新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(その56)

ルーマニアでは,6月12日13時までに,感染者累積21,404名,死亡者合計1,380名が確認されています。前日同時刻からの増加は,感染者数が222名,死亡者数が11名。

 政府当局からは,感染予防のための措置の徹底の呼びかけが,引き続き行われています。十分な注意を継続して下さい。

●6月11日夜,15日からの緩和措置等に関する国家緊急事態委員会決定が発出され,同日中に政府決定として承認されました。

緩和される予定の措置の内容を,以下で掲載します。

●同日(6月11日),オルバン首相が,警戒事態期間の延長について来週初めに決定し,16日付けの官報に掲載したい,と述べました。但し,政党間での交渉対象とされている模様です。

●衛生環境や治安情勢等の変動の可能性にも引き続き御注意下さい。

●上記の他,当大使館からお知らせする内容を含めて,関係の措置や情報が頻繁に更新されています。最新の状況の把握に引き続きお努めいただきますよう,お願いします。

1.(1)内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,6月12日13時時点でのルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者数は,累積21,404名,前日同時刻からの増加222名。また死亡者数は,合計1,380名,増加11名です。感染者全体のうち,集中治療を受けている患者が171名,他方15,445名が治癒しました。

なお,前回のこのお伝え以降の増加(6月9日13時から12日同時刻までの三日間の増加の合計)は,感染者累積が655人,死亡者は35人となりました。

 以上の統計は,ルーマニア保健省国立公衆衛生研究所の以下のウェブサイトから最新情報が確認できます。

https://instnsp.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/5eced796595b4ee585bcdba03e30c127

(2)戦略コミュニケーション・グループ等が,マスク着用,手洗い,社会的距離の維持等の感染予防措置の履行の呼びかけを,引き続き行っています。皆様におかれても,注意を継続して下さい。

 新規感染者数は特段減少しておらず,また,出入国者の数にまた増大が見られています(以下6)。一方,社会・経済生活への規制は徐々に緩和傾向にあり,人,物との接触の機会が増大していると見られます。

2.(1)6月11日夜,15日からの緩和措置等に関する国家緊急事態委員会決定第28号「現在の伝染病の下で2020年6月15日以降実施可能な緩和措置の提案に関する2020年6月11日決定第28号」が発出され,その内容が同日中に政府決定として承認されました。

(2)それによる15日以降の緩和措置は,要点以下のとおりです(緩和措置としては全体で11項目が規定されています。)。

ア 国立公衆衛生局(INSP)が定める基準に従って,隔離措置の対象外となる国が設定される。

(当大使館注:具体的には,このINSPによる基準や個々の国・地域のリストが発出されるまで,現段階では十分慎重に御理解下さい(保健相が,INSPによるリストを15日に発表予定としています。)。

 例えば,首相は「人口100万人あたり5人の感染者」が基準となる旨言及していますが(また,対象国の例としてオーストリアギリシャブルガリアを挙げています。),これも含めて,基準のとり方はなお必ずしも明確でないと思われる規定ぶりとなっています。なお,日本の取扱いについても,現時点では不明です。より具体的なリスト等を参照すべきものと思われます。)

イ 医療活動のための入国者が,隔離・検疫措置の対象から除外される。

ウ 屋外でのスポーツ等の活動を,同居でない者6人までが一緒に行うことが,可能になる。

エ 屋内で最大20人まで,屋外で最大50人までの,私的行事の実施が可能となる。

オ 同一家族の者でない歩行者のグループによる通行が,最大6人までに拡大される。

カ 隔離措置の対象外となる国(上記アのINSPのリストにある国)との間の航空便(往復とも)の運航が再開される。

キ ショッピング・モールの活動が許可される。但し,レストランやカフェは,屋外のスペース(テーブル毎の間隔を2メートル以上確保し,同一家族でない者による同席は最大4人までとしたもの)を除き許可されない。子供の遊び場,映画館も,許可の対象外。

ク ギャンブル場(種々の賭けを引き受ける商店),理髪店,美容院,観光客のための宿泊施設が,再開される。なお,共通スペースを持つ職場の活動は,経済エネルギー・ビジネス環境大臣及び保健大臣の合同令を遵守しなければならない。

ケ 屋外プール,スポーツ・ジムの活動が再開可。

コ 温泉(治療)施設が再開可。

サ 保育園,幼稚園,私立の塾(アフタースクール)の活動が許可される。

(3)この国家緊急事態委員会決定第28号「現在の伝染病の下で2020年6月15日以降実施可能な緩和措置の提案に関する2020年6月11日決定第28号」の,現時点では報道に基づくリンク先は,以下のとおりです。

https://www.agerpres.ro/justitie/2020/06/11/cnsu-propune-marirea-din-15-iunie-la-20-de-persoane-a-participantilor-la-evenimentele-in-spatii-inchise-text-integral--521501

3.また,現在6月16日までとされている警戒事態のその後の取扱いについて,今後さらに政府決定等が発出される可能性があります。上記2の緩和措置とともに,進展に応じて必要なお伝えを続けます。

 御参考に,現時点までの関係の主要な動向,以下のとおりです。

(1)6月11日にヨハニス大統領が記者会見で,新型コロナウイルスの感染者が引き続き増えていることから,政府が必要な措置をとるために警戒事態の延長が必要である,と述べました。

同日,オルバン首相は,延長を来週初めに決定し,16日の官報に掲載する,と述べています。

(2)但し,延長については政党間での駆引きの対象となっており,今後の動向にはなお不透明なところもあります。

4.上記2,3等の今後の動向に要注意ですが,現時点で実施されている態勢や規制等を定めた基本的な法令等は,以下のとおりです(前回のお伝えから,現時点では変更ありません。なお,いずれの法令等についても,正確な内容が必要な場合には,各規定そのものの御確認や各当局への御照会を,お願いします。)。

(1)法律

法律第55号(「COVID−19感染症の予防とその影響との闘いのための2020年5月15日法律第55号」。5月18日発効。)

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00096.html

(2)政府決定

ア 政府決定第394号(「COVID−19パンデミックの影響を防止しこれに対抗するための経過措置の宣言及びその期間中に適用する措置に関するルーマニア政府決定2020年5月18日第394号」。政府案に議会が以下の修正(以下イ)を付した上で,5月20日に議会承認。)に,これの一部を改正した政府決定第434号(5月28日発令)の規定を加えてまとめたものを,以下で掲載してあります。現在有効な規制の内容は,これをご覧下さい。

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00116.html

イ なお,それぞれの文書自体も,以下の各リンクから参照できます。

政府決定第394号

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00105.html

上記政府決定第394号の議会承認の際の議会による決定(政府決定第394号の議会承認に関する議会決定第5号)

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/225943

政府決定第434号(「COVID−19パンデミックの影響を防止しこれに対抗するための宣言及びその期間中に適用する措置に関する2020年政府決定第394号添付3の改正及び補足に関する2020年5月28日政府決定第434号」)

政府決定第434号の全文のリンク先

http://legislatie.just.ro/Public/DetaliiDocument/226173

政府決定第434号の当大使館作成要点

https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100061923.pdf

政府決定第434号の基となった「国家緊急事態委員会決定第26号」

全文のリンク先

https://stirioficiale.ro/hotarari/hotarare-nr-26-din-28-05-2020

(3)大臣令以下

大臣令以下の命令その他の発出文書で,皆様の生活や行動等に影響大と見られる点の,現時点での一覧としてまとめたものは,以下のリンク先に掲示してあります(この種の文書等については,今後も,参考となり得る点大のものにつき,引き続きお伝えに努めます。)。

「警戒事態の下での大臣令以下の発表文書による規制等の主な措置」(6月4日版)

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00118.html

このリンク先の現時点での一覧に含めてあります点は,項目のみ,以下のとおりです。

ア 内務省移民局発行の証明書類の有効期限の延長等(5月14日付け緊急政令第70号)

イ 運転免許証等の有効期間の延長(5月15日付け内務省運転免許・車両登録局発表)

ウ 交通機関の運行・利用の態様等(5月15日付け運輸インフラ通信相・保健相合同令)

エ 職場の衛生措置(5月15日付け労働相・保健相合同令)

オ マスク/トリアージュ(5月22日付け内相・保健相合同令874/81/2020)

カ レストラン等の野外席(テラス席)の使用(5月29日付け保健相・経済・エネルギー・ビジネス環境相・国立獣医衛生食品安全局長合同令966/1.809/105/2020)

5.(1)商用航空便につきまして,合計12か国(オーストリア,ベルギー,スイス,仏,独,イラン,伊,英,オランダ,スペイン,米,トルコ)との間での運航について,現在も運航停止が継続されています(期限の規定がありません。)。

(2)当国のタロム航空が一部で航空便を運航していますが,現在運航しているのは,ルーマニアからの,国外での労働に赴く人や居住国に戻る人等のための便の模様ですので,御注意下さい(同社の説明によれば,運航先の国籍を持つ者やルーマニア人に限定して搭乗させており,その他の外国人は利用不可,とされています。)。

詳細については,以下のタロム航空フェイスブックからご覧いただけます。

https://www.facebook.com/tarom.ro

同航空(タロム航空)は,同時に,イタリア,スペイン,ドイツ,フランス,オーストリア,ベルギー,英国,オランダ,トルコとの間の商用便が6月16日23時59分まで運航停止なる旨,以下の同社HPで周知してきています。

https://www.tarom.ro/stiri/informare-pasageri-28-mai-2020

(3)他方で,KLM航空のHPで,6月17日以降のブカレスト発の便の航空券が販売されていますため,御参考にお伝えします。但し,利用を検討される際には,十分慎重に照会等を行って下さい(15日以降の具体的緩和措置(例えばオランダの取扱い)やその中での航空便の再開はもとより,警戒事態の取扱い等,多くの要確認事項があり得ます。規制等の措置の全般として,これまでの上記4に加えて,上記2,3,等の動向にも注視願います。)。

ア 運航予定日:6月17,19,21,22,24,26,28,29日

ブカレスト発(KL1374 13:25発15:25着)

アムステルダム乗継ぎ成田行き(KL861 16:30発翌日10:35着)

イ 運航予定日:6月20,23,27日

ブカレスト発(KL1374 13:25発15:25着)

アムステルダム乗継ぎ関空行き(KL867 16:35発翌日10:50着)

KLM航空HP

https://www.klm.com/home/nl/en

(4)他に,現時点でも,欧州内で二回以上の乗継ぎで日本に帰国できる経路への接続はあることが見込まれます。また,上記(3)以外にも,今後,他国又は当国での規制の緩和等がある場合には,それに伴って航空便の運航も一般的に再開に向かうことが予想されます。しかし,感染や規制の状況はなお流動的であり,具体的な移動の全体に関連する点(特に,二回以上の乗継ぎを要する場合を含めて,なお継続している可能性のある各種規制による種々の異例の事態(預入れ荷物の一旦引取りやその際の乗継ぎ国への入国の必要性,使用空港の異同,入国の可否,入国者の隔離措置の有無等も含む。))も含めて,頻繁,詳細に確認を行うことが適切と見られます。帰国に限らず,航空便での渡航を検討する際には,引き続き十分御

留意下さい。

なお,ブカレスト・オトペニ空港の本日の運航状況は,以下の同ウェブサイトから確認できます。

http://www.bucharestairports.ro/en/

(5)また,航空便を利用する場合には,空港内の待機場所や航空機内は,密閉空間,密集場所,密接場面となりやすいため,マスク着用など,この面での感染防止対策もお忘れ無きよう,御注意下さい。

(6)さらに,帰国される方は,日本入国時には,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,引き続きPCR検査,結果判明までの指定施設での待機,空港からの公共交通機関(国内便を含む。)の不使用,指定場所(自宅又は自ら確保した宿泊施設等)での14日間の待機等の措置の対象となりますので,これらにもご留意ください。

「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

6.陸路の国境地点の現状は,ルーマニア国境警察のウェブサイトとともに,以下で参照できます。

なお,国境通過の人数が,6月11日には出入国いずれも各2.5万人の計5万人に増大しています。こうした事態による感染や治安の状況への影響にも,十分な警戒が必要と思われます。

https://www.ro.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00103.html

https://www.politiadefrontiera.ro/ro/main/n-date-deschise-17/

7.新型コロナウイルスの感染状況の進展に付随する各種情勢の変化,直近では,警戒事態の取扱い,規制措置の緩和傾向,それらに伴う入国者や外出の増加,経済・社会活動の再開等により,衛生・防疫環境や治安情勢にも日々変化が生じている可能性があります。

上述の諸点との重複も大ですが,全般的に,引き続き十分御注意下さい。

8.本件に関し,上記の諸点を含めまして,御照会事項がおありの場合には,末尾のお問い合わせ先に,電子メール等でご照会ください。

【参考情報】

1.ルーマニア保健省は,新型コロナウイルス相談専用無料電話回線(Telverde Line。番号0800800358)を設置しています。休日を含めて24時間受け付けています。

従来から運用している112番緊急電話サービスについては,感染の疑いがある場合や緊急事態電話への対応としている由です。

2.保健省を始めとするルーマニア政府当局は,当国における感染拡大防止の各種対策を上記以外にも実施しています。

各種の具体的な詳細については,以下のルーマニア内務省,外務省及び保健省の各ウェブサイトを御参照下さい。

ルーマニア内務省HP

https://www.mai.gov.ro/

ルーマニア外務省渡航情報

https://www.mae.ro/travel-alerts/

ルーマニア保健省HP(中央下にあるList zone afectate COVID-19で,入国後施設での隔離の対象となる国が確認できます。)

http://www.ms.ro/

3.(1)新型コロナウイルスの予防については,日本の厚生労働省は,以下の三点を奨励しています。

ア 人混みを避ける(飛沫感染の防止)

イ こまめに手洗いをする(石けんを使って30秒程度洗う)

ウ 咳エチケット(マスク,ティッシュ,袖の内側を使う。手を使った場合には,すぐに手を洗う。)

 換気を行うこともよいとされています。

(2)また,日本の新型コロナウイルス感染症対策本部によれば,これまでの集団感染発生の場の共通点から,特に以下の三つの条件が同時に重なる場(「三密」)では,感染を拡大させるリスクが高いと考えられる,とされており,日本では緊急事態の解除後にも引き続き,「新しい生活様式」の一部として,実践が強く推奨されています。こうした局面を出来るだけ避けるように,御注意ください。

ア 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)

イ 密集場所(多くの人が密集している)

ウ 密接場面(互いに手を伸ばせば届く距離での会話や発声が行われる)

(3)さらに,以下の五つの項目から構成される「新しい生活様式」の詳細については,厚生労働省の以下のリンク先を御参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

ア 一人一人の基本的感染対策

イ 移動に関する感染対策

ウ 日常生活を営む上での基本的生活様式

エ 日常生活の各場面別の生活様式

オ 働き方の新しいスタイル

4.その他,本件について参考となり得るリンク先は,以下のとおりです。

・外務省の海外安全情報(世界各国への渡航に関する参考情報)

https://www.anzen.mofa.go.jp/

厚生労働省の関連ウェブサイト

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1

厚生労働省検疫所ウェブサイト

https://www.forth.go.jp/index.html

国立感染症研究所 ヒトに感染するコロナウイルスhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html

・WHOの関連ウェブサイト

https://www.who.int/china

【問い合わせ先】

ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890(大使館が閉館している時間は,業務委託先へ転送されます)

メール:consular@bu.mofa.go.jp

領事メールの受信希望の方は,以下のリンク先から手続きをお願いします。

3か月以内の滞在の方は「たびレジ」,滞在されていない方は「たびレジ」簡易登録

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

3か月以上滞在予定の方は,「在留届」登録

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html

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