルーマニア内務省,外務省及び保健省の各ウェブサイトを御参照下さい。

(1)ルーマニア内務省HP

https://www.mai.gov.ro/

(2)ルーマニア外務省渡航情報

https://www.mae.ro/travel-alerts/

(3)ルーマニア保健省HP(中央下にあるList zone afectate COVID-19で,入国後施設での隔離の対象となる国が確認できます。)

http://www.ms.ro/

3.(1)新型コロナウイルスの予防については,日本の厚生労働省は,以下の三点を奨励しています。

ア 人混みを避ける(飛沫感染の防止)

イ こまめに手洗いをする(石けんを使って30秒程度洗う)

ウ 咳エチケット(マスク,ティッシュ,袖の内側を使う。手を使った場合には,すぐに手を洗う。)

 換気を行うこともよいとされています。

(2)また,日本の新型コロナウイルス感染症対策本部によれば,これまでの集団感染発生の場の共通点から,特に以下の三つの条件が同時に重なる場(「三密」)では,感染を拡大させるリスクが高いと考えられる,とされており,日本では緊急事態の解除後にも引き続き,「新しい生活様式」の一部として,実践が強く推奨されています。こうした局面を出来るだけ避けるように,御注意ください。

ア 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)

イ 密集場所(多くの人が密集している)

ウ 密接場面(互いに手を伸ばせば届く距離での会話や発声が行われる)

(3)さらに,以下の五つの項目から構成される「新しい生活様式」の詳細については,厚生労働省の以下のリンク先を御参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

ア 一人一人の基本的感染対策

イ 移動に関する感染対策

ウ 日常生活を営む上での基本的生活様式

エ 日常生活の各場面別の生活様式

オ 働き方の新しいスタイル

4.その他,本件について参考となり得るリンク先は,以下のとおりです。

(1)厚生労働省検疫所ウェブサイト

https://www.forth.go.jp/index.html

(2)国立感染症研究所 ヒトに感染するコロナウイルス

https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html

5.当国での警戒事態等に係るこれまでの基本的決定等のリンク先(本文の4関連)

(1) 現行の政府決定の一部分

ア 政府決定第511号

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/227527

イ 国家緊急事態委員会決定第30号(政府決定第476号の基になったもの)

全文のリンク先

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100065779.pdf

(2)政府決定第476号以前の段階での一連の政府決定等

ア 政府決定第476号の一つ前の段階での政府決定レベルでの規制措置,以下のリンク先の文書です(このリンク先で,赤色,緑色で記した規定や文言が,延長以前の警戒事態の間に緩和が拡大されてきた点に係るものです。)。

(政府決定第394号(「COVID−19パンデミックの影響を防止しこれに対抗するための経過措置の宣言及びその期間中に適用する措置に関するルーマニア政府決定2020年5月18日第394号」。政府案に議会が以下の修正を付した上で,5月20日に議会承認。)に,これの一部を改正した政府決定第434号(5月28日発令)及び政府決定第465号(6月12日発令)の規定を加味して統合したもの。)

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100065136.pdf

イ 政府決定第394号

(ア)当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00105.html

(イ)政府決定第394号の議会承認の際の議会による決定(政府決定第394号の議会承認に関する議会決定第5号)

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/225943

(この議会決定は,6月25日の憲法裁判所による判決の結果,無効となっている可能性がありますが,政府決定第394号と共に,リンクを可能としておきます。)

ウ 政府決定第434号(「COVID−19パンデミックの影響を防止しこれに対抗するための宣言及びその期間中に適用する措置に関する2020年政府決定第394号添付3の改正及び補足に関する2020年5月28日政府決定第434号」)

(ア)全文のリンク先

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/226173

(イ)当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100061923.pdf

(ウ)国家緊急事態委員会決定第26号(政府決定第434号の基となったもの)

全文のリンク先

https://stirioficiale.ro/hotarari/hotarare-nr-26-din-28-05-2020

エ 政府決定第465号

(ア)全文のリンク先

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/226749

(イ)当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100065137.pdf

(3)国家緊急事態委員会決定第29号(「エピデミックの現状の下での必要な緩和措置」決定29号。本文中2(3)での掲載と同じ。)

ア 全文のリンク先

https://www.mai.gov.ro/wp-content/uploads/2020/06/Hotarare-CNSU-nr.29-din-13.06.2020.pdf

イ 当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100065443.pdf

【問い合わせ先】

ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890(大使館が閉館している時間は,業務委託先へ転送されます)

メール:consular@bu.mofa.go.jp

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