新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(隔離措置の停止等)(号外)

(今回は,以下の二点目を中心にお伝えします。)

ルーマニアでは,7月5日13時までに,感染者累積28,973名,死亡者合計1,750名が確認されています。先に領事メールでお知らせした3日13時より2日間で,新規感染者が811名増加(昨日までの一日の増加420名,昨日からの増加391名)しています。引き続き一日当たり新規感染者数が400人超になる(本日400人超えない場合「高止まりする」)日が続きます。ぜひ十分注意してください。

●緊急事態局(DSU)が,7月3日付で,6月25日の憲法裁判所の決定を踏まえ,7月2日から法的枠組みができるまでの間,自宅隔離,施設隔離は一時的に中止される,との情報を発出しました。この結果,制止にもかかわらず病院やホテルから離脱する者が全国で出始めており,直近でも,ブカレストでは施設隔離の65名がホテルから離脱した他,ブラショフでも感染者7名が新たに退院予定,とされています。こうした事態にも留意の上で,不要不急の外出を避けるとともに,引き続き十分な注意をお願いします。

1.(1)緊急事態局(DSU)は,7月3日付で,6月25日の憲法裁判所の決定を踏まえ,7月2日から法的枠組みができるまでの間,自宅隔離,施設隔離は一時的に中止される,との情報を発出しました。同時に,DSUは,感染者と接触していた人,隔離の14日間がまだ終わっていない人,及びリスクの高い国から到着した人は,引き続き自宅で14日間隔離するよう,勧告しています。

(2)7月3日夜,オルバン首相はインタビューにおいて,「憲法裁判所の決定の結果として,COVID 19の患者は自己の要請によって病院から退院でき,また自宅隔離措置は適用できなくなった。 憲法裁判所が政府の取組みを弱体化させたのはこれが初めてではないが,私は国民に対して,憲法裁判所の決定に従うのではなく,通常の規則に従うようお願いしたい」と述べています。

 また,タタル保健相は,テレビのインタビューで,ルーマニアでは,施設隔離,自宅隔離,入院に関して,数日間の法的空白期間が生ずる,政府は来週(5日の週)初めに自宅隔離や施設隔離を裏付けるための法案を議会に提出する予定,としています。同時に,退院しないように勧告を出すことは重要,感染していると知りつつ隔離を離脱することは刑法第352条に抵触する可能性がある,と述べました。

(3)ここで背景とされている憲法裁判所の決定は,6月25日に同裁判所が示した,法律(医療改革に関する95/2006)の第25条(2)の規定は違憲,というものです。同条項は,「感染症の危機に関する予防と管理の措置は,保健大臣の命令によって決定される」と規定していますが,憲法裁判所は,このような制限措置には法律が必要であり,閣僚の命令によって制限を課すことはできない,と裁定しました。この決定は,7月2日付で発効しました。

(4)報道によると,既に一部のCOVID患者が,憲法裁判所の決定後に病院からの退院を要求し,離脱しています。プロTVは,「2人の患者が要求に応じて退院した」と報じ,Digi 24は,ブカレスト(マリウスナスタ病院)で入院した24歳の患者が自らの要請により解放された,と報じています。ブカレストのコレンティーナ病院では,7人の患者が7月3日の夜に解放を要求し(その後,詳細は不明。),また,本日(5日)も,ヤシでも無症状の患者1名が自発的に退院,ブラショフでは患者7名が近く退院予定,と報じられています。同日ブカレストでも,自宅隔離に違反したため市内のホテルで施設隔離となっていた100名のうち65名がホテルから離脱し,帰宅しています。(Hotnews)

(5)なお,国境警察は,ルーマニアに入国者の中で自宅隔離又は施設隔離に送られた者の人数の報告を停止しています。感染リスクの高い国からの入国者の自主隔離も行われていない可能性があります。

2.高い新規感染者数と併せ,全国で少なくとも10数名前後の感染者の病院からの離脱,強制的な自主隔離,施設隔離の停止等,憂慮すべき事態となっています,引き続き不要不急の外出を控えて不要な接触等を避けること,マスク,手洗い等,感染防止のために,十分ご注意ください。

【問い合わせ先】

ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890(大使館が閉館している時間は,業務委託先へ転送されます)

メール:consular@bu.mofa.go.jp

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